フォローしませんか?
シェア
枝瀬優
2020年10月14日 21:29
どんな曲でも聴いているとさみしくなってしまうね過去を丁寧に掬いとって小さな箱に詰める欠片が静かに跳ねて脳に眠っているあの日の記憶が覚醒します忘れてしまわないようにそっと蓋を閉めて両手で包み込むつぎはいつ開けるかわからないけれど決して古くならない魔法の箱
2020年10月11日 16:29
秋の夕方、誰かに呼ばれた気がする迷子になってしまいそうな空気のにおい懐かしくて、すこし焦げくさい、でも嫌いじゃない夕日を背にしてのびる影につられてどこまでも歩いて歩いて街のすみっこあと数歩進めば消えてしまえるかなあかく燃える夕日にとけて一部になるもうおうちに帰ろう、チャイムが鳴ります誰でもないそれがわたしを現実に連れ戻す何処からか漂う夕餉のにおいわたしを迷わすにおいは消え
2020年10月5日 20:47
きっとわたしが居なくなっても朝日の届かない部屋がひとつ増えるだけで君にはちゃんと朝日が届く、そのくらいの変化しかないんだよ 線香のにおいがまだかすかに残る喪服をクリーニングにださなきゃ、日常に戻るわたしがいない世界がはじまることにきっと君は疑問を抱かない君は生きているからわたしはいつか誰かの記憶にしかならない記憶のわたしは誰にでも優しくて大切な存在になってしまうでしょうだか
2020年10月1日 22:22
雨の日は無理して笑わなくても許されるような気がして傘で表情の見えない君の機嫌をうかがわなくても許される気がして雨音だけがふたりを隔てているのに、とても遠くに居るみたい世界の音をかき消してくれるこの音が嫌いになれません湿気でヘアスタイルが崩れるからと愚痴をこぼす君はかわいいよすべてが洗い流されてリセットされたらいいのに、とスタバのカウンターから眺めながら飲むフラペチーノは味気ない雨の日に