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香港初!政府がオリンピック放送権購入

4年に一度のオリンピック。

滝クリさんの「つぼみ型ビジュアルハンド」が炸裂し、安部さんもマリオになってオリンピック開催権獲得で沸いた当時。一体だれがこんな状況になる事を想像できたでしょう。

(この記事はオリンピック開催についての是非を議論する主旨ではありません。)

オリンピックに参加するのみならず開催地となる―—そこには色々な施設や設備の先行投資などをしても、全世界から観客が来て投資分を回収できるという経済効果が期待できる、という事があると思います。

(事前に行われる建築、整備、製造自体でも自国の工業や産業に潤いをもたらしたりとか)

それが、開催するのに「誰も来ない」→「経済効果が期待できない」
だからと言って世界中から大勢が押しかけてきたら「感染不安が広がる」→「だからやっぱり来ないで欲しい」

開催は面子の問題なのか、違約金が発生するのか、何か庶民にはわからない圧があるのか、様々な思惑、疑問、怒り、不安、期待・・・たくさんの思いが渦巻いています。

が、今日香港ではこんなニュースが丸一日報道され続けておりました。

(原文ですが、ニュースソース貼り付けておきます⤵)

↑↑ このニュースの中で、こういう一節がありました。

林鄭月娥說,今次是政府首次斥資購入奧運轉播權,形容做法破格、非常特殊,屬一次的安排。
ラム長官は「今回、政府が初めて資金を捻出しオリンピック放送権を購入しますが、これは本当に特別かつ特殊な措置であり、今回限りの事です」と話しました。

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↑字幕は「香港の全市民が無料で東京オリンピックを楽しめる」と書いてあります。

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↓↓以下のテレビ局(一部資金不足の放送局は除く)で放送。

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香港代表たちも、このオリンピック目指して各々ベストコンディションに仕上げている段階です。
(*ちなみに香港は中国とは別枠の「香港チーム」です。)

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「今回のオリンピックは現地で地元の皆からの応援を受ける事はできないけれども、こうして香港で、香港チームが出ている種目は必ず見れるという事は私達にとっても大きな力です。全力で頑張ります。」とのインタビュー。

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中には淡々と、中には熱く、オリンピックに向けての抱負を語った選手たちのインタビューを見ていると、ただ見るだけの私達と、この4年に一度のチャンスに賭けるべく頑張って来た選手の人たちとの思いの差というのは、本当に天と地ほどの開きがあるんだな~としみじみ思いました。

この状況下にあっても、インタビューに答えていた香港の選手たちは完全に勝ちに行く意欲に溢れていました。勿論内心は色々な思いも渦巻いてはいるのでしょうが、少なくともブラウン管を通しては、オリンピックをターゲットに4年間鍛え、磨き続けてきた彼らには、寸分のブレも感じられませんでした

私の中では「選手たち自身も、いやむしろ、実際に現地に赴く選手たちだからこそ、もっと不安に思い、東京に行くことにもっと後ろ向きな感情を持っているだろう」という勝手なイメージがあったので、この彼らのインタビュー画像も結構衝撃でした。

(私個人的には、この状況でオリンピックはしない方がいい派ですが、完全に臨戦態勢の選手たちの思いをテレビで聞かされると、思わず胸が熱くなって応援したい衝動に駆られました。)

でも今回のポイントは

政府が初めて資金を捻出しオリンピック放送権を購入


え?じゃあ今までは?

各テレビ局が個別で購入してきていました。なのでA局では〇〇競技、B局では△△競技、もしくは中継ともなれば各局の有料枠で放送。何より、各局が自分達で購入する為、視聴率が取れる人気の高い種目がメインであり、それが必ずしも香港選手の出場競技とは限らない場合もありました。

政府がお金を出して購入する=テレビ各局も全市民も無料。

これは普通に考えて、このコロナで外出を控えて頑張る全市民に対しての政府の特別措置の一環、という事なのでしょう。

ここでも日本の当たり前は、全く世界の当たり前じゃない現状があります。

「オリンピックが普通に見れる」という事が当たり前すぎて「コレが恵まれているという事に気づいてさえいない」日本人は、どれほど多い事でしょう。

以前「日本の恵まれた当たり前は全然当たり前じゃないよ」という記事を書いた事があるのですが、それについて日本が如何に恵まれてるかを日本人は知らないという更に鋭い視点で記事を書いて下さったやらぽんさん記事↓↓

今日の香港ニュースを見て思い出したのですが、私が広州に赴任していた間に一度オリンピックがありました。

日本では4年に一度のオリンピックは、開会式から閉会式まで日本選手が出場する競技は全部ほぼ余すことなく見れます。

ところが、広州で見たオリンピック放送は「卓球」と「飛び込み」だけが延々と繰り返し放送されていました

柔道もレスリングも野球もサッカーもマラソンも、放送自体されておらず、体操やフェンシングや陸上競技などで中国がメダルを取った選手だけニュース報道はされていましたが、中継放送は見られませんでした。

(もしかしたら出勤している間に放送していただけなのかな~)

でも毎日仕事から帰って来た私が見られたのは飛び込みと卓球だけで、私にとっては結構衝撃でした。


という事は、開催すれば各国の放送権購入という事でも大きな収益が見込めるという事なのかどうかは私にはわかりませんが・・・。

 一口で選手たち、日本国民たち、各国政府・・・と言っても、それぞれで色んな立場と考え方は無数にあり過ぎてひとくくりに論ずるのは無理ですが、オリンピックをやるかやらないか、今もどちらに転ぶかわからない現状という事に胸が痛いです。

せっかく日本で開催するオリンピック。コロナやそういう心配も何もなく、みんなで死力を尽くす選手たちを全力で応援できたら、どんなに幸せな事でしょう。

ありとあらゆる事象は、やっぱり何一つ「当たり前」じゃないんだな~と思います。


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