ゼロ年代ブックオフ店員の記憶
「いらっしゃいませー!」いらっしゃいませー!いらっしゃいませー!…これは〈やまびこ〉。一日の目標として、ダッシュ(お客様やスタッフのもとへ小走りで駆け付ける)出し切り(入荷した商品はその日のうちに陳列)、スマイル(常に笑顔)、やまびこ(冒頭の大声複唱)。カウンター内からはコミックスの小口の汚れを削るガス―!ガス―!という研磨機の音。二〇〇〇年代初頭のブックオフの店員のテンションの高さは異常だった。私は奇妙に明るいサービス!サービス!の二〇年前にアルバイトとして働いていた。