映画レビューをポツポツと#1 映画って楽しい!
US (アス)
公開当時大きな話題になっていたジョーダンピール監督/脚本作品。割と前半で物語の本筋と結末が読めてしまったけど、それが少しずつ答え合わせのように分かってくる展開が矛盾なく、スッキリとしていてとても最高だった。ホラーとコメディの塩梅も絶妙で、それでいて超社会派でいて、ちゃんと楽しく仕上がっている作品。真実の正しさが果たして正義なのか、この世のモヤモヤとする曖昧さの上に成り立つ"正しさ"のことを思う作品。僕らは一体何者なのだろう。
Deadpool 2 (デッドプール2)
ライアンレイノルズのライアンレイノルズによる、ライアンレイノルズのための映画。または死ねない男ウェイド・ウィルソンによる"最高の人生の見つけ方"。この映画で重要なのは"ダブステップは最高だ"、ただそれだけ。怒りと悲しみと絶望を生きるための希望で卵綴じにしよう。最低な脚本でも、最後はハッピーエンドにしてしまえ!そんな馬鹿力を感じる最高の映画。
aftersun(アフターサン)
"Pray tomorrow gets me higher"
夏の瑞々しさと、いつか迎える季節の終わりの不穏さを朧げな記憶で描く、彼や彼女たちのいつかの夏の映画。愛すること、触れ合うこと、確かめること、応えること。失うこと、失うこと。思い出せることと、思い出せないことの隙間に大切にしたいものがきっとあって。でも、そこにちゃんとあったんだよと、自分の中に介在しながらアイスクリームが解けるようにヒタヒタと消えていく記憶のことを思ってしまう。胸がギュッとするこの愛情に名前はあるのだろうか。
タイトルにもある「アフターサン」とは、日焼けした後に肌に塗るローションのこと。もうきっと1人で塗れる。でもその手が触れるたびに朧げな夏のことをいつでも思い出すのでしょう。あれ…泣いてたのかな。映画館から出て、海から上がったように目元がヒリヒリする。
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