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初空

昨年の大晦日の星空から
元旦の朝の澄み渡った空の蒼さは
近年見たこともないような
清々しさを覚えました。
まさに大空翔ける気持ちです。

元旦の大空を「初空」といいます。
新しい一年の始まりは
気持ちがあらたまっていいものです。
その時に仰ぎ見る空がどこまでも蒼く
澄んでいたのなら、なおさらでしょう。

初日の出の前に東の空が次第に
明るさを増していくときを「初明かり」と
いい、初明かりの光が増していくと
空は茜色に染まっていきます。
これを「初茜」といいます。

同じ朝日でも、いつもと違って見えるのは
こうした言葉に表れる自然に対する敬虔な
気持ちがあるからなのでしょう。
人が自然に対して畏敬や敬虔な気持ちを
抱かなくなれば言葉も消えていくでしょう。

言葉というものは、
意味を伝えるだけでなく、感情や心情も
含めて伝えることができます。
また、言葉が表す対象の情景を
豊かに描いてくれるものだと思います。

同じように見える現象も、
表現が変わる言葉によって、映し出す
ものが違うことを忘れずにいたい。
空を見て、日差しを浴びて、風を感じて、
ぼくらはそこに何を感じるのでしょう。

人それぞれに感じ方も表現の仕方も
違うのは、そこに意味だけではない感情が
込められているからです。言葉の力とは、
意味が通じ合うだけではなく、心に情景を
描く力が感情に作用するからだと思います。

今年の初空があまりにも素敵だったので、
変化の年と言われる2019年を心穏やかに
迎えることができたと思っています。
この気持ちを大切に、私は言葉と向き合い、
言葉を紡ぎ、言葉を表していきます。


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