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濁り

今まで純粋に「やりたい」と思ったことや興味、関心で動いていたり、進路もそういった理由で選んだりしていたのに、大人に近づくにつれて打算、妥協という選択肢が出てきた。

なんか「濁り」のような、複雑な思いになる。

人生、そんな単純な動機だけで行動できないというのはわかってはいるんだけど、なんか嫌な気分になるというか、心がグシャグシャっとなるような感じがする。

小さいころ、アナウンサーを初めて生で見て、笑顔が眩しくて素敵だなと思い、アナウンサーになりたいという夢を持っていた。けれど、少し成長してアナウンサーってニュースとか報道したり、番組の進行役とかで素敵な職業なのかなと思っていたが、大学でミスコンに出場して、ミス○○に選ばれるような美貌とか自己主張とかが必要なんだなと思ったし、私が思っていたより聖職でもないのかなと思い、そんな学歴も美貌も将来的に自分じゃ無理だろうと思い、その夢は中学生で諦めた。

中学生になってからは、ミュージカルを見に行くようになり、舞台で働く裏方さんに憧れた。舞台の照明によって、一瞬でその場の雰囲気を変えることが出来たり、スポットライトが当たるか当たらないかで変わるというのが凄いなと思うようになり、特に舞台照明の人に憧れた。そこから、照明の人に限らず、舞台とかテレビとかの裏方の仕事に就きたいなと思った。けれど、この業界も厳しいとうすうす感じていたため、この夢はすぐに諦めた。

高校生になってからは、心理カウンセラーに憧れた。というより、自分が一番、向いている仕事なのかなと思った。癒し系といわれたりしたから他人を癒す仕事がしてみたいと思い、心理系の学部に入った。

大学生になって、心理について学んでから、やっぱりカウンセラーの道はなかなかに厳しいということに気づいた。まず、大学で公認心理士に必要な科目を取らないといけない。そして、大学院進学をしなければならない。この大学院進学が金銭的に難しいし、大学院でも心理について学んだり、実践をしたりとしなければならない。これで公認心理士の資格が取れたとしても、実際就職したっていい給料ではない。だからこの夢も諦めた。

「やりたい」っていう動機だけじゃその先苦労するのも分かってはいるんだけど、純粋な夢だけじゃなくて、金銭的な問題とか、これで生きていくのは厳しいな〜みたいな、他の要素が夢を邪魔するようになった。

確かに自分がやりたいことと、できることが違ったりするし、自分が損をしない、ちゃんと生きていけるような選択肢を選べるようになったのは成長してる証だけど、なんか綺麗で透明な水が濁るような感覚がする。

小さい頃のように純粋に夢を追いかけられなくなったんだな、って。

大人は矛盾だらけって言うけど、多分こういう所なんだな〜って思った。やりたいこととか綺麗事とかは素敵だとは思うけど、どこかで割り切らないといけない場面が訪れる。どこで妥協するかが重要なんだろうけど、なかなかに難しい。

私も本当であれば、音楽系の大学とか美術系の大学にも憧れていたし、今でもそういう人間を見るとめちゃくちゃ憧れる。いいな〜って思う。嫉妬する。けど、多分、自分がその大学に入ったところでその先、生きていけるかどうかはわからない。そこら辺で野垂れ死んでいるかもしれない。

けど、夢って原動力というか、その目標地点に向かえばいいから、非常に計画が立てやすい。漠然とただ前に進むより遥かに楽になる。大学も心理学が学びたいという目標があったから、それに向けて頑張ればいいだけなので、とても楽だった。

今は一人暮らしがしたい、幸せになりたいというぼんやりとした夢しかないから、どこに就職すればいいか、どこのゼミに入ればいいか葛藤してる。自分がやりたいことを追求すればいいのか、それとも自分の役に立つようなことをすればいいのか…。
とりあえずこのぼんやりした夢だけは叶えられたらいいな〜とは思ったけど、ちゃんと決めなきゃいけない時が来るんだよな…大変だなぁ…。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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