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「33歳男、育休を取る」 第2回:妻の妊娠が分かったら……。

第一子誕生に際して、育児休業給付金の申請を行った33歳男です。同月、自宅にある深さ15メートルの井戸に転落。現在も病院で療養中です。

男性の育児休業給付金の取得割合は5.14パーセント(H29年度、厚生労働省による)。まだ少数派の男の育休。33歳男の育休取得の一例としてご覧いただけたらと思います。

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今日は、妻の妊娠期間中のことを書こうと思います。

妊娠期間中は、特に夫婦間のコミュニケーション、男の側の意識が変わるかどうかが問題となりやすいと、私は思います。

私の場合、解決策は「周りに子供を授かったことを伝える」ことでした。これで、気持ちの整理をつけたり、行動を次に移すことができるようになったと思っています。


2018年初夏のある朝、妻が妊娠検査薬を持って、「陽性だった」と喜びながらトイレから出てきました。その時のことは今でも忘れません。妻は心から喜んでいました。私の方は、嬉しいというよりも、複雑な心境。どうして良いか分からないし、自分の体に何か変化が起きているわけでもないので、「ああ、子供が出来たんだ」と思いました。

その日から、妻は変わり始めました。一番最初に感じた小さなこと。妻の笑顔の先が私ではなく、お腹の中の子供になったような気がしました。妻にそれを言っても気がつかないようで、女性は無意識にでも子を授かった日から母になるんだ、と思いました。

妊娠期間中、夫婦で大きな喧嘩をすることはありませんでしたが、それでもつわり期には、ぎくしゃくすることもありました。つわり期の妻とのコミュニケーションの取り方は、誰しもが初めて体験するものなので、それで男性は「妻が変わった」と思うのだろうと思います。しかしそれは「夫が変わらないだけかもしれない」と自問してみても良いのではないでしょうか。

男性からしたら、仕事で疲れているのに、家事をしたり妻を介抱したり、家がリラックスできる場所ではなくなっていくことがストレスに思うかもしれません。私の場合はDIYが趣味で、むしろ「子供ができる前に子供部屋を作ってしまおう」とポジティブな気持ちで、休みの日も家の片付け、ホームセンターに資材の買い出し、たまに妻のマッサージと、子供部屋のDIYに明け暮れていました。

妻が安定期に入ると、コミュニケーションは良好になりました。男性は、しばしの辛抱です。妻の変化を受け入れて、毎日奥さんと話をする時間を持っていきましょう。「何も変わらない」と、増えるストレスが嫌になりますが、むしろ自分から「子供が生まれる生活のために、全てを変えていこう」と思っていれば、妻のイライラも乗り越えられるのではないかと思います。

「出産・育児ママのトリセツ」http://bouyousha.com/archives/352

(妻の勧めで、いくつかの本を読みました。上に挙げた本は、分かりやすく、夫婦で読むには良い本だと思います。)

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私の場合、「父になる」ことをあまり重く受け止めていませんでした(もしくは受け止められませんでした)。「なんとなく父になる」ので、良いのだと思います。それを批判されることも、しばしばあるのですが、私は受け流すようにしています。

何か一人で気負って父になるよりは、周りに相談して、父にしてもらうことが大事だと私は思います。会社の同僚、普段あまり話をしない人、取引先、友人など。誰でも良いので、「実は妻が妊娠しまして……」と口に出してみるのが良いと思います。

私の場合、そこから多くのことが切り開けていけたような気がしました。父という役割を下手くそながら演じ始めて、若い新婚夫婦は、少しずつ夫と妻の関係に変わっていったと思います。

父を演じることで、見える世界が変わります。「子が親を選んで生まれてくる」という人がいるように、子供が出来てから私たちは試されるのだと思います。私の場合、どこかで捨て去った/失われた「私」という感覚が回復するような、そんな気持ちになりました。

10ヶ月の妊娠期間は、今ではもう遠い昔のことのように思います。夫婦共々、働くこと以外に大切なものを見つける時間であったようにも思います。

妻の妊娠が分かったその日から、男は父になるのです。体の変化がないからこそ、父であることを意識して、そして周囲に声をかけてほしいと思います。

「実は、妻が妊娠しまして……」と。

私はそれで、(そして今も)少しずつ周りの人たちから、お父さんの役割を教えてもらっていっている気がします。皆さんは、どのように、父になった/なっていっていますか?

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次回は、「出産」について書こうと思います。週に一本のペースで書いていこうと思います。 是非マガジンのご登録いただけますと幸いです。