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良いコンテンツの指標って?

以前から、デビューを決めたり、センターを競わせたりする、アイドルに共感を生み応援したくなるような選挙制度はあった。出版社が書籍を発売する際も、「表紙を皆さんの投票で決めます」といったケースも増えてきた。

プロセスエコノミーが注目を浴びている。

プロセスエコノミーとは、成果物や最終的なアウトプットそのものだけではなく「プロセス」、つまり何かしらを製作・実行する際の過程自体をビジネスにするという概念(中略)ガールズグループ「NiziU」を生んだプロジェクト「Niji Project」などはその選考過程自体をコンテンツ化することでブームを巻き起こしたが、これもプロセスエコノミーの一例。

近頃、ちょっと気になること。

テレビ番組の存続やどの番組を特番に昇格させるか、を視聴者の投票で決定しようとしていること。これももちろんプロセスエコノミーの一種だと思う。お祭りをつくる上では楽しそうな試みにも思える。そこで、それぞれの番組のキャスト(主に芸人さん)がSNSを使って投票を呼びかけている。自分の冠番組のために奔走してしまう気持ちは痛いほどにわかる。

だけれど、彼らが「投票をお願いします!」とSNSで呼びかける姿に胸がとても苦しくなる。

今回、私が引っかかっているのは、「投票数(演者のファン)が多いコンテンツが果たして最も良いコンテンツなんだろうか?」ということ。言い換えるなら「コンテンツの良し悪しの責任を彼らに背負わせすぎなのではないだろうか?」「演者にプレッシャーがかかりすぎなのでは?」という点である。

これまでのアイドルの選挙はシンプルに「私を応援してください」であり、書籍に関しては「私の本、どちらの表紙がいいですか?」と、コンテンツを受け取る側が何に投票するかが、第三者の目から見てそれなりにシンプルだったと思う。

雑誌の編集者をしている。書籍と違い、雑誌は関わる人の人数が増える。つまりは、ステークホルダー(利害関係者)が多い。テレビのコンテンツもそうだと思う。だからこそ何を指標にして良し悪しをはかるべきかが難しいし、そのバランスをとるのに四苦八苦する。

うまくまとめられなかったけれど、言いたかったのは、前面に立たされて焦燥感にかられた芸人さんたちが投票制度、そしてその結果に疲弊しなければいいな、ということだ。

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