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観たこと、感じたこと

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ふと考えたこと、感じたことを。
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2021年6月の記事一覧

「我は、おばさん」と、なぜ胸を張れないのか?

「我は、おばさん」と、なぜ胸を張れないのか?

ミドルエイジを対象としたメディアを運営していた。大人女子という言葉が中年期の入り口に立っている女性の呼称として定着していた頃である。創刊編集長を担っていただいたスタイリストの大草直子さんは、頑なに「婦人」という言葉を打ち出そう、と譲らなかった。私はその思いに「婦人」が「(フランスにおける)マダム」のような響きになることを夢見ていた。

おばさんと呼ばれないための猶予期間を先延ばしにしたところで、大

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大豆田とわ子と三人の元夫。とどのつまりは…

大豆田とわ子と三人の元夫。とどのつまりは…

非常に楽しめた連続ドラマ『大豆田とわ子と3人の元夫』が遂に終わってしまった。

前回、「男女8人恋(でもない)物語」というnoteを書いた直後に、イチオシなかごめちゃんが亡くなってビックリしたけれど。

網戸やシナモンロールのエピソードの小粋な回収は、本当に楽しかったし、唄ちゃんの姿なき彼氏・西園寺くん問題も解決(!?)されたようで良かった…などなど。自分の中での最終回は、先週で、昨夜の回はご褒美

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インタビュー記事づくりで考えていること

インタビュー記事づくりで考えていること

昔からインタビュー記事を読むのが好きだった。ミュージシャンやスポーツ選手の思考の導線や普段目にできるアウトプットだけでは想像もつかないような苦悩や葛藤を知りたがった。きっと「きらびやかな表舞台で見せてくれる顔の裏側を私は知っているよ」という自己満足に陶酔することが好きだったんだと思う。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の制作過程を追ったドキュメンタリーの中で、庵野秀明監督は「謎に包まれたものを喜ぶ人

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良いコンテンツの指標って?

良いコンテンツの指標って?

以前から、デビューを決めたり、センターを競わせたりする、アイドルに共感を生み応援したくなるような選挙制度はあった。出版社が書籍を発売する際も、「表紙を皆さんの投票で決めます」といったケースも増えてきた。

プロセスエコノミーが注目を浴びている。

プロセスエコノミーとは、成果物や最終的なアウトプットそのものだけではなく「プロセス」、つまり何かしらを製作・実行する際の過程自体をビジネスにするという概

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多数決の意味

多数決の意味

『あちこちオードリー』に出演した田村淳さん。「いつか政治家になりたい」と語り、「国会議員ではなく、市長や知事のような首長になりたい」と続けた。その理由は、「僕という存在は、多数決の原理の中では意味がないから」というようなことであった。つまりは、国会議員は多数決の中で立ち回れることが求められるということの指摘。

たしかに。

その多数決は、誰が、何のために行なっているのか? 

結論として多数決と

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大坂さんと宇多田さん、そして、ぼる塾あんりさん

大坂さんと宇多田さん、そして、ぼる塾あんりさん

宇多田ヒカルさんの新曲。

歌詞を読んでビックリした。

私の価値がわからないような
人に大事にされても無駄
自分のためにならないような
努力はやめた方がいいわ

サイコロ振って一回休め
周りは気にしないでOK
王座になんて座ってらんねえ
自分で選んだ椅子じゃなきゃダメ

大坂なおみさんの心情と、これほどまでに呼応している歌詞があっただろうか、というほどのメッセージソング。もちろん仕込みタイミング

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