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これは、おすすめ。 即読もう! (特に膝に問題を抱えている人には朗報)

1年に1冊くらいの割合で、これはいいと思う本に出会う。
数年に1冊の割合で、考え方や自分の姿勢を変える本に出会うことがある。

今回は、数年に1回クラス。
と言っても、私の場合、自分で考えたことや薄々感じていたことについて、やはりそうであったかという、我が意を強くしたのであるが。

この本です。
ぜひ読まれたらいい。

カバーを一見すると、よくあるハウツーものかと思うかもしれない。私も知人に勧められたのだが、最初あまり期待してなかった。

文章は、ハウツーものと同じくらい読みやすい。
(大体、本当にものの分かった人の文章は読みやすい。)
だが、内容は衝撃的だ。

ひざを痛め、車椅子生活をしていた人が、手術せずに自分で歩けるようになった。
日本中から、頼ってくる、軟骨が消失したひざ痛で苦しむ患者の46%は、3ヶ月で手術せずに、痛みが半分、もしくは10〜20%程度になった。等々。

これは、よくある民間療法とかの話ではない。
(私はいわゆる民間療法を否定する気は全くない。むしろ現代医学では掴んでいない真実を掴んでいるものも多くあると思う。)

著者は、薬学部を卒業後改めて医学部を出て、アメリカ、イギリスの最先端「膝関節手術」を研究してきて、約12,000人の患者、手術件数5,000件の実績を誇る、手術大好きな、「人工膝関節センター長」なのだ。

経歴もさることながら、私が納得したのは、大きく分けて2つ理由がある。

一つは、その考え方だ。
「ひざが痛い」という現実には、必ず原因がある。原因を放置して、結果だけを変えることは、意味がないという。

例えば、どこから、何が原因で痛いのか突き止め、その原因を取り除かないで、痛いから痛み止めを飲むということでは、結果はまた再現されてしまう。

「原因を見て、それと向き合う」姿勢、意識が大切だと力説される。

これが、医者の口から言われていることが、とても新鮮な感じがした。

当たり前のことだと思うかもしれない。
しかし、病院や医者のところに行った時、医者にどのように対応されているか、思い出してみてほしい。

血圧が高いですね。では降圧剤を処方しましょう。
血糖値が高いですね。血糖値を下げる薬を出しましょう。
眠れない、では、睡眠薬を。
睡眠時無呼吸。では、寝る時に、無呼吸を感知して強制的に空気を送る機械を装着して寝ましょう。

ではないか。
全て、起きている現象(痛み、高血圧、高血糖等)を解消する対策だ。起きている現象の原因を取り除く方法ではない。
全て、対症療法なのだ。

著者も現代の医学の8割は、対症療法だと書いておられる。

そもそも、多くの医者は、対症療法を施すことが医学だと考えているのではないか。また、そういうふうに教育を受けたきたのではないのかと、思う。

それでいいのじゃない。
痛みが消えたり、熱が下がったり、眠れたりするのだから、と思うかもしれない。

だが、体にそういう反応が出るのには、原因があり、また、そのような反応を体がする理由があるのだ、と思いませんか。

熱が出るのは、体に細菌やウイルスが入ったからであり、熱はその細菌やウイルスを殺すために出ている。と言うふうに。

その原因である、細菌やウイルスを除去せずに、尚且つ細菌やウイルスを殺す働きをする熱を下げるとどうなります。

細菌やウイルスが生き延び、増殖するのですぞ。
発熱や痛みという兆候を消して、静かに、静かに増殖していくのですぞ。
やばくないですか。

でも、医者は対症療法しか考えない(人が多い)。

だから、私のように、なぜこうなるのか、どこをどうすればいいのか等を聞かれると返答に困り、不機嫌になるのではないかと思う。(私は、医者に不機嫌な態度を取られることが非常に多い。)

それを真正面から、原因をきちんと知りましょう。知ってその原因を取り除きましょうと、説く医者は、まれだ。

なおかつ、その原因を突き止め、それを取り除くことに成功しているとなると、さらに少ないのではないか。

その方法も、極めてシンプルだ。
なおかつ、誰にでもできる。
(誰にでもできるというのは、やり方が簡単なだけではなく、精神的負担も小さいということだ。)

例えば、ひざに故障が出てくるのは、ひざに過大な負荷がかかっているからだ。では、負荷を減らせばいい。
つまり、体重を減らせばいい。

歩く時、ひざには体重の5倍、走ると体重の8倍の力がかかるという(2008年アメリカ整形外科学会に発表されたデータ)。
体重60kgの人なら歩く時300kg、走ると480kgの力がひざにかかっている。
では、5kg体重が減ったら、どうなるか。
それぞれ、25kg,40kgひざの負担が減るではないか。
これが、10kgの減量だと、なんと50kg、80kgの負担源となる。
ひざの痛みに影響ないと思いますか。


そのために、1週間に1日だけ、絶食しようと書いてある。

1日何カロリー、ご飯茶碗どれだけ、云々かんぬんはない。
原則、1週間に1日絶食、これだけ。

私が納得した2つ目の理由。
書いてあることが、私がこうであろうと考え実践してきたこと、そしてそれが一定の効果を上げていると思っていることに近いことだ。

例えば、私は姿勢が非常に大事だと思って、常に注意している。姿勢くらいと思うかもしれないが、骨や筋肉はもちろん、内臓にも要らぬ負担をかけるものだと考えたからだ。

また悪い姿勢を続けることは、悪い癖を体につけるように鍛錬しているようなものだとも思っている。


著者によると、手術しないでひざの痛みをとる方法の一つの要素は、歩き方だという。そして、歩き方は、正しい姿勢から始まるとして、立ち方から始まりある方を解説してある。

実は私は、先日膝を痛め、階段の上り下りも危なげになった。

この時の手当としてやったのが、膝周りの靭帯とそれにつながる筋肉の緊張をとることと、膝の使い方(ひざかかる力の方向)の微調整だった。

この手当てをした当時、私はこの本を読んでいなかったが、ひざの使い方の微調整は、著者のやり方と原理的には同じだ。


ただし、歩き方のモデルの写真は、違うんじゃないかなと思う。前足が伸びきっているので、そのまま着地するのがいいと誤解を与える気がする。
足を伸ばしたままだと、着地の衝撃をもろに受けることになり、ひざを痛める原因になると思う。着地は、ひざを少し曲げた状態でするのがいいと、私は考えている。

これで、回復させ、翌日には、海岸の遊歩道の堤防の上を2時間程度ウオーキングしたが問題はなかった。

だから、私の実体験からも著者のやり方は妥当だと思うのだ。

具体的なやり方は、本を読んで貰えばわかるし、本当に誰でも実践できる。シンプルだし(実践に移すときは、これはとても重要)、負担もさほどでは無い。

何よりも、「近い将来の話、「対症療法」の害についてはやがては多くの人の知るところとなり、「薬」は半減するのではないかというのが僕の予想です。」と、薬学部卒の経歴ををも持つ著者の考え方自体が、病気や医療あるいは高齢化したときの体を考えるときに役にたつ。

ひざやその他のところに、今は問題のない人でも、ぜひ読むといい。

ちなみに、著者は、専門の外科以外に、東洋医学、気功まで研究しに行かれている。

私の敬愛している、K先生も北京まで、鍼灸の修行に行かれていた。

患者を救おうという使命感と科学的誠実さを持って医療に携わると、こういう見解になるのだと思う。


目次の一部を書いておこう。
読み進むうちに、対症療法の恐ろしさにゾッとしてくる


・1万人超の「足腰」を見て分かったこと
・病気や不調の「原因と結果の法則」
・人はなぜ歩けなくなるか
・人体の最高傑作「軟骨」は再生する!
・ひざの痛みは「小さな骨折」だった
・手術しないで「歩き方」を変えて痛みをとる
・原因に取り組む「根治療法」を初めてみよう
・体が悪くなるしくみ
・「内転筋」が弱るとO脚が進行する
・筋肉を「なんとなく使う」のはもったいない
・脊柱管狭窄症すら遠ざけてくれる
・体重が5Kg減るだけで、3割の人が手術不要に
・からだは「消化」で疲れ切っている
・逆流性食道炎も防いでくれる「15秒つばルール」
・人工透析者が増えている意外な理由
・糖尿病治療薬を飲む人はどうすべきか
・降圧剤とどう付き合うか
・逆流性食道炎は薬で治してはいけない


現在ひざ問題を抱えている人も、そうでない人も一度は読んでおいた方がいい。








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