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漫画キングダムから学ぶ会社経営 #36:ワークライフバランス

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。今回は36回目の記事になります、過去の投稿はこちらからご覧ください。(各記事は基本的に、キングダム最新巻までのネタバレを含みますのでご了承ください。)

前回まで過去3回は教育、トレーニング関係の話をまとめました。特に前回は新入社員向けトレーニングの重要性を飛信隊松左を例に挙げました。まだお読みでない方は、まずそちらをお読みください。

ちょうど新学期も始まった事もあり(投稿日4月5日)、また前回も新入社員に関係する内容だったので、今回も特に新入社員の皆さん(と、もちろん、新入社員の上司、先輩となる方)へ、社会人にとって非常に大事なワークライフバランスに関して、キングダムを例に、まとめたいと思います。

ワークライフバランスとは、英語そのままで、「仕事」と「生活」のバランスを取るという事です。このような考え方の背景としては、プライベートも充実しないと、人生も豊にならない上に、プライベートの充実こそが、仕事の充実へ繋がる相乗効果があるという考えの基にあります。昔CMで流れていた某栄養ドリンクのように、24時間働けますか、の時代は古いという事です。私自身も新卒2年目くらいまでは、残業も多く、仕事中心の生活をしていましたが、生活とのバランスを考える様になってからは残業はほとんどせず、それでいて仕事のパフォーマンスを上げる事に成功しました。

キングダム、特に秦内の隊員は皆生き生きとしております、戦いもそれ以外も充実しているように感じます。特に飛信隊と桓騎軍の2軍がタイプは違えど、ワークライフとしては、最もバランスが取れていると思います。その共通点はどういったものでしょうか。

1) リーダー(隊長)がブレていない。
まず、組織の中にいる以上、リーダーやボスの影響は少なくありません。隊長である信と桓騎将軍には圧倒的なカリスマ性とリーダーシップがあります。良くも悪くもですが、どちらの隊もこのリーダーでなければ、隊としては成り立たない程リーダーに依存しております。これは上からの押し付けではなく、皆が彼らの考えに心から共感しているので、組織として上手くまとまっており、多少の辛い戦いも我慢できますし、戦外でのコミュニケーションもチームとして上手く取れています。ワークライフバランスを語る時、どうしてもライフ(生活、プライベート)に重きを置きがちですが、まずはワーク(仕事)が充実していないと話になりません。ライフに偏る仕事の仕方は、働きすぎと同様上手く相乗効果をもたらす事ができません。そんな中、この2人のブレない考えや行動は隊員に安心感と仕事に対する充実をもたらしています。

桓騎 1

2) 戦以外の楽しみがある。
いわゆる昭和のサラリーマンがプライベートを楽しめずに、家に帰ってもやる事がないからダラダラと会社にいるなんて話を聞いた事があります。そういった人達はこぞって仕事もできません、On -Offのメリハリがないからです。逆に多くの経営者は仕事も忙しいながら多趣味な人が多いのは事実です。ライフ(生活)を充実させる為には、やはり、わくわくするような趣味を持つ事が望まれます。
話をキングダムに戻して、飛信隊も桓騎軍も、どちらも戦以外で、楽しみを持っています。飛信隊は、仲間同士での宴会、飲み会です。良く漫画内で描写されますが、このバカ騒ぎのような宴会で皆、英気を養い、元気を取り戻し、翌日への活力としています。家族と離れ戦場に何カ月も戦に出る場合は、このように、信頼できる仲間とバカ騒ぎするのは、とても重要に思えます。また、桓騎軍は、これは否定的な意見の方が多いかと思いますが、元夜盗集団なので、勝ち取った領土から金品を奪う等の楽しみがあります。現代ではもちろん、当時も許される行為ではありませんが、戦以外の楽しみという意味では、決して否定はできません。隊員の考え方は違えど、両軍とも「心を潤す」事ができる事が、人生の充実へとつながっています。

3) 堅苦しい組織ではない。
最後に、最も大事な点として、両組織とも、非常にフラットで、全く堅苦しさがありません。堅苦しさがないから自由に意見も述べれるし、やりたい事もできる、そして本番では戦に集中する。オンオフのバランスが非常によく取れる組織体制になります。逆に上から締め付けられるような組織や上司では、息苦しさだけが残り、パフォーマンスを発揮しようにも出来るはずもありません。

このように飛信隊も桓騎軍も仕事(戦)一辺倒ではなく、バランス良く人生を楽しんでいる人が多いのが特徴です。両軍とも元下僕や元夜盗集団など、貴族出の軍とは違うのは明らかです。それだけが大きな理由ではありませんが、そういった背景も関係しているかもしれません。

ワークライフバランスは一見個人のやり方のみで実践できそうですが、上記述べた通り、どの組織に属してどのリーダーに付くかというのが非常に重要になってきます。しかし、新入社員にとっては、組織やリーダーは選ぶことができないのも事実です。ですので、上司や、組織のリーダーの方が、率先してその方向性を導いてあげなければなりません。ただ、「早く帰れ」というだけでななく、仕事のフォローアップもしつつ、充実した社会人に導いてあげるのも上司の大きな役割となります。

4月から新しくチームを率いる方、組織長に昇進された方、今一度自分のチームの事をしっかり考えて行動されてはいかがでしょうか。

それでは、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

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