粟谷佳司

博士の日常/社会学、現代文化評論/経歴: 博士(社会学・同志社大学)。トロント大学・ヨ…

粟谷佳司

博士の日常/社会学、現代文化評論/経歴: 博士(社会学・同志社大学)。トロント大学・ヨーク大学に留学(客員研究員)、慶應義塾大学研究員(メディアコム)、立命館大学准教授を歴任/現在は新書を制作中/

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    日々のあれこれ。伊藤整の小説のタイトルからつけました。

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人生のメモ。運とストーリー

人生は自分と社会環境との関係によって作られるというのは、社会学でも議論されているテーマです。それをストーリーとして表現することがあります。 ストーリーをどう作るかは個人の経験や知識にかかっています。 私たちは学校で勉強について習うのだけど、人生におけるいくつかの流れをどう感じて行動するかは教えてもらえないのです。 それは運のようなものもあると思うのですが、自分の経験からも流れに乗るというはあります。それは複数の事柄が起こって結びついて一つになるという感じでした。 運は

    • 読書日記20240909

      今日の本棚の本。 Charles Taylor.Sources of the Self.Harvard University Press.1989 テイラーについては多文化主義の関係でトロントから帰国後に少し読んでいた。現在は『フーディー』から真正性関係でまた読む。文化現象を理論を使って解読する作業は楽しい。

      • 今日の本棚整理と読書

        今日の本棚整理と読書です。お昼まで。 アンソニー・ギデンズの『親密性の変容』は読み直すと面白い。 ルイ・アルチュセールの著作。仏書、英訳は勉強部屋に。 エドワード・サイード『晩年のスタイル』はジャン・ジュネ論を。

        • アドルノの著作集

          5年前のFacebookの投稿から。結局読んでいない。 古本屋で見つけたアドルノ著作集17巻の音楽論集、迷った挙句購入。『楽興の時』が中心に収録されている。アドルノの著作は音楽関係のものがかなりあって、哲学や社会学の専門だけでは訳しにくいと聞いたことがある。でも、アメリカ亡命時代に英語で書かれたアドルノの音楽論(ジャズ論)は当時の社会心理学理論が使われているので、その知識は必要だろうと思う。読みにくいといわれているアドルノのドイツ語ですが、初挑戦で「ジャズについて」の邦訳見

        人生のメモ。運とストーリー

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          ニュース「中古スマホ」活況

          ニュース。 中古スマホ活況。

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          トロントでの研究のこと

          5年前のFacebookの投稿から。 私が主にゼミに出ていたトロントのヨーク大学の独立大学院Social&Political Thoughtには、ヨーク大学教授のジョーディ・バーランドや日本ではフェリックス・ガタリの研究で知られるゲーリー・ジェノスコ、マクルーハン研究のジェニー・マーシェソーが私の指導教授の元で学位を取得していました。私が参加していたゼミでは、ラーティーバ・ハディモサRatiba Hadji-Moussa先生の大学院ゼミがとても有益で、当時日本ではまだメジャ

          トロントでの研究のこと

          スチュアート・エルデンのミシェル・フーコー論。

          7年前のFacebookの投稿から。 メモ。スチュアート・エルデンのミシェル・フーコー論。 エルデンはアンリ・ルフェーヴルの研究者でもありルフェーヴルのRythmanalysisを英訳している。(Rhythmanalysis: Space, Time and Everyday Life Bloomsbury Revelations) フーコーがチュニジアからパリに戻って変化したものを分析しているようだ。 この本の最初から、Daniel Defortに宛てた手紙を引用している

          スチュアート・エルデンのミシェル・フーコー論。

          ポピュラー音楽研究におけるシーンについて

          「シーン」を語る上でキーとなる概念がaffective alliancesであり、これはローレンス・グロスバーグの論文や著書で十分に展開されているものだ。学生時代に大学院の授業で読んだ。 ウィル・ストローがaffective alliancesについてsystem of articulationで言及していたことは、その後自身も展開していないと思われるが、これは情動に訴える文化を考察する上で重要なものだ。むしろポピュラー文化は情動と知識(サブカルチャー資本)が産業と関わりな

          ポピュラー音楽研究におけるシーンについて

          文化研究におけるシーン概念について

          7年前のFacebookの投稿で、学会発表したもの。 2017年8月13日 資料その3 日本の音楽雑誌におけるロック・シーンの系譜学 シーン概念については Will Straw,1991,Systems of articulation, logics of change: communities and scenes in popular music. Cultural Studies 5 (3), 368-388 Jeder Janotti Junior,2012,I

          文化研究におけるシーン概念について

          日記20240806

          今日は、お昼に永井荷風を読む。 『荷風全集』から「おかめ笹」を読む。『断腸亭日乗』で「おかめ笹」を執筆しているとの記述を読み、興味を持った。荷風の小説を読むのは初めてかもしれない。後書や校異表など全集はやっぱり良い。 「おかめ笹」は『中央公論』に最初に掲載された。大正時代の『中央公論』の読書層は新中間層。全集の「後書」にはこのあたりの経緯が載っている。 夕方はブルデューのDistinctionを読む。 イントロダクションの英訳は、フランス語原書でも日本語訳でもないupbri

          イメージとリアルの相関史のために

          2008年のAsia Studies Conference Japanの発表では、現在とは社会状況も変化しているので再考する必要があると思われます。 この発表では、戦争の表象は現代日本ではヴァーチャルとして代理されていると結論づけていた訳ですが、これは最近ベンヤミンも映画論で表象がリアリティへのショック効果とか癒しの効果があるということを述べているのを発見して、近い思考であるようにも思っているところです。 これを微妙に修正しながらイメージとリアルの相関史について考えてみたい

          イメージとリアルの相関史のために

          日々のカルチャー・スタディー7/23

          日々のカルチャー・スタディー7/23

          日々のカルチャー・スタディー7/22

          日々のカルチャー・スタディー7/22

          読書日記0629 柄谷行人「『マルクス その可能性の中心』英語阪序文」『群像』2020年3月号のメモ

          1年前のFacebookの投稿から。 研究のためのメモ。 柄谷行人「『マルクス その可能性の中心』英語阪序文」『群像』2020年3月号のメモ。 柄谷行人は『マルクス その可能性の中心』の英語阪序文において、『資本論』に言及する時に商品の価値形態論を取り上げているのだが、ここで柄谷が重視しているのが交換=コミュニケーションである。それは、『マルクス その可能性の中心』においてソシュールの言語学にマルクスとの類似性を見出して論じることで明確になっている。 その際、注意しなけ

          読書日記0629 柄谷行人「『マルクス その可能性の中心』英語阪序文」『群像』2020年3月号のメモ

          博士と妻 第八回 ah,freak out

          この間妻と伊丹まで買い物に行った時の話。 前の車(ランドクルーザー)が〜freakというステッカーが貼ってあったのに妻が反応して、ah,freak outと歌い出した。 私は咄嗟にシックの曲というのがわかったのだが、笑いを堪えるのが大変だった。というのも歌の語感からfreak outではなくahに明らかにアクセントが置かれていたからだった。 私は、芸人のあ〜白木を思い出したのもある。もしかしてあ〜白木もあ〜をシックの曲から取っているのかもしれない。 またこれには伏線が

          博士と妻 第八回 ah,freak out

          新書執筆日記6月24日

          新書原稿が書き上がりほっと一息。出版社の編集担当者に送付。引き続き頑張ります。 詳細はまたお知らせします。 最終的に9万9千字ぐらいです。

          新書執筆日記6月24日