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舞台スタッフはインタラクティブソフトの夢を見るか?


どうも、舞台の仕事をしています、横田です。
最近、3Dソフトを使って図面を書く練習をしています。その良し悪しと、夢を述べます。

一言で言えば、「3Dソフトと、インタラクティブ系ソフトを使って、図面とキューデータを作りたい」ということです。

・・・そんなこと、やってる人はやってるよ、と言われればそこまでなんですが、あまりこういう話を現場でガッツリすることもないので、話してみたいと思いました。


舞台の仕事では、2Dの図面をよく使います。
平面だけだとイメージがしづらいので、美術は模型を作って、稽古場に置いておいたりします。

こういう図面なり模型を見ながらいつも、「この模型が動かないかなあ」と思ったりします。バトンの昇降スピードや、転換の段取り(音や明りの変化)が、プレビューできないかなあ、なんて思ったりしています。

そんなこんなで、自分のイベントの際に、3Dで図面を作ってみました。

https://mykuc1.autodesk360.com/g/shares/SH919a0QTf3c32634dcffaf6839145443486?viewState=NoIgbgDAdAjCA0IDeAdEAXAngBwKZoC40ARXAZwEsBzAOzXjQEMyzd1C0ATAMwgHZOMAGwAWALS4ATAA4ArGJEAjadzGKAnDADMYiEKF9JMXHwiTcitAF8QAXSA


Fusion 360を使っています。(一応、学生の身分でもあるので、無償です・・・)

自分の現場だったので、3Dでモデリングをして、2Dに落とし込みました。そこまでの流れはスムースでした。平面図も立面図も、すぐに作れる。すごい、Fusion 360。

このイベントは、とある公民館の一室で行うもので、劇場ではないのですが、部屋全体が会場となるものなので、3Dモデルをこねくり回しながら、どこに小道具置き場を置くか、みたいなことは話し合うことができました。

感想・・・とりあえず、3Dで劇場のモデリングと図面は書けた!


・・・馬鹿みたいな感想ですが、作ってみて思ったこと。

・別に、3Dで図面作っても作らなくても、イメージできることは、変わらない。
・やっぱり実際に目で見るのと、カメラを使ってみるのだと印象が違う。
・3Dモデルをこねくり回したところで、俳優がどう動くか、お客さんがどう動くかまでは想像できない。
・3Dモデルで、細かい書き込みは、面倒すぎてできない。例えば、靴置き場とか、単なる箱になっていますが、そんな書き込みしている暇なんてない。
・レンダリングが、ツルツルしてたりピカピカしている素材は素晴らしいのだけれど、マット系が苦手で、フローリングとか現実味がない。

「じゃあ、やっぱり2Dでいいじゃん」という心の声が聞こえてくるような気がしてなりません。

●これからやりたいこと

でも、3D図面を書きたかったわけではないのです。それだけだったら、私よりも有能な人はいくらでもいる!

ではなくて、これから以下の取組をしていきたいと思っています。

・データ上で俳優を動かす
→モーキャプでも使う?
・照明デザイナーと同じデータを使って、照明プランを組む
・音響、照明、舞台、映像の全てのセクションが同じタイムライン上でキューを組めるような、シミュレーション(動画)を作る。
・そして、各セクションのきっかけを全て同期させる。
・さらには、俳優も同期!(パフュームみたいな!)

ゆくゆくは、搬入から組み立てまで含めて、シミュレーションできるようなシステムを作りたい。海外公演に行く時に、テクニカルライダーと共に、ローディング~セッティングのシミュレーションを共有することによって、忘れ物や言い伝え間違え、誤解を無くす!!! もちろん、カルネ申請も、ボタン一つでエクセルに出力可能に!

こういうことを、BlenderとTouchDesignerを使えばできるんじゃないかなあ、と考えています。

舞台のエンジニアリングがもっと良いものになって、演劇業界に携わる人たちの苦労が減り、良い作品が生まれるようになりますように!

(興味を持ってくださった方は、直接ご連絡ください。また、舞台のお仕事お受けいたします。詳細は以下。)

お仕事の依頼はこちらから
http://yokotatakao.blogspot.com/p/contact.html

researchmap
https://researchmap.jp/yokotatakao/

夢は、舞台芸術に関する国際的な研究機関を設立すること、世界に類を見ない演劇学校を作ることです。