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[ 読んでよかった! ] 兼田絢未さん「親子アスペルガー」(合同出版)

[ 読んでよかった! ] 兼田絢未さん「親子アスペルガー」(合同出版)

自閉症スペクトラムは10人に1人くらいの割合です。決して珍しいわけではなく,障害というより,癖のようなものです。多数者のひとと比べて,決して,劣っているわけではありません。ちがっているだけです。

たしかにそうかもしれない。けれども,自分が自閉症スペクトラムであったり,家族が自閉症スペクトラムであったりした場合,どうやって身の回りの環境と折り合いをつけていって,自分らしく生きていけるか,それを考え

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心臓がとまるほど美しいひと 秘密の森

心臓がとまるほど美しいひと 秘密の森

「秘密の森」 このドラマ,登場人物たちの人間関係がおもしろい。他人との距離感が近いようで,とても遠い。ありそうで,たぶん,現実の世界にはありそうもない距離感が美しい。このドラマはまるでおとぎ話の世界のようだ。

美しいといえば,ペ・デュナ。ドラマ「秘密の森」で初めて見た。くらくらするほど魅力的なひとだ。

ドラマが進むにつれ,主人公の上司の奥さんが登場する。ユン・セアだ。こちらは初めて見た時,あま

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日本武術神妙記 剣道に防御はあるのか?

日本武術神妙記 剣道に防御はあるのか?

中里介山の「日本武術神妙記」にはこんな記述がある。

僕は相手が動いて隙ができたところ,相手が打ち出すところを打つ稽古をしている。それだと遅いということだ。特に相手が打ち出してから打つ場合,技量が同じであれば,必ず先に打たれる。そういう稽古をしているのは,打たれる稽古をしているようなものだ。相手が動いて隙ができる,相手が打ち出す。これを待っているというのは,主体的か受動的かでいえば,受動的だ。相手

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病気のこと 兵法家伝書

病気のこと 兵法家伝書

僕はトイレにいくときについつい本をもっていく。適当に開いて読んでみたら,びっくり。

現代語に訳してみると次のように書くことができる。

昨日の稽古のこと。八段の先生と稽古している様子をいつもお世話になっている先生が横からみていらした。稽古後,その先生に挨拶に行くと,「肩にすごい力が入っていて,体が前傾している。あれではスムーズに体がでていかない」

今週の僕の課題は,打つ兆しが見えたら,思い切っ

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こんなふうに死にたい 斎藤一

こんなふうに死にたい 斎藤一

斎藤一,藤田五郎こんなふうに死にたいというモデルがある。斎藤一。新撰組最後の剣客。明治では藤田五郎と名乗った。

他の本でも同様の最後の姿がもうすこし詳しく描かれている。それによると,斎藤一は,坐禅を組みながら最後を迎えると言い,家族に抱えられながら座敷に向かう。痰がでるので,それを家族にとってもらいながら,坐禅を組み,そして,息を引き取る。

僕はこういうふうに死にたい。何に憧れるか?

喉が痰

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本当は叫びたいあなたに ドラマ「秘密の森」

本当は叫びたいあなたに ドラマ「秘密の森」

ある日突然動けなくなる

腰痛の何割かは心因性のものではないか。僕はそう思う。今年になって二度椎間板ヘルニアになったが,今から思えば,どちらも精神的に追い込まれていた時期だった。けれどもそれは認めない。苦しいことは認めない。

そんなある日激痛で動けなくなった。まさに動けない。食事もとれない。風呂にもいけない。トイレには行くしかないが,恐ろしい激痛とともに用を足す。そんな生活が10日くらい続いて,

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読んでよかった!「児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた」

読んでよかった!「児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた」


ハラスメント

みんながおかしいと思っている。けれども,誰も,おかしいと声を上げない。これは言ってはいけないことなんだなとみんなが空気を読む。空気を読むことは熱心だけど,苦しんでいるひとの心はあえて読まない。全然読まない。

けれども,すこしづつすこしづつ,世の中はいい方向に変わっています。虐待,体罰,いじめ,セクシャルハラスメント。当たり前に行われてきたことが,今はもう許されない。けれども,出

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読んでよかった!「ヒキコモリ漂流記(山田ルイ53世」

読んでよかった!「ヒキコモリ漂流記(山田ルイ53世」

「ルネッサンス!」の山田ルイ53世の自伝。

スポーツもでき,勉強もできる。バレンタインデーには女の子からチョコレートももらえる。そんな完璧な山田少年にあるとき悲劇が起きる。

中学校の登校中,うんちをもらしてしまう。それ以来,学校に行けなくなる。ひきこもりになる。

その後,大検に合格して,愛媛大学へ。しかし,退学し,失踪。芸人を目指す。

なぜ引きこもりになったのか。なぜ立ち直れたのか。そんな

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読んでよかった!「自分の「異常性」に気づかない人たち」 あなたは正常ですか?

読んでよかった!「自分の「異常性」に気づかない人たち」 あなたは正常ですか?

帯にこう書いてある。

被害妄想がひどすぎる。ひとへの攻撃が止まらない。ひとを傷つけても全然平気。

絶対,あのひと,異常! そういう異常なひとたちが,弱っていたり,うまくいかなくて苦しんでいたりしているのかといえば,全然,そんなことはない。自分が異常だとはきっと全く思っていないんだ。周りのひとたちだけ,疲れていく。

「自分の「異常性」に気づかない人たち」 こういう本を読もうと思う人は,きっと,

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