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日々の泡

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日記をつけていこうと思います
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アドルノの著作集

アドルノの著作集

5年前のFacebookの投稿から。結局読んでいない。

古本屋で見つけたアドルノ著作集17巻の音楽論集、迷った挙句購入。『楽興の時』が中心に収録されている。アドルノの著作は音楽関係のものがかなりあって、哲学や社会学の専門だけでは訳しにくいと聞いたことがある。でも、アメリカ亡命時代に英語で書かれたアドルノの音楽論(ジャズ論)は当時の社会心理学理論が使われているので、その知識は必要だろうと思う。読み

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トロントでの研究のこと

トロントでの研究のこと

5年前のFacebookの投稿から。

私が主にゼミに出ていたトロントのヨーク大学の独立大学院Social&Political Thoughtには、ヨーク大学教授のジョーディ・バーランドや日本ではフェリックス・ガタリの研究で知られるゲーリー・ジェノスコ、マクルーハン研究のジェニー・マーシェソーが私の指導教授の元で学位を取得していました。私が参加していたゼミでは、ラーティーバ・ハディモサRatiba

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スチュアート・エルデンのミシェル・フーコー論。

スチュアート・エルデンのミシェル・フーコー論。

7年前のFacebookの投稿から。

メモ。スチュアート・エルデンのミシェル・フーコー論。
エルデンはアンリ・ルフェーヴルの研究者でもありルフェーヴルのRythmanalysisを英訳している。(Rhythmanalysis: Space, Time and Everyday Life Bloomsbury Revelations)
フーコーがチュニジアからパリに戻って変化したものを分析している

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ポピュラー音楽研究におけるシーンについて

ポピュラー音楽研究におけるシーンについて

「シーン」を語る上でキーとなる概念がaffective alliancesであり、これはローレンス・グロスバーグの論文や著書で十分に展開されているものだ。学生時代に大学院の授業で読んだ。

ウィル・ストローがaffective alliancesについてsystem of articulationで言及していたことは、その後自身も展開していないと思われるが、これは情動に訴える文化を考察する上で重要

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日記20240806

日記20240806

今日は、お昼に永井荷風を読む。
『荷風全集』から「おかめ笹」を読む。『断腸亭日乗』で「おかめ笹」を執筆しているとの記述を読み、興味を持った。荷風の小説を読むのは初めてかもしれない。後書や校異表など全集はやっぱり良い。
「おかめ笹」は『中央公論』に最初に掲載された。大正時代の『中央公論』の読書層は新中間層。全集の「後書」にはこのあたりの経緯が載っている。

夕方はブルデューのDistinctionを

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イメージとリアルの相関史のために

イメージとリアルの相関史のために

2008年のAsia Studies Conference Japanの発表では、現在とは社会状況も変化しているので再考する必要があると思われます。
この発表では、戦争の表象は現代日本ではヴァーチャルとして代理されていると結論づけていた訳ですが、これは最近ベンヤミンも映画論で表象がリアリティへのショック効果とか癒しの効果があるということを述べているのを発見して、近い思考であるようにも思っているとこ

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読書日記0629 柄谷行人「『マルクス その可能性の中心』英語阪序文」『群像』2020年3月号のメモ

読書日記0629 柄谷行人「『マルクス その可能性の中心』英語阪序文」『群像』2020年3月号のメモ

1年前のFacebookの投稿から。
研究のためのメモ。

柄谷行人「『マルクス その可能性の中心』英語阪序文」『群像』2020年3月号のメモ。

柄谷行人は『マルクス その可能性の中心』の英語阪序文において、『資本論』に言及する時に商品の価値形態論を取り上げているのだが、ここで柄谷が重視しているのが交換=コミュニケーションである。それは、『マルクス その可能性の中心』においてソシュールの言語学に

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新書執筆日記6月24日

新書執筆日記6月24日

新書原稿が書き上がりほっと一息。出版社の編集担当者に送付。引き続き頑張ります。
詳細はまたお知らせします。

最終的に9万9千字ぐらいです。

日記6月18日『ロラン・バルト』

日記6月18日『ロラン・バルト』

石川美子『ロラン・バルト』中公新書、2015年。

新刊で購入してそろそろ読み終わりそう。
バルトは引き立てによって、研究者として研究活動を行っていた。

友人や研究者の引き立てによって、図書館員、外国人講師、外務省文化交流総局、国立科学研究センター研修員、給付が打ち切られた後は『テアトル・ポピュレール』の編集と出版社の文芸顧問となる。そして、1955年にリシュアン・フェーヴルとジョルジュ・フリー

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日記6月6日

日記6月6日

日高六郎『現代イデオロギー』には私の大学院の指導教授の名前があとがきに記されている。久しぶりに読みたくなってページをめくる。

日記6月5日

日記6月5日

カール・ポパーの高弟、イアン・ジャーヴィー先生。同志社大学に客員教授として来られていた。その後ヨーク大学で先生を訪ねたように思う。

日記6月4日

日記6月4日

NHKプラスで映像の世紀を見る。

夜はレベッカ・ソルニットを読む。

現在書いている新書草稿。
レベッカ・ソルニットは、歩くことによる思想をめぐらせた書物の中で、路上における抗議行動では、「公共空間に立つ公衆となり、観衆ではなく影響力の主体となっている抗議者自身への影響が省みられることはあまりない」(『ウォークス:歩くことの精神史』)という。

たしかに、むしろ路上や公共空間における歩くことや音

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