横田宇雄

演出家。フランス語翻訳・通訳。舞台映像技術者。 演劇のお仕事、フランス語翻訳・通訳のお…

横田宇雄

演出家。フランス語翻訳・通訳。舞台映像技術者。 演劇のお仕事、フランス語翻訳・通訳のお仕事、お受けいたします。 https://yokotatakao.blogspot.com/p/contact.html

マガジン

  • セノグラフィ談義

    舞台芸術の技術者として、劇場建築の研究者としてのブログです。

  • 小説『スノコの精』

    舞台技術者・劇場研究者による、架空のお話。劇場のお話、舞台のお話。 ※タイトルは、私の夢から取りました。いつか死んだら、劇場のスノコの上に、私を納骨してください。

  • 33歳男、育休を取る 〜男性が育児に参加していくために〜

    2019年三月、娘の出生を機に、育児休業給付金を一年間申請しました。男性が育児休暇を取得するメリットと、男性が育児・家事に入っていく際の実例を紹介していきたいと思います。 賛否あるかと思いますが、どうぞご高覧下さい。

  • Airbnbのこと(いわゆる民泊について)

    Airbnbを実際に利用してみた経験について書きました。

  • エッセイ集『エロスとオカルト』(サンプル版)

    2013-2015年に書かれた演劇論や文芸論を集めたエッセイ集です。(これはサンプルです)

最近の記事

  • 固定された記事

「33歳男、育休を取る」 第1回:井戸に落ちた育休男子

初めまして。33歳になり第一子が生まれ、2019年三月から一年間の育休を取得した男です。 育児ブログや育児日記など、探せば出てくるものもありますが、男性メインの育児参加に関しては、まだまだ社会一般には浸透していない印象です。なので、育児にコミットする男性の目線から、ブログをつけることにしました。 自己紹介から。 33歳、男性、舞台スタッフ。中学生の頃から下北沢に通い、一回り上のお兄さん・お姉さんたちに可愛がられながら、ディープな演劇の世界へ。仕事の場所を東京、静岡、京都

    • 【観劇記録】「多和田葉子の演劇 ~連続研究会と『夜ヒカル鶴の仮面』アジア多言語版ワーク・イン・プログレス上演~」(2021年10月30日16時)

      川口智子演出による多和田葉子『夜ヒカル鶴の仮面』を観劇したので記す。 事前知識をなく観劇したので、あまりハッキリとしたことは書けないが、多和田葉子の芝居は別の機会に触れたことがあるし、川口智子の芝居もサラ・ケイン『クレンズド』を見ていた。 アーティストのサイトを見ると、2019年からリーディングという形でこの戯曲へ取り組んでいたようである。京都でのワークインプログレス上演もその一環と言えよう。今後の発展が望まれる。 芝居の内容は、あらすじめいたものは少々書きづらいのだが

      • エチエンヌ=ルイ・ブレ「劇場」、『建築/芸術論』より

        劇場 劇場は、喜びに捧げる記念碑です。趣味というものが、どれだけ繊細に、どれだけ注意深く、この建築を仕切っているでしょうか。  この芝居のための公会堂は、かの有名なモンテスキューが描いたグニドの祭典に匹敵するものです。お互いの魅力を競うため、人々の心を魅了できる影響力を示したくて、好ましい性別の方々は芝居小屋に集まっているのです。またそれは、愛と上品さに喚起された魅惑的な性である、その魅力を味わい、その才への賛辞を受けるためでもあるのです。演劇は趣味の殿堂と言われていますが、

        • 小説『スノコの精』第一話 韮山時代劇場

          ※この文章はフィクションです。 第一話 韮山時代劇場  私は幽霊だ。劇場に巣くう生命体で、ここに集う人たちを見守っている。私は多くの場合、天井から人々を見下ろしているために、「スノコの精」と呼ばれている。  私は、劇場という場所、それぞれの場所に存在しているとも言えるし、私が様々な劇場に移動をしているとも言える。時々、いたりいなかったりもするし、ましてや「劇場」という空間に縛られているわけでもない。また私は、近代的な産物ではなく、古来より存在していて、人が人に何かを見せよ

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        「33歳男、育休を取る」 第1回:井戸に落ちた育休男子

        • 【観劇記録】「多和田葉子の演劇 ~連続研究会と『夜ヒカル鶴の仮面』アジア多言語版ワーク・イン・プログレス上演~」(2021年10月30日16時)

        • エチエンヌ=ルイ・ブレ「劇場」、『建築/芸術論』より

        • 小説『スノコの精』第一話 韮山時代劇場

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        • セノグラフィ談義
          4本
        • 小説『スノコの精』
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        • 33歳男、育休を取る 〜男性が育児に参加していくために〜
          3本
        • Airbnbのこと(いわゆる民泊について)
          4本
        • エッセイ集『エロスとオカルト』(サンプル版)
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        • エッセイ集『エロスとオカルト』
          5本
          ¥100

        記事

          ベイビー・シアターの図面を3Dで作成する

          週末研究者の横田です。劇場建築を専門としており、たまに舞台設計などをしている、いち小屋管理です。 舞台スタッフを生業としていた時とは打って変わって、「小屋管理」と揶揄される「平凡な業務」にあたっている私は、業務とは関係なく自らの趣味において、舞台図面や劇場研究を休みの日に、せっせと行っております。 今年は、ベイビー・シアター(赤ちゃんのための演劇)のコーディネート依頼がいくつかありますので、ポチポチと製図を行っています。 ●ベイビーシアターの図面を3Dで作ること 演劇

          ベイビー・シアターの図面を3Dで作成する

          劇評『不快なものに触れる。』(劇団いるす。)横田宇雄

          劇評めいた劇評なんて、この数年書かなかったけれど、この芝居については一言書きたいと思った。本当は、「カルスタ理論」(古い)なんか読み直しながら、ツラツラと長い文章でも書きたい衝動に駆られたが、そんな時間を取っている間にも、記憶が古びてしまうので、一言でも書いておきたいと思う。 ● 京都の劇団である「いるす。」によって制作された、この作品は、断片化された様々なテキストを切り貼りして、三人の俳優によって上演された。 会場は京都市内の「ホワイトキューブ」のギャラリーで、先斗町

          劇評『不快なものに触れる。』(劇団いるす。)横田宇雄

          おうちdeベイビーシアター『What’s Heaven Like?』テクニカル・セッティングについて

          ※この記事は、ベイビーシアター上演の裏側を、技術スタッフの目線から書いた記事です。プロフェッショナルの方、文化芸術関係者にお読みいただくことを意図しています。 久々にブログを書きます。ベイビーシアターに関連した記事を公開で書くのは初めてなので、簡単に自己紹介をします。 私は、舞台技術者で、舞台・映像の仕事をしています。(今は文化施設で小屋付きをやっています。ちなみに日仏翻訳・通訳もやっています) 「ベイビー・シアター」にはシアターカンパニーBEBERICAさんの技術スタ

          おうちdeベイビーシアター『What’s Heaven Like?』テクニカル・セッティングについて

          コロナ下での演劇人のふるまいについて思うこと

          私のつながっている人たちは、たいがいに賢い人たちなので、自分たちがいかに振舞うべきか、感染症の性質はどのようなものであり世界がどのような対策をしているかを知ろうとする。そういう人たちには、私が以下に記すようなことは戯言にしか過ぎないし、またそうではない人たちに私の声が届いたことなんてこれまでもなかったのだから、結局はこんなことを書いても無駄であるとは思う。 あるとすれば、所属している会社に迷惑がかかる、という否定的なことばかりで、SNSに思ったことを書いて良いことなんて、万

          コロナ下での演劇人のふるまいについて思うこと

          An esquisse of small theater

          京都にある、とある小さな劇場の3Dモデルを作りました。使用ソフトFusion 360。モデルは以下のURLより、ブラウジングいただけます。 https://a360.co/2n8MVK5 セノグラフィ技術を劇場へ! ---- In English I draw a 3D model of small theater in Kyoto. Using Fusion 360. 3D model below, https://a360.co/2n8MVK5 Devel

          An esquisse of small theater

          舞台スタッフはインタラクティブソフトの夢を見るか?

          ● どうも、舞台の仕事をしています、横田です。 最近、3Dソフトを使って図面を書く練習をしています。その良し悪しと、夢を述べます。 一言で言えば、「3Dソフトと、インタラクティブ系ソフトを使って、図面とキューデータを作りたい」ということです。 ・・・そんなこと、やってる人はやってるよ、と言われればそこまでなんですが、あまりこういう話を現場でガッツリすることもないので、話してみたいと思いました。 ● 舞台の仕事では、2Dの図面をよく使います。 平面だけだとイメージがしづら

          舞台スタッフはインタラクティブソフトの夢を見るか?

          「33歳男、育休を取る」 第2回:妻の妊娠が分かったら……。

          第一子誕生に際して、育児休業給付金の申請を行った33歳男です。同月、自宅にある深さ15メートルの井戸に転落。現在も病院で療養中です。 男性の育児休業給付金の取得割合は5.14パーセント(H29年度、厚生労働省による)。まだ少数派の男の育休。33歳男の育休取得の一例としてご覧いただけたらと思います。 —— 今日は、妻の妊娠期間中のことを書こうと思います。 妊娠期間中は、特に夫婦間のコミュニケーション、男の側の意識が変わるかどうかが問題となりやすいと、私は思います。 私

          「33歳男、育休を取る」 第2回:妻の妊娠が分かったら……。

          連載「33歳男、育休を取る」 第3回:妻、出産する。

          第一子誕生に際して、育児休業給付金の申請を行った33歳男です。同月、自宅にある深さ15メートルの井戸に転落。現在も病院で療養中です。 男性の育児休業給付金の取得割合は5.14パーセント(H29年度、厚生労働省による)。まだ少数派の男の育休。33歳男の育休取得の一例としてご覧いただけたらと思います。 娘は、今年の春に予定日よりも一日遅れで生まれました。私は入院から出産まで立ち会ったのですが、その時の思い出を書こうと思います。 —— 入院から出産までのお話。 予定日の朝

          連載「33歳男、育休を取る」 第3回:妻、出産する。

          連載「静岡から愛知へ②~演劇の何が面白いのか~」

          どうも、横田です。長らく間が空きました。「静岡から愛知へ」という連載の第二段の記事が出来ました。 先日、静岡市にあった小劇場「七間町このみる劇場(※)」で、劇場主の蔭山さんのご後援により、『演劇の何が面白いのか』というトークイベントを開催いたしました。 俳優の関根淳子さんを招いて、横田の演技法を、少しだけ体験してもらいました。関根さんは、かつての僕の職場でもあった静岡県舞台芸術センターの俳優さんです。お互いに戯曲を書く身として、静岡で一緒に何かできないか、と話が盛り上がり

          連載「静岡から愛知へ②~演劇の何が面白いのか~」

          シアターE9は「広場」になりえるか?

          ●レジュメ 2017年11月4日、スタジオ・シードボックスにて行われた「シアターE9」報告会に出席をした。その際に感じたことをまとめたい。 「シアターE9」とは、演出家・あごうさとし氏が発起人となって、京都市・九条に小劇場を設立するプロジェクトである。建設までに三段階を踏んでおり、「step 1」となる建築調査の段階が終わり、報告会が開かれたところである。プロジェクトは今後「step 2」へ進んでいく。 文章は長くなるであろうから、先んじて報告会のレジュメを記しておく。

          シアターE9は「広場」になりえるか?

          連載「静岡から愛知へ①」~記譜のフォーマットを変える~

          ……演劇論について考えている。が、寂しいかな、誰も同じ話題について話し合ってくれるような、便利で好都合な対話者は存在しないのだ。 そこで、思いついたことは、こうして寂しく独白されるよりほかないのである。 (以下、真面目な演劇論です。ご高覧ください。) ■1 「篠田 2012 年に書いた戯曲をこの戯曲賞ならいけるかも、と思って応募してきてくれたんでしょ。そういうのは歓迎したい。もうちょっとフォーマットを工夫して応募してきてほしいなあ。」(「第16回 AAF戯曲賞選考会レ

          連載「静岡から愛知へ①」~記譜のフォーマットを変える~

          西川泰功「SPAC -静岡県舞台芸術センターを批判する」への応答

          僕は、顔を知っているわけでもないし、直接話をしたことがあるわけではないけれど、西川さんのSPAC批判について、少し書こうと思います。言葉が多少荒っぽくなってしまいましたが、私もまた議論に際して感情的になってしまうし、西川さんのような議論をすべきだと熱っぽくなってしまうからだと思ってくだされば幸いです(もちろん、議論に対する批判は大歓迎です)。 西川さんは、ブログ記事内にあるように、2009年から一年間、静岡県舞台芸術センターの制作部で働き、その後静岡で文芸家として活動をされ

          西川泰功「SPAC -静岡県舞台芸術センターを批判する」への応答