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「noteで歳時記〔新年〕」~初◯◯編~

【はじめに】
皆さん明けましておめでとうございます、Rxです。今年の「noteで歳時記」の最初の記事は、〔新年〕分冊から、「初◯◯」という形の季語をリスト・アップしていきます。

0.「noteで歳時記」の編集方針

「俳句歳時記」は、太陰太陽暦から太陽暦(西暦)に移行するにあたって、「春夏秋冬」のほか〔新年〕分冊を設けて、5つの季節に季語を分類するのが一般的となっています。

そんな〔新年〕分冊には、初◯◯などの形の季語が沢山収録されています。これらは新年に限らずある単語に「初」や「始」などをつけることで、新年で初めてであるを表し、おめでたい空気感を演出しているのです。

他の季節の季語にも共通して言えるのですが、「季語を知る」ことによって世界が鮮やかに見えるという経験談を良く聞きます。(これが「風光る」かとか、あれが「鳥雲に入る」か! みたいな感じです)

皆さんは「日頃のルーティーン」を年始も普段通り過ごすかも知れません。

しかし、一年最初の「日の出」を『初日の出』と言う様に、「化粧」を『初化粧』、化粧するため見る鏡を『初鏡』と言うことを知ると少し新鮮です。
そして、初めて出かけるため玄関を出る『初門出』で『初電車』に乗り、『初詣』で向かう途中に『初烏』や『初鳩』を見かけるかも知れません。

(酷い言い方をしてしまえば、)普段こんなこと書いたら、夏井いつき先生に「キング・オブ・ザ・凡人」と言われそうなことでも、新年の季語の力を借りれば、『普段ならば平凡なことだけど、新年だから有り難く感じる』という大義名分が立って、作品として成立しやすくなると思いますww

ぜひ「正月休み」等で一日最後にその日あった事を振り返ってみて下さい。
日記を書くように、平凡なことでも12音のワンフレーズにしてみて下さい。そして、最後に、平凡な日常に登場する単語を、この一覧などにある「新年の季語」に置き換えて貰えれば、案外カンタンに出来るかも知れませんよ?

※この記事でリストアップするにあたっての底本は、手元にある電子辞書版の『角川俳句大歳時記』です。
※「初◯◯」の形になっている季語が傍題の場合、カッコ書きしているのが「本季語」です。正しい意味や用例はお手元の歳時記でお確かめください。

1.時候

・初春
初月しょげつ、初春月、初空月、初見月、初歳、初正(正月)
・初昔(宵の年)
初旦しょたん初旦はつあした(元日)
・初暁

※初三十日、初晦日

2.天文

① 空

・初明り、初夜明
・初日、初陽、初旭、初日の出、初日影、初日山
・初茜、初茜空

・初東雲、初曙

・初空、初御空

・初晴
・初星

② 風、空気

・初東風
・初風、春の初風
・初松籟、初松風
・初凪
・初霞

3.地理

・初景色、初気色

・初山河

・初浅間
・初赤城
・初富士
・初筑波
・初比叡

4.生活

① 全般

・初日拝む
・初国旗
・初礼(年賀)
・初礼者(礼者)
・初凧(正月の凧)

・初門出、初朝戸出、初戸出
・初乗、初飛行、初電車、初自動車、初車、初渡舟(乗初)
・初旅
・初夢、初枕
・初寝覚

② 仕事

・初仕事(仕事始)
・初船、初沖(船乗初)
・初荷、初荷馬、初荷車、初荷船、初荷橇、初荷駅

・初市、初市場、初立会、初相場、初せり
・初商、初売
・初買(買初)
・初出(出初式)

・初はた(織初)
・初鍬入れ(鍬始)
・初肥
・初山、初山入、初山踏、初登
・初斧(樵初)
・初漁
・初彫、初彫刻
・初細工(細工始)
・初手斧てうな(手斧始)
・初窯(窯始)
・初ふいご(吹革始)
・初鍛冶(鍛冶始、槌始)

③ 趣味・芸事

・初硯
・初草子(読初、読書始)
・初話、初咄(話初)
・初会、初寄合
・初句会、初運座、初披講、初懐紙
・初吟行

・初茶湯、初釜、初点前てまえ
・初茶杓、初削

一月場所が東京・国技館開催。戦後、「初場所」と愛称されるまでは「春場所」とも。

・初稽古(稽古始)
・初弾(弾初)
・初能(能始)
・初扇
・初鼓
・初席、初寄席
・初芝居
・新春狂言、初曾我
・初伊勢踊(ちやつきらこ)
・初場所、初相撲
・初音売、初音笛

④ 生活

・初竈
・初かし
・初箒、初掃除(掃初)
・初湯、初風呂、初湯殿
・初座敷
・初屏風
・初暦、初開
・初日記(日記始)
・初放送、初ラジオ、初テレビ
・初刷
・初写真、初写し
初便はつだより
・初電話

⑤ 人事

・初笑、初笑顔、初えくぼ
・初泣、泣初
初灯はつともし、初灯明
・初灸、初やいと
・初鏡、初化粧

・初髪、初結、初島田
・初衣装(春着)
・初衣桁いこう
・初染
・初針(縫初)
・初火事

⑥ 近代以前

・初の日、初子はつね
・初講書(講書始)
・初蹴鞠(蹴鞠始)
・初登城
・初騎(馬騎初)
・初謡
・初連歌(江戸城連歌始)
・初弓(弓始)
・初浜(若潮)
・初若菜(若菜摘)
・初薺(薺摘)
・初子の玉箒
・初水(若水)
・初手水てうづ
・初釣瓶
・初駕(駕乗初)

5.行事

・初詣、初参、初社、初祓、初神籤みくじ
・初神楽
・初勤行、初読経、初諷経、初太鼓、初鐘、初開扉、初法座、初御堂
・初護摩

・初戎
・初甲子きのえね、初大黒
・初卯、初卯祭、初卯参
・初辰、初辰の水
・初巳、初弁財天、初弁天
・初庚申、初帝釈
・初亥
・初寅、初寅参、初寅詣

・初伊勢
・初金比羅、初金刀比羅、初十日
・初水天宮
・初愛宕
・初天神
・初妙見
・初祖師
・初薬師
・初お札(遊行寺の切札)
・初虚空蔵
・初閻魔
・初聖天
・初観音
・初大師、初弘法
・初不動
・初彌撒ミサ、初ミサ

6.動物

初鶏はつどり、初鳥
・初声
・初鶯
・初雀
・初鳩
・初鴉、初烏
・初鶴、初田鶴

7.植物

(掲載なし)


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