喜利彦山人

日本一の漫才研究家――のはず。 色々調べています。

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マガジン

  • 独学研究のススメ~君たちはどうやって物や知識を調べるべきか~

    歴史や文学、あるいは専門知識、何か学問を貫徹してみたいという志を持つ人は創作界隈で沢山いるでしょう。 「人が知らないことを学んで作品に投影したい」とか「間違った知識で揚げ足をとられないように、キチンとした勉強をしておきたい」と思う人は結構多いのではないでしょうか。 しかし、いざ始めてみると、「何か一つ詳しく調査したいんだけど手がかりが持てない!」「そもそも何を調べたらいいのかわからない!」と、多くの課題に直面し、結局嫌気がさしてしまう例も多々あります。研究をしたいけど出来ない――そうした踏ん切りがつかない一番の背景は、多分これだと思います。 この連載は、そんな「独学研究」とは何かというものを分析し、自分が求める学問や知的好奇心を解決するにはどうすればいいのか、というアンサーに対して筆者の研究体験を踏まえて考えるエッセイ集・アドバイス集「のような」ものです。

  • 偏愛的浪曲レコード入門

  • 歌舞伎になっちゃいそうな『風の谷のナウシカ』

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固定された記事

独学研究のススメ(序章・独学研究やってみない?)

「何か一つ詳しく調査したいんだけど手がかりが持てない!」 「そもそも何を調べたらいいのかわからない!」 研究をしたいけど出来ない――そうした踏ん切りがつかない一…

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奥田無鉄砲斎の原本

(奥田無鉄砲斎の至芸の数々) 先日、SNSを見ていたら「奥田無鉄砲斎のポスターが出ている」とちょっと話題になっていた。以下はそのツイートである。 それに対し、有識…

喜利彦山人
9か月前
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独学研究のススメ~分館経由の資料取り寄せをしよう~

 まず最初に言っておきますが、「取り寄せくらい知っていらぁ!」というお方は今回の連載を読み飛ばしていただいて大丈夫です。わかっている人には「なんだ当然じゃないか…

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時間が無限に融けるようになった国会図書館デジタルアーカイブ

 以前、「国会図書館デジタルアーカイブ」の事を取り上げ、「身近に調べたいならまずコレ」という旨を紹介しましたが、2022年12月にリニューアルされてすさまじいアーカイ…

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独学研究のススメ(市町村立&区立図書館)

市町村立&区立図書館図書館を使う上で一番頼りになるのが市町村立&区立の図書館です。時折、「自分の家の近くに都道府県立図書館あるんだけど」「自分の家から一番近いのは…

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独学研究のススメ(近場で資料を探す)

資料を探そう(まずは近場から)上のデジタルアーカイブは確かに便利ですが、それで独学研究を完徹できるほど甘いものではありません。 古い資料をいくら読み込めたところ…

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独学研究のススメ(その他のアーカイブを見てみよう)

「その他」  その他、あげるとキリがないくらい出てきます。各大学のデータベース、美術館や博物館のデータベース、個人が作っているデータベースなど、数え出したらこれ…

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独学研究のススメ(外国生まれの日系人新聞アーカイブ『邦字新聞デジタル・コレクションジャパニーズ・ディアスポラ・イニシアチ…

「邦字新聞デジタル・コレクションジャパニーズ・ディアスポラ・イニシアチブ」   こちらは、スタンフォード大学・フーヴァー研究所が中心となって、「外国へ渡った日系…

独学研究のススメ(大韓民国新聞アーカイブを使ってみよう)

「대한민국 신문 아카이브(大韓民国新聞アーカイブ)」 諸般の事情で2日空いてしまいました。またぼっちぼちやります。  この大韓民国新聞アーカイブの一番の欠点は「…

独学研究のススメ(大韓民国新聞アーカイブという巨大な知の迷宮)

「대한민국 신문 아카이브(大韓民国新聞アーカイブ)」タイトルがハングルで「???」になっていますが、その字の通り、韓国のデータベースです。 さすがはデジタル国家…

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独学研究のススメ(レファレンス協同データベースを読もう)

「レファレンス協同データベース」レファレンスとは本来「参考」を意味する単語ですが、一般的には「図書館や資料館できる情報探しのお手伝い」といった意味で解釈されてい…

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独学研究のススメ(CiNiiとJ-STAGE)

CiNiiとJ-STAGEは、がちがちの論文サイトです。両者共に「硬派で話が難しいが、ある程度の知識や教養があるとこれほど情報を持っている人はいない堅実な学者」というイメ…

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独学研究のススメ(検索対象データベース一覧とリサーチ・ナビ)

検索対象データベース 両者共に国会図書館が展開するデータベースです。  前者はデータベースの説明とリンク集、後者は「調査やリサーチするにはどうしたらいいの?」み…

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独学研究のススメ(国会図書館に登録しよう)

国会図書館に登録する方法は、大きく分けると3つあります。 ちょっとの手間で相当な知見を得られます。独学研究をやる上では絶対やることをおすすめします。 国会図書館…

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独学研究のススメ(国会図書館デジタルアーカイブ)

国立国会図書館デジタルコレクション 独学研究において一番役立つのがこの「国立国会図書館デジタルコレクション」です。 日本の市販されている書籍の多くを所蔵し、かつ…

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資料を探そう(自宅やスマホで見られる篇)

ずいぶん御託が長く続いてしまいましたが、心構えやなんやらは一端この辺で切り上げて、「実践」を紹介しましょう。  どうやって資料を探すべきか。  いいサイトはある…

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独学研究のススメ(序章・独学研究やってみない?)

独学研究のススメ(序章・独学研究やってみない?)

「何か一つ詳しく調査したいんだけど手がかりが持てない!」
「そもそも何を調べたらいいのかわからない!」

研究をしたいけど出来ない――そうした踏ん切りがつかない一番の背景は、多分これだと思います。

これはレポート作成とか、課題とかにも通じる話でしょう。「ある程度の概念や目標は出来ているんだけど、その先に進めない」。一応の所までは行けたんだけど、その先は五里霧中で後にも先にも進めない――そんな状況

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奥田無鉄砲斎の原本

奥田無鉄砲斎の原本

(奥田無鉄砲斎の至芸の数々)

先日、SNSを見ていたら「奥田無鉄砲斎のポスターが出ている」とちょっと話題になっていた。以下はそのツイートである。

それに対し、有識者が「池内紀『地球の上に朝がくる 懐かしの演芸館』にその記載が出ている」と紹介していた。

筆者はこの記事を見た時、「ちょっと待てよ……」となった。奥田無鉄砲斎……どこかで聞いた事のある名前だ、としばしの間頭の中を整理した。

そして

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独学研究のススメ~分館経由の資料取り寄せをしよう~

 まず最初に言っておきますが、「取り寄せくらい知っていらぁ!」というお方は今回の連載を読み飛ばしていただいて大丈夫です。わかっている人には「なんだ当然じゃないか」というお話です。

 しかし、この「分館経由の資料取り寄せ」を知らない人がいるのも事実です。これで徒労をしている人も結構いるので指摘する次第です。 

では、「分館経由の資料取り寄せ」とは何なのでしょうか。 

 図書館分館とは各地方自治

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時間が無限に融けるようになった国会図書館デジタルアーカイブ

 以前、「国会図書館デジタルアーカイブ」の事を取り上げ、「身近に調べたいならまずコレ」という旨を紹介しましたが、2022年12月にリニューアルされてすさまじいアーカイブへと変化しました。

 一言でいうと「時間が溶ける」。 

 笑いごとでも冗談でもなく、本当にすさまじい量の情報が発掘できるようになったため、無限に時間が溶けるようになりました。

 圧倒的に読みやすくなったページデザインに、より精

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独学研究のススメ(市町村立&区立図書館)

市町村立&区立図書館図書館を使う上で一番頼りになるのが市町村立&区立の図書館です。時折、「自分の家の近くに都道府県立図書館あるんだけど」「自分の家から一番近いのは国会図書館」という人がいるのですが、そういう人は読み飛ばしてもらっても構いません。

もっとも、市町村立の図書館にしかない強みという点もある事から、知っていて損はないと思います。

どんな小さい村でもどれだけ大きな市でも図書館は必ず設置し

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独学研究のススメ(近場で資料を探す)

資料を探そう(まずは近場から)上のデジタルアーカイブは確かに便利ですが、それで独学研究を完徹できるほど甘いものではありません。

古い資料をいくら読み込めたところで、現在の資料を読み込んでみないとわからない点も多々ありますし、その当時では信じられていたものが今では否定的に目されていたり、逆にその当時はわからなかったことが今となっては判明している――という事も多々あります。
 
そうした齟齬を埋める

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独学研究のススメ(その他のアーカイブを見てみよう)

「その他」
 その他、あげるとキリがないくらい出てきます。各大学のデータベース、美術館や博物館のデータベース、個人が作っているデータベースなど、数え出したらこれだけで連載が一つ作れます。
 
それをやってもいいのかしれませんが、「さっさとほかのやり方を見せろ」と批判されるのが請け合いなので、ここらで一度切り上げます。
 
最後に、前述した以外にも使えるデータベースを軽く紹介して「近場で資料を探す」

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独学研究のススメ(外国生まれの日系人新聞アーカイブ『邦字新聞デジタル・コレクションジャパニーズ・ディアスポラ・イニシアチブ』の事)

「邦字新聞デジタル・コレクションジャパニーズ・ディアスポラ・イニシアチブ」 
 こちらは、スタンフォード大学・フーヴァー研究所が中心となって、「外国へ渡った日系アメリカ人や日系ブラジル人の新聞をまとめあげ、研究や調査をすすめる」という名目で作られたデジタルアーカイブです。
 
 900万ドルという驚異的な寄付額を元に、最新鋭の技術のAIやOCR(光学文字認識)を惜しげもなく使い、完成させたスタンフ

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独学研究のススメ(大韓民国新聞アーカイブを使ってみよう)

「대한민국 신문 아카이브(大韓民国新聞アーカイブ)」 諸般の事情で2日空いてしまいました。またぼっちぼちやります。

 この大韓民国新聞アーカイブの一番の欠点は「ダウンロードしなければならない」点にあると思います。

検索機能は上のURLに飛び込むだけで使うことができますが、原紙の閲覧はプログラムを入れねばなりません。
 
このプログラムの投入が、最大の難点です。如何せんハングルなので、ハングル

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独学研究のススメ(大韓民国新聞アーカイブという巨大な知の迷宮)

「대한민국 신문 아카이브(大韓民国新聞アーカイブ)」タイトルがハングルで「???」になっていますが、その字の通り、韓国のデータベースです。

さすがはデジタル国家・韓国だけあって、力の入れようがすさまじいです。その規模の大きさ・深さは「知の迷宮」と言っても過言ではないでしょう。

戦前の新聞が中心とはいえ、日本統治下の日本人向けの新聞からハングルの新聞、地下で行われていた新聞まで数十紙をまとめて

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独学研究のススメ(レファレンス協同データベースを読もう)

独学研究のススメ(レファレンス協同データベースを読もう)

「レファレンス協同データベース」レファレンスとは本来「参考」を意味する単語ですが、一般的には「図書館や資料館できる情報探しのお手伝い」といった意味で解釈されています。ここでは当然、後者の意味で触れていきます。
 
レファレンスサービスのやり方に関してはまた別の機会に触れますが、レファレンスサービスの判例や事例は図書館や資料館共通の財産として共有され(余りにも個人的な話や問題的なものは除かれてますが

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独学研究のススメ(CiNiiとJ-STAGE)

独学研究のススメ(CiNiiとJ-STAGE)



CiNiiとJ-STAGEは、がちがちの論文サイトです。両者共に「硬派で話が難しいが、ある程度の知識や教養があるとこれほど情報を持っている人はいない堅実な学者」というイメージがあります。

堅苦しさという点においては初心者向けではないのですが、確かな情報と論文の掲載量には信頼をおけます。

学術的な視点で悩んだ際やある程度独学研究が進んだ際に見るのをおすすめすべき、中・上級者向けのサイトです(

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独学研究のススメ(検索対象データベース一覧とリサーチ・ナビ)

独学研究のススメ(検索対象データベース一覧とリサーチ・ナビ)

検索対象データベース 両者共に国会図書館が展開するデータベースです。

 前者はデータベースの説明とリンク集、後者は「調査やリサーチするにはどうしたらいいの?」みたいな疑問や方法を簡潔に教えてくれたり、「国会図書館の名のもとでこの資料をおすすめするよ!」みたいなおすすめ書籍や資料を教えてくれます。

「検索対象データベース一覧」は非常に明快です。
「国立国会図書館」「学術情報機関」「公共図書館」「

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独学研究のススメ(国会図書館に登録しよう)

国会図書館に登録する方法は、大きく分けると3つあります。

ちょっとの手間で相当な知見を得られます。独学研究をやる上では絶対やることをおすすめします。

国会図書館のインフォメーションを貼っておきますので、そちらを参考に――といいたいですが、一応触れておきます。

 まず、東京の国会図書館、大阪の関西館に直接訪れて必要書類を書いて、登録カードを発行してもらう方法。

 これは首都圏・大阪圏に住んで

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独学研究のススメ(国会図書館デジタルアーカイブ)

独学研究のススメ(国会図書館デジタルアーカイブ)

国立国会図書館デジタルコレクション

独学研究において一番役立つのがこの「国立国会図書館デジタルコレクション」です。

日本の市販されている書籍の多くを所蔵し、かつ貴重な書籍・資料をコレクションしている国営の国会図書館が展開するデジタルアーカイブです。

人間に例えれば、日本の図書館・調査界隈における王様的な存在です。過剰演出を覚悟で言えば、「全知全能に限りなく近い独学研究の神様」とでもなりましょ

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資料を探そう(自宅やスマホで見られる篇)

ずいぶん御託が長く続いてしまいましたが、心構えやなんやらは一端この辺で切り上げて、「実践」を紹介しましょう。

 どうやって資料を探すべきか。
 いいサイトはあるのか。
 どこで探すか、見るか。
 
 そんな疑問や実践のイロハを少しでもわかっていただければ幸いです。
 
 では、まずどこで独学研究をしてみるか。
 図書館?資料館?大学?
 
 色々と答えは出てくると思いますが、全員が全員学生やフリ

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