通信制大学での学び
大学生になって初めてのスクーリングを終えて、思っていたよりも充実した内容に満足している。
通信教育部での学び方
僕の通っている東京福祉大学通信教育部では、スクーリングを3つのキャンパス、またはオンラインで行なっている。僕は東京キャンパスとオンラインで受講していく予定だ。
公認心理士を目指す課程では、学部段階では、全部で30科目の授業を受ける必要がある。そのうち16科目の授業がスクーリングを必要としている。
僕の場合は3年次編入なので、3年次では、指定された20科目の授業の単位を取得する必要がある。それが、4年次で実習を行う条件なのだ。
単位取得の方法は、大きく二つ。
A.書籍を通して学ぶ科目
一つは、レポートと科目終了試験で評価されるもの。これは、次のような流れで取り組む。
B.書籍と授業を通して学ぶ科目
もう一つは、上記に加えてスクーリングが必要なもの。今回スクーリングを受講してみて、適切な流れを把握することができた。
スクーリングの日程は事前に決まっており、その中から自分の都合の良い期日、場所を選択できる。授業によっては半年に1回しか開催されないものもあり、必修科目がある場合は、計画的に受講しなければならない。
僕の場合は、今年度だけで(9月~翌8月)15科目のスクーリングを受ける必要があり、それぞれ開催の期日が限られ、授業日程の重複もあるため、これらを適切に受講するのが、けっこう大変である。
また、レポート提出や科目終了試験は1か月に4科目までと決まっているため、いざとなったらまとめて提出することもできない。(そもそも1か月に4本提出するだけでも大変である。)
最初は、レポート課題と科目終了試験をどんどん前倒しでこなして、別途スクーリングを行なっていくつもりだった。(そのような受講でもかまわない)
しかし、スクーリングでレポート課題や科目終了試験について扱うことがわかったので、スクーリング受講後にレポート課題や科目終了試験に取り組むのが望ましいと判断した。
そもそも書籍だけではレポート課題の意図が飲み込めなかったり、対応に迷うものがあった。レポート課題の評価によっても実習が受けられなくなってしまう可能性があるので、なるべく適切な対応をしたい。
一方で、所定の期日までに取得しなければならない科目もあるので、スクーリングの日程と照らすとぎりぎりな場合もあるようだった。そのあたりは、うまく調整する必要があるだろう。
この辺りは、4年間かけて取得することを前提とすれば無理がないわけなので、3年次編入でも取得が可能であるカリキュラムを用意してもらえただけでもありがたいと思うべきだろう。
初めてのスクーリング
初めてのスクーリングはオンラインによるものだった。
昨今の情勢により、オンラインによる授業が定着してきたこともあってか、とても授業の仕組みがスムーズだった。
出席の取り方や授業の進め方、講義の場面と学生同士の交流場面、チャットの活用など、対面授業とはまた違った良さを感じた。(なお、通信媒体はZOOMを用いた)
思っていたよりも一方的な授業ではなく、学生同士の交流もできたので、大変勉強になった。多様なバックグラウンドを持った学生と意見を交わすことができたことも、とても良かった。これもまた、通信教育部の良さだと思う。
また、質問魔な自分にも丁寧に対応してくださり、かゆいところに手が届く授業であった。
通信制大学で学ぶことは一般大学に劣るのか
対面授業で4年間学んだ自分としては、大部分の学びにおいて、通信制大学で学ぶことは一般大学(通信制ではない大学)にそう劣らないように感じた。
むしろ、学費や生活費、交通の便を考えたら、通信制の方がずっといい分野も多いと思う。
もちろん、大学の施設を利用できないことは大きなデメリットである。参考書籍を探そうにも大学図書館は使えない(使用できる場合もあるが、キャンパスに通う必要が出てきてしまう)。
実験や実習が多すぎる場合は、レポートやリモートでは代替できない部分が大きいだろうし、そもそもそのような課程は通信制にすること自体が難しいだろう。
それでも、大学側が用意した適切な書籍を通読し、レポートにまとめ、リモート授業で深めるという過程が、対面授業に劣るとは必ずしもいえない。
学ぶ内容を精査し、授業が必要なものと、書籍と向き合うものに分けるのは、機能的にも思える。
少なくとも学部レベルにおいては、一冊の良書にじっくり向き合うことが大切なことも多いと思う。その書物とどのように向き合うかにおいて、15コマの講義を受けるのと同程度とまではいかなくとも、ある程度の深さまでの学びは可能だと思う。教材や題材の選定、課題設定の工夫によっては、かなり深い学びを促すことも可能だろう。
もちろん、キャンパスライフという意味では、教授や学生同士の密接な関わりや、無駄にも思えるやりとりにも価値があるものである。サークル活動に精を出したい人もいるだろう。
しかし、それらは大学の学びのほんの一面であって、必ずしも必要なものではないと思うのだ。
少なくとも、高等教育の学費が異常に高く、リカレント教育も十分に活用できていない現代日本では、通信制大学の学びは、妥当な選択肢に思えた。費用を確実に抑えられ、人的コミュニケーションに関わる費用も抑えられることは大きい。
ただし、通信制大学によって、学び方や単位取得の仕組みも違うので、一概には言えない部分はある。
また、一度大学での学びを通っている自分と、初めて高等教育に触れる学生とでは、感じ方も大きく違うだろう。
実際、通信制大学はどうしても仕組みが一層複雑であり、それに対して得られるサポートが少ないと感じた。
そのあたりは、各大学の試行錯誤と、技術開発、教材開発、カリキュラム開発によって、改善されていくものと考えている。
いずれにせよ、せっかく通信制大学で学び始めたからには、学問の探求や専門知識の習得だけでなく、通信制大学の在り方を考える手がかりも得ていきたいと思う。
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