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うつ病の予防と治療に効く運動ってなに?4,887人の若年層を対象にした58の研究からの科学的知見

こんにちは、よすです。

運動はメンタルにも良い影響を及ぼすということはみなさんご存知だと思いますが、それは単なる通説というわけではなく、科学的に証明されつつある根拠ある知識です。

合計4,887人の15〜24歳の若年層を対象にした58の研究で、運動はうつや不安感の減少に有意な効果があると示されています。

ただ、ひとくちに「運動」といってもどのような運動をすれば良いのか?が疑問ですよね。

結論

さて、結論から紹介します。
先ほど紹介した研究の論文はこちらです。

合計4,887人の15〜24歳の若年層を対象にした58の研究結果から重要な知見を導き出しています。簡単にポイントをまとめてみますね。

  • うつ病の若者でも健康な若者でも、運動することで不安が大幅に改善する

  • うつ病の若者に対しては、筋トレ、有酸素運動、複合運動、マインドフルネス運動のどれを行ってもうつ症状が改善する

  • 健康な若者に対しては、筋トレ、有酸素運動、複合運動、マインドフルネス運動のどれを行ってもうつ病の予防効果がある

  • うつ病の治療と予防の両方において、筋トレの効果が最も高い

  • 週に3〜4回、1回30〜60分、6週間以上継続すると運動の効果が高まる

つまり、運動の内容はなんでも良く、継続して運動することがうつ病の予防と改善につながる、ということですね。予防効果もあるというのが心強いですね。

詳しく

少し詳しく説明します。

まず筋トレは、うつ病の治療と予防の両方において、最も高い効果が認められました。筋トレを行うことで、体内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンの分泌が促進され、気分の改善につながるのだそうです。また、筋トレによって自己効力感が高まることも、うつ症状の緩和に役立つと考えられています。逆にいうと、自尊心の低さは若者のうつ病の予測因子であり、身体活動の増加は自尊心の増加と関連しています。

次に有酸素運動は、ジョギングやサイクリングなどの全身運動です。有酸素運動を行うことで、心肺機能が高まり、ストレスに対する耐性がつくと言われています。また、運動中に分泌されるエンドルフィンには、気分を高揚させる効果もあるそうです。

複合運動は、有酸素運動と筋トレを組み合わせた運動法です。全身の筋肉を効率的に鍛えながら、心肺機能も同時に高められるので、うつ病の改善に効果的だと考えられています。また、運動の種類を変えることで、飽きを防ぐこともできるでしょう。この論文で言及されているのはHIITというインターバルトレーニングです。

最後に、ヨガに代表されるマインドフルネス運動は、瞑想的な要素を取り入れた運動法です。ゆっくりとした動作と深い呼吸に意識を集中させることで、心身のリラックス効果が得られます。また、瞑想的な要素が精神面の安定をもたらし、うつ症状の改善につながるのです。

まとめ

運動を始めるのに、特別な器具や設備は必要ありません。ぜひ自宅でできる簡単な筋トレやストレッチから始めてみてください。個人的におすすめなのはHIITです。合計4分で大きな恩恵を得られるトレーニングなので、興味のある方は「タバタ HIIT」で調べてみてください。

重要なのは続けることです。この論文では、週に3〜4回、1回30〜60分、6週間以上継続することで、最も高い効果が得られることがわかりました。しかし、これは理想の内容であり、この条件をクリアしないと意味がないというわけではありません。
どうか気負うことなく、簡単な運動を長期的におこなってくださいね。


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