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クラウドファンディングは、未来のあなたを担保にした先行投資である

最近、クラウドファンディングの立ち上げを手伝っていると言うと「クラウドファンディング興味あるんですけど、どうですか?」という質問を何回か受けるようになった。
正直言って、私は、クラウドファンディング自体は賛成ではなかったし、今後も基本的にあまり強くはおススメしない。
なぜなら、みんなクラウドファンディングを軽く考えすぎだと思っているからなのである。
「今流行っているから」「よく見かけるから」「ファンと資金が同時に手に入るから」と安易な考えでクラウドファンディングを考えるくらいなら、よほど他の資金調達方法を探した方がいいと(準備に携わった)今でも思っている。
というわけで、今回は、クラウドファンディング準備に関わった側(当事者ではなくお手伝いした立場)として、感じたことを備忘録として残しておこうと思う。

「あなたの描く未来像」を言語化出来るの?

クラウドファンディングは、「未来のあなた」を応援したい人が先行投資するものである。
ということは、今までのあなたが積み上げてきた実績やファン(=信用の積み重ね)をもとに「こんな未来を描くために、今、支援が必要なんです」ということを明確に言語化しないといけないのだ。
今まで、大して実績もファンもいないのに、「クラファンやればファンと資金が同時に集められるんでしょ?」なんて私の前で言おうもんなら、かなりの高確率で「ねえ、あなたバカなの?」って言ってしまうと思う(口には出さなくてもほぼ100%心の中で思うだろうね)。

「信頼貯金」があることが前提だからね

もし、新規事業のための資金をクラウドファンディングで集めたいなら、自分の想いや人柄、どんな未来を描いているかをブログやSNSで日々(半年くらい?)発信し続けることのほうが先である。ファンを先に集めてから、その人に対して「応援してください」という支援をお願いするのがクラウドファンディングである。ファンがいない(=信用貯金がない)状態でクラファンやろうもんなら、それは最初から債務超過の状態であることを忘れないで欲しい。

クラウドファンディングをする前に、SNSマーケティングの基本(自分の商品やサービス、理念、将来どうなりたいかを導線を整えて発信すること)の土台が出来てこそである。ここが出来ていないと、クラファンの検討段階で挫折するであろうことは容易に想像が出来る。(まず、プロジェクトの紹介分の記事を書き上げるのが難しいと思うから)

発信の精度を最大級まで研ぎ澄ませる

クラウドファンディングの場合、それをさらに精査して発信精度を最大級まで研ぎ澄ませ、まさに「ターゲットを定めて、その人に向かって、自分の将来を担保に支援をお願いしますと乞う」のだということを(準備段階の状態ですでに)しみじみと痛感した。
今回のクラウドファンディング準備は、その段階でいったん決まりかけたコンセプトにダメ出しし、根底から見直してコンセプトの再検討、「どうやったら支援者さんに応援したいという気持ちになってもらうか」という見せ方、ストーリー、支援してよかったと思えるリターン品のラインナップ……。開始直前まで徹底的に相談しつくした。
「純粋な思いを伝えさえすれば、それが相手の心に響いて支援につながる」と思っているのならば、それは考えが甘いと言わざるを得ない。きちんと相手に伝えるための工夫と手順を踏むことは必要なことである。

リターン品は未来に負担になりすぎないものを

特にここ1年は、コロナ禍で経営が苦しくなったところが多いのか、クラウドファンディングを見かけるようになった。それは別に悪いことではないのだが、気を付けた方がいいのは「〇年使える将来の商品券」を大量に出さないことだと思う。
「将来使える商品券」は、支援する側とすれば一番欲しいものかもしれない。「どうせ、将来的にはそのお店に行くのだから、それを今払えば応援になるよね」という気持ちはよく分かる。

しかし、将来の商品券は、将来の売り上げを前借りする行為である。ということは、将来、そのお店が一生懸命頑張って売り上げたとしても、その「商品券」を使われた場合、それはその時の売上にはならず「過去の借金の清算」にしかならないのである。すなわち、苦しさを将来にも先送りすることになる。だから、将来の商品券を買った支援の人が、いつかそれを使うときがあれば、それとは別に物販などを店で買えば、その時の売り上げも確保されるのでお店は喜ぶかもしれない。

将来がどうなるか、コロナ禍がどうなるか分からない状態で「未来の商品券」を(リターン品の中で)高い割合にするのはどうかと思ったので、リターン品は可能な限り物販(支援の時点で売上がすぐに計上できるもの)にすることにした。
リターン品に関しても、支援する人が「支援してよかった」と思えるものと同時に、将来に負担になりすぎないものを選ぶことが重要だと感じた。

【まとめ】言葉選びにも気を付ける

最初、この記事を書くときに思いついたタイトルは「クラウドファンディングは、未来のあなたを担保にした借金である」だった。しかし「借金」という単語のインパクトの強さと、クラファンの未来の明るさに希望を持たせるというイメージを大切にしたいために「先行投資」という言葉にした。言葉のチョイスも、今回のクラウドファンディングに関しては気を配ったことの1つであることを最後に付け加えておく。

今回、私がクラウドファンディングのお手伝いをした、歌川智子さんについて、WordPressのブログで記事にした。ここまでファンがいて20年の実績がある人でも、コロナ禍で厳しい状況になっているというのだということがわかる。
早くこの事態が収束して、マスクを外して笑いあえる日が再びやってくることを願って止まない。



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