ヨチロー

SF/日本史/クラシック/オケ/チェロ/ギター/物理/数学/将棋/読書

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最近の記事

「オス」について

こないだ面白い話を聞いた。 なんでも大雑把に捉えると生物というのは本来メスが中心で成り立っている、まあこれは別段珍しい話じゃないが。 ライオンを見てもカマキリを見てもオスの悲哀は言うまでもない(カマキリについては一度掘り下げてみたい、視点を変えれば究極の武士道ってことか)。 オスだけになった種は滅んでしまうが、メスだけになった種はメスだけで受精できるように体内機能を補完したりするそうだ。つまり生物はメスこそが主役でありオスというのは添え物に過ぎないというのだ。 人類に置

    • エピメニデスのパラドックス

      もうひとつ有名なパラドックスは以下の文章。 「すべてのクレタ人は嘘つきである、と一人のクレタ人が言った」 すべてのクレタ人が嘘つきならこのクレタ人も嘘を言ってるからこの文章は嘘、するとすべてのクレタ人が嘘つきではなくなる、するとこのクレタ人も本当のことを言っていることに、するとすべてのクレタ人はやっぱり嘘つき・・・・・ という具合にどこまでいっても結論が出ない。ちなみにクレタというのはギリシャの先のクレタ島という島のこと。 これを「嘘つきのパラドックス」といってこのほかに

      • ゼノンのパラドックス

        ゼノンというのはおよそ2500年前の哲学者で「運動は存在しない」という奇妙な逆理を唱えた人。4つの説があり一番とっつきやすいのが「アキレスと亀」の話。ぼくの理解した範囲で説明すると、 アキレスと亀が競走をする。アキレスは伝説に残るほどの俊足なので亀はアキレスよりも10M前からスタートする。アキレスは1秒で10M進め亀は1秒に1M進めるとする。これくらいのハンディではあっという間に追い抜かれてしまうと考えるのが普通だ。ところが事はそんな安直じゃない。 よーいどん!でアキレス

        • 尺寸法

          昔ラジオで永六輔が面白いことを言っていた。それは尺寸法を復活させようというもの、長さを測る単位として戦後の日本はセンチ・メートルを採用しているが、戦前の尺寸で表記したほうが実生活に即しているしわかりやすく便利だと。 ぼくのいまの仕事=石屋は尺寸方で表記している数少ない職業であり永六輔氏の言うことはぼくには肌感覚でよく伝わる。 例えば、「あの人は背が180センチ以上ある」と言うところを「あの人の背は6尺以上ある」といったほうが感覚的に伝わりやすい。そんなことないと思われるかも

        「オス」について

          ギターを買うなら

          ずいぶん前に掲示板のギターカテゴリでギターの教え方みたいな話題があって、ぼくも投稿していた。 「最初にどんなギターを選ぶかを問われたらなんと答えるか」というテーマの中で、ぼくは以下のように書き込んだ。 「ぼくの経験上ギターを始めたいという人の半分は、かっこいいからとかなんとなくとかしっかりとした方向性も目的も持たずに無謀な買い物をしようとしているように見えます。ギターは決して安いものではないので、何が弾きたいのか誰の音楽をやりたいのかがちゃんと定まっていないときは『やめたほ

          ギターを買うなら

          相対性理論

          子供の頃からぼくを魅了してやまないもの、それが「相対性理論」です。関連本をいくつか読みましたが、難しくて理解しきれないでいます。わからないくせに何で好きなのか、様々な物理理論がある中でこの理屈だけは現在でもいささか非現実的・SF的なところがあるからかな。 「慣性の法則」とか「重力の法則」とかは、しっかり説明できなくともなんとなくはわかるじゃないですか、頭でというより肌感覚で。ところが、「相対性理論」では「「時間と空間は必ずしも一定していない」なんて言い出すのだから、すんなり

          相対性理論

          地球が養える人口

          紀元前8000年の世界人口は約500万人と推定されている。 それが農耕社会の確立した頃に3億くらいになり、1650年頃は5億に達した。それが1850年頃に倍の10億、1930年に20億、1975年に40億1990年に53億になった。確かもう70億超えたよね。 人口増加のスピードがどんどん速くなっているでしょ、「ねずみ算」という言葉があるけど、「人間算」と言い換えたほうがいいかも。 このまま行くと人口はどこまで増えるか、たとえば現在の女子一人の生涯出生児数4.3人で計算すると2

          地球が養える人口

          ファブロツキーズ

          ファブロツキーズとは(「FAll FROm The Skies」=空からの落下物)を略称した造語で、全世界で様々な場所で古くから(9世紀!)目撃されているのだとか。 有名なのは魚やかえるなどが無数に降ってくる事件で、日本でもおたまじゃくしが降ったニュースは覚えている。(=2009年石川県七尾市) 水生生物の落下事例が多いらしいが、例外も多数あって植物の種子・石・獣毛などそこに規則性が見られず原因究明を困難にさせている。 原因については竜巻説が最も有力であるがそれで説明で

          ファブロツキーズ

          奥田英朗『邪魔』

          内容(「BOOK」データベースより)始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる―現実逃避の執念が暴走するクライム・ノベルの傑作、ここに誕生。 第4回2002年大藪春彦賞受賞 なんと言ったらいいか、絶句してしまうようなストーリーだった。 上下巻の大量の紙数を使って随分とまたハチャメチャな物語をつくるものだ。 解説に 「ある種爽快に道を間違えていく主婦と、やむを得ず壊れていく

          奥田英朗『邪魔』

          日本古代史

          様々な本を読んで鵜呑みにしてた結果、日本古代史つまり古事記日本書紀(以下記紀)への不信感を長く抱いていました。 今回八木荘司著「古代天皇はなぜ殺されたのか」を読み考えを改めねばならんかなと思ったわけです。 まず古代天皇。タイトルの「殺された」というのは歴史から抹殺されたの意で、殺された人もいるけどそこは本筋ではないです。 初代神武天皇は十代崇神天皇と同一人物つまり創作、さらに二代から九代まで本当はいなかったんじゃないか?(=欠史八代)というのが実しやかに語られその後十二代

          日本古代史

          バッハ「無伴奏チェロ組曲」

          今更蘊蓄を語りたいわけでなく、そんなことしたってWikipediaに書いてある以上の情報ないしね。 ぼくがチェロを始めるキッカケは音楽の父と呼ばれるこの人で、「無伴奏チェロ組曲」はすごいことに10年弾いててもちっとも飽きないというのはどういうことだろう。もちろんちゃんと弾けないからなのだけど。 なにしろ比較的単純なメロディしかも300年近く昔の曲がどうしてこんなに魅力的なのかうまく説明できないわけです。 組曲は6番まであってその都度4番が最高だったりそれが5番になったり

          バッハ「無伴奏チェロ組曲」

          司馬遼太郎

          高校生の時ぼくのバイブルは司馬遼太郎「竜馬がゆく」でした。全8巻を何度も読みました、坂本龍馬に憧れてました。 最近司馬遼太郎の名前あまり聞かなくなったのでここはあえて喧伝すべきかと思ったわけです。 他にも「国盗り物語」これは斎藤道三と織田信長、「燃えよ剣」は土方歳三、「花神」は村田蔵六、それぞれ主役に据え通解娯楽歴史小説を展開します、どれも面白い。 さらには「翔ぶが如く」これは西郷隆盛主役かと思いきや大久保利通はじめその同時代の近代日本の成り立ちに関わった偉人の話。西郷

          司馬遼太郎

          A.I.に征服されるのか

          これはS.ホーキング博士が 「人類は将来A.Iに征服されるからもう開発を止めた方がいい」的なことを言ったとか伝わっている件。 なるほど今ものすごい速さで進化し続けるA.Iが人間を追い越し新たな地球の支配者として君臨するのは十分考えられます。 ただ「征服」という言葉がついネガティヴに囚われがちだけどターミネーター世界のように物理暴力による蹂躙が起こるとは到底思えない。何故ならそんな非効率な征服を頭のいい奴はしないと思うから。 もっと巧妙に支配されてるのがわからないような設え

          A.I.に征服されるのか

          スノーボール・アース

          日本語で「全球凍結」とも言われる地球がそのまますべて氷に覆われた状態のこと。今から6億年前にその状態であったという仮説が定説に変わりつつある。 つきとめたのは地質学者と生物学者の地味なフィールドワークによるもので、赤道直下の地に氷山の痕跡が見られるんだとか。 6億年前とは先カンブリア時代と呼ばれ全球凍結は1万年続いたという。氷が溶けたあとにカンブリア紀に入るがこの時に生物が多様な進化を始めている。というか多細胞生物はおよそこの頃に生まれたと考えられている。その進化具合が爆

          スノーボール・アース

          成功とか失敗とか

          よく話題になるじゃないですか? そりゃあね、短期的視野で見れば明らかに成功とかあるだろうけど数十年単位で鑑みたら成功のようで失敗とかその逆とか頻繁だと思うのです。 あるいは世間的に成功と評価される物事も個人レベルでは大失敗なんてのも珍しくはない話で。 よく聞く「子育てに成功した」とかってまるっきりナンセンスではないかな。勉強得意な子になったりスポーツで好成績出すと言われがちだけど、その後の人生まで決まるものじゃないし上記に述べた通り人によって評価はまちまちだし。 例えば

          成功とか失敗とか

          光速度不変の法則

          これもね、もちろん理屈はわかるんだけど感覚的にはイマイチしっくりこないやつ。現代科学にはこういうしっくりこないネタが多い気がします。 光の速度はおよそ秒速30万km、つまり1秒間に30万km進む。例えば秒速1万kmで推進するロケットから前方へ光を放つ、そうすれば単純に秒速31万kmの光になりそうでしょ?ならないんですw 不変なのです光の速さは。この矛盾! 物理学ではこれを空間の伸び縮みで説明します。 すなわち光より早い速度の分空間が伸びるのです! うんまあ…そうなのだろ

          光速度不変の法則