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フィクションの使い方

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人間は言語を使うことを、つまりフィクションを立てることをう運命づけられていますが、その力は甚大です。人生を傾かせることも、人生を上向かせることも、どのようなフィクションを立てうる…
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#考え方

【769】裸エプロンのエロティシズム序説(続かない)

裸エプロンそれ自体は裸のうえにエプロンを身につけるだけですが、或る文脈において一定の効果…

墓場
2年前
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【173】愛を証明するための結婚、あるいは契約の力を活かす(畑健二郎『トニカクカワ…

新婚夫婦の生活を描いた、畑健二郎『トニカクカワイイ』という漫画が『週刊少年マガジン』で連…

墓場
4年前
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【535】エンドコンテンツの彼方に

endgameないしはendgame contentとは、日本語では「エンドコンテンツ」と呼ばれ、ゲームの通常…

墓場
3年前
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【481】フィクションの果実(4):その虚構で、現実を断ち切れ

フィクションは紡ぐ側にとってはもちろん現実から一歩離れて、現実の物事を考えるための素材に…

墓場
3年前
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【479】フィクションの果実(3):擬制は進歩の一里塚

fictionは「曲げる」くらいの意味を持つラテン語の動詞fingereの名詞形ですが、これは法学にあ…

墓場
3年前
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【478】フィクションの果実(2):社会契約の白いキャンバス

政治思想におけるフィクションとしておそらく最も際立っているのは、社会契約論(とその背後に…

墓場
3年前
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【475】論破より籠絡を!

人を「論破」することが流行りなのでしょうか、私にはよくわかりませんが、以前にも増して、「論破」という語を見ることが増えたように思われます。 私はさして好戦的な人間ではないつもりですし(傍からどう見えていても、そういう自覚を持っています)、「論破」と聞くとちょっと「ん?」と思ってしまうところがあります。「論破」なんかしてどうするのかな、と。 ■ もちろん論破を行う側にも、それなりの戦略や目的や快楽があるのでしょう。そもそも(私にはよくわからないにせよ)「勝利」の美酒を舐める

【470】『ジョゼと虎と魚たち』を観ずに語る

田辺聖子原作の短編『ジョゼと虎と魚たち』は、既に2003年に妻夫木聡と池脇千鶴の主演で映像化…

墓場
3年前
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【469】「私に触れるな」:劣後順位と説明責任byイエス

イエスはなかなか過激なことをよく言います。上司には持ちたくないタイプ、などと言うと問題が…

墓場
3年前
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【435】不感症者の感動/ルクレーティウスの入れ子?

学びを深めていけば当然、当該の分野に関する知識は増え、感覚は研ぎ澄まされてゆくことになり…

墓場
3年前
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【411】あなたのマスクの下を見たい/思想テロリストたちの密かな戦い

私たちが当たり前にやっていることが弾劾の対象となる世界を描くフィクションは極めて多いもの…

墓場
3年前
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【374】「人それぞれ」の功罪

何かにつけて「人それぞれ」だと思っておくことは、余計な思考の手間や諍いを回避するために、…

墓場
3年前
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【364】『リズと青い鳥』、あるいは傘木希美の屈託と誠実(37000字)

37000字を超えるひとつの読解です。アニメ映画『リズと青い鳥』に関する当たり前の事実を、当…

墓場
3年前
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【357】不合格体験記は役に立つ!

猛烈にフランス語を書いていたらほとんど時間切れのような感じになってしまったので、今日はごく短く、ある文章の紹介をしたいと思います。 北九州予備校という大学受験予備校が公開している、浪人生たちが自ら書いた「不合格体験記」です。合格体験記ではありません。「不」合格体験記です。 http://kitayobi.com/kitayobi/failure/ 一読していただければわかるかと思われますが、実に皆さん、自分が不合格になった原因を自分なりに見つめて、来年度こそは(北九州予