日本古代史

様々な本を読んで鵜呑みにしてた結果、日本古代史つまり古事記日本書紀(以下記紀)への不信感を長く抱いていました。
今回八木荘司著「古代天皇はなぜ殺されたのか」を読み考えを改めねばならんかなと思ったわけです。

まず古代天皇。タイトルの「殺された」というのは歴史から抹殺されたの意で、殺された人もいるけどそこは本筋ではないです。

初代神武天皇は十代崇神天皇と同一人物つまり創作、さらに二代から九代まで本当はいなかったんじゃないか?(=欠史八代)というのが実しやかに語られその後十二代〜十四代までもが記紀による創作であると、それが定説と思い込んでいました。

でも八木氏によると、魏志倭人伝はじめ中国朝鮮の史記と照らし合わせて読むと日本の記紀の記述が大まかにはデタラメではないことが確かめられるという!というかそんなデタラメを創作する意味がないと。

マジか!神武天皇いたんか!と色めきたったわけです、しかも日本書紀にある神武帝即位BC660年なんて非現実的な記述ではなく、西暦181年即位というかなり具体的な説を紹介されて嬉しい極み。

日本書紀は奈良時代天武天皇の元で藤原不比等が藤原家と皇室に都合のいいように改竄されたものだと、まあ歴史なんてそんなものだと思ってたので説得力のある説明に目から鱗でした。

その論拠についてはここに書ききれないが、大まかであるにせよ事実として記したものを「ただのフィクション」と切り捨てる姿勢は先人に対する侮辱でしょう。

この本が端から端まで真実とは思わねど、少なくとも記紀を記した人たちは概ね真実だと信じて書いたのだろうし、我々は今一度襟を正し謙虚な姿勢で受け止めねばならんと思うのです。

神武天皇の他にも神功皇后の実在性、邪馬台国の畿内説並びに大和朝廷との並立説など、自分が定説だと据えていた事柄に一石を投じた本としてレスペクトしたい。

これはもうさらに他の説も読まなくてはならんなと古代史への知識欲が止まらない状態です。

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