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生命史から学ぶ、「仲間の理解」でチームの能力を10倍にする方法

30秒で理解したい方向け

・バフとは「ヒトのみ保有する、『互いの能力を交換できるスキル』により、発動できる呪文」
・生命の進化の肝は、協業と分業
・ヒトは「ニッチ戦略」で生き残り、事実、数が少ない
・ヒト固有のスキルは「交換」と「助け合い」であり、それが最大限発揮される状況下=バフが最大化される
・お金で動く経済規範よりも、大義で動く社会規範のほうが、バフは発揮されやすい
・もちろん、最低限の経済性を全員が持っていないと、搾取になる

こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。

これから求められる人材、「バフ人材」に必要な要素、「仲間の理解」を解説するnoteです。

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「バフ人材?」という方は、こちらからご覧ください。

なぜ、「仲間の理解」がバフの発揮に大切なのか

結論からいうと、
バフとは「ヒトのみ保有する、『互いの能力を交換できるスキル』により、発動できる呪文」だからです。

「…なんのことやら……?」

大丈夫です。ゆっくり解説します。


最小の生命

地球最小の生命体である細菌(大腸菌や乳酸菌など)は、単細胞生物として体の外から直接、エネルギーを取り入れます。

しかし、1段階進化した真核細胞生物(藻など)は、体内に「葉緑素(ようりょくそ)細胞」を持ち、光合成でエネルギーを作り出します。

このように、
・葉緑素細胞→二酸化炭素と日光からエネルギーを作り出す
・他の細胞→二酸化炭素を葉緑素細胞まで届け、エネルギーを分けてもらう

という「協力と分業」により、安定して大型化することが出来ました。


高次の協業と分業が可能になる=勝負のルールが変わる

その後、無脊椎(むせきつい)動物(昆虫など)→脊椎動物(魚や獣)→ヒト(ホモ・サピエンス)と進化します。
が、その間には必ず、より高度な協業と分業が行われます。

そして最もコアなのは、生存条件=勝負のルール が変化することです。

例えば、昆虫のアリは花蜜など「糖」を餌にしますが、真核細胞生物の餌は「細菌」です。互いの生存のため、餌を奪い合うことがありません。

つまり、無脊椎動物の祖先は生き残るために、ビジネスにおける「ニッチ戦略」をとった、といえます。

その証拠に、地球上に存在する各生命体の数と、DNA塩基配列数(≒生命の複雑性であり、協業と分業の数)をグラフにしたのが、次の図です。
見事に、生命体の数と複雑性が、反比例しています。


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<出典>

※ちなみに、「高次の協業と分業ができること」が進化の必須条件、ではありません。進化になにが必要なのかは、生物学者の間でも見解が分かれています。このnoteでは「進化した生物には高次の協業と分業が見られる」をメインでお伝えしています。


ヒトとチンパンジーの差

遺伝子レベルで98,8%一致する、ヒトとチンパンジー。両者を決定的に分かつ点が、協業と分業の中でも、血筋に関係ない相手と交換と助け合いができることです。

私たちの祖先は、血筋の違う相手とも自分の得た肉と衣服、武器とお米などを「交換」してきました。これにより、例えば衣服を作れる人は、専業化することで、より高度な衣服を生産できます。

さらに心理学でも、「返報性(なにかをしてもらった相手に、お返しをしたくなる心理)」=「助け合い」が、確認されています。

これらは魚やライオンはもちろん、チンパンジーにも確認されていない、ヒトならではの特性です。


バフを発揮できるのは、信頼ある仲間に対してのみ

ここから、ゲームの「パーティ」をイメージしてみましょう。

あなたのパーティには、映像クリエイター、エンジニア、デザイナーがいるとします。
彼ら彼女らの能力とあなたの能力を「交換」し、「助け合う」ことで、高次のパーティとして能力が最大発揮され、全員が豊かになれます。

これが、パーティにバフがかかっている状態です。

しかし、そのためには当然、チーム内で「裏切り」が発生しない確信が全員に必要です。
いつ裏切るか分からない相手には、物資含め「交換」や「助け合い」を持ちかけません。

「裏切り」を防ぐコツ、それは、社会規範と経済規範です。


掛け算を目指そう


お互いの能力の「交換」は、前述の「藻」や「狩猟民族時代のヒト」では、単なる物々交換に留まります。

そのベースにあるのは「お金の概念=経済性」であり、社会性よりも経済性が高い状態は「経済規範」が働いている集合体といえます。

「1万円もらったから、〇〇する。」「XXのデザインをしたから、10万円」と、この集合体が持つエネルギーは、各交換量の「足し算」です


しかし、より高次になると、経済性よりも社会性が高い状態になります。ここでの交換=「お互いの目標達成のため」や「社会の課題解決に向けて」など、目に見えない相互奉仕と貢献意欲です。

これが、「社会規範」が働いている集合体です。
各メンバーの報酬は、お金(=小義)から、チームや社会への貢献そのもの(=大義)に昇華されています。

そして後者のエネルギーは、物理的交換を伴わないため、半永久的に高まります(=掛け算)

もちろん……

社会規範は、全員が経済規範とセットで理解し、自分の身は自分で守れるほど経済性を兼ね備えた上で、はじめて意味を持ちます。

社長個人の社会規範を、トップダウンで採用段階から組織へ強要し、本人の理解が乏しいまま経済性を無視した報酬で生まれるのが、ブラック企業です。

これらを踏まえ、チームで「生涯で成しえたいこと」や「譲れない信念」を相互理解をすることで、バフがパーティに発揮される。
その瞬間から、大義を成すための「進化」がはじまります。

まとめ

・バフとは「ヒトのみ保有する、『互いの能力を交換できるスキル』により、発動できる呪文」
・生命の進化の肝は、協業と分業
・ヒトは「ニッチ戦略」で生き残り、事実、数が少ない
・ヒト固有のスキルは「交換」と「助け合い」であり、それが最大限発揮される状況下=バフが最大化される
・お金で動く経済規範よりも、大義で動く社会規範のほうが、バフは発揮されやすい
・もちろん、最低限の経済性を全員が持っていないと、搾取になる

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次回は2021年09月25日(土)更新予定


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