水紀 佑(cosmosways)

香川県生まれ。詩人、物書き。学生時代から10 年ほど京都で過ごし、横浜に住んだ後、地元…

水紀 佑(cosmosways)

香川県生まれ。詩人、物書き。学生時代から10 年ほど京都で過ごし、横浜に住んだ後、地元に帰郷。現在、三豊市在住。高校時代より詩作・著作活動に入る。でも、気ままに、徒然なるままに。

マガジン

  • 風の記憶、時の雫

    note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。

  • 風の音色

最近の記事

こころ

濃厚な雲 うつしだされる 希薄なこころ 戸惑うわたしに 澄んだ空は 何も言わず  何も隠さず ありのままを 突き付ける 何も包み隠さない 笑っているようにも 平然としているようにも さげすんでいるようにも 私の目には映る ときおり見上げながら ただ前をあるく あるきながら 強い気持ちで強くなる 自分の思いは それだけは 強く保ちづづけている

    • 春告花

      花が咲いています 黄色い花です 春を連れてきたんだね おひさまが笑っています 厳しかった顔も 緩みっぱなしなんだね 白い雲が浮かんでいます 風と手をとりあって 春がきたんですね メジロのさえずりがきこえます 木の枝をわたりながら 春を歌っています まちにまった春が やってきたんですね 郷から山へ 駆け上ります

      • あるく

        ぽとぽとあるく さっそうとあるく あっちこっちあるく ぐんぐんあるく るんるんあるく このこはあるきかたで はなしてる きゅんきゅんあるく とぼとぼあるく ひゅうひゅうあるく らんらんあるく じんじんあるく このこははしらない それでもまえにすすんでる

        • 冬の最中

          今はきびしいけれど どこかに春を隠している それがぼくを強くする どんなときも たとえ体が弱っても 精神力はやわじゃない できることなら 冬の声を聞いてみたい やがてくる春のために 準備を怠るな

        マガジン

        • 風の記憶、時の雫
          水紀 佑(cosmosways)
        • 風の音色
          水紀 佑(cosmosways)

        記事

          ココア刻

          おやつの時間 ぼくはココアを飲む カカオの風味がほっこり喉を通る コーヒーより 今のぼくには合いすぎる 深い思い出の片隅にある 小さな出来事が ほんのり湯気に紛れて立ち上る ここにいたんだぼくは ここは思い出が揺れるんじゃない 立ち上がる刻がある ぼくはココアを飲む おやつは食べない

          立ち位置

          私はただ幸せを欲していた その何が気に入らないのだ 何がそれを遮っているのだ 眼前の道を歩めば 描ききれないような 蒼い澄んだ空が飛び込んでくる 包み込む日差しと 風が歌う空が好きなのだ 誰かが揶揄しても構わない 翳ろうとしている人生の中で 何を請うことがあろうか 誰に遠慮することがあろうか 私はただ幸せを欲している 幸せに欠かせない 私はただ愛を欲している

          冬の証(晩秋の時)

          沈んだベッドの上 沈んだ気持ちを立て直せない 揺れる空の下 揺れる気持ちは落ち着きがない 今日も安定的で不確かな一日 明日も同じ顔を見せるのか 季節が秋から冬へ 表情を変えていく その傍らで見上げる空は 引き締まりながらもゆったりある 何かを投げかけてくれる メッセージを語る 生きているのは すべて万物の流転 生かされているのは すべて万物の意思 繰り返す日常のなかに 何を見て何を聴き何を感じるのか 濃霧の朝のように 見通しが立たない されど言葉を探し 言

          冬の証(晩秋の時)

          飛べ

          飛べ 今こそ飛べ 大空の溢れるほどの蒼さを糧にして 今 この時を飛ぶのだ 苦しみも悲しみも憤りも 不安や不安定さも かき消す空の雄大さよ ぼくの血となり肉となり 身体中を駆け巡るいのちとなれ 憧憬の空はもはやぼくの一部となる 勇気が空へ押し上げる 脆弱な身体は 飛ぶことで強靭さを得ていく 今 この時を忘れるな 飛びたいと思った瞬間に 勇気を手に入れろ 地上から眺める大空よ その蒼さよ 君が頭をあげて飛ぼうとする瞬間まで 変わらず傍にいる いつもいつまでも

          中秋の名月

          今日9月10日は満月の中秋の名月。 なぜわざわざ満月と書いたかといえば、 中秋の名月が満月に当たるのはめずらしいのだ。 それだけに楽しみでもある。 あとは天気次第だけど、今は晴れているが どうやら夜は雲行きが怪しい。 月の出の頃は曇りらしい。 雲の合間からでも中秋の名月が見えればいいが。 月といえば、ぼくが月に興味を覚えだしたのは アポロ11号の人類初の月面着陸からだろう。 1969年7月20日、その日は訪れた。 小学生だったぼくは中継されたその模様を TVで食い入るよ

          白露に思う

          今日は二十四節気の「白露」 秋が歩みを進め、 草木が朝露を結ぶ頃を意味します。 先日の台風の影響もあってか 今日は暑苦しい残暑もなく、 今朝はまさに白露を感じるような 清々しさでした。 日中の今も30℃を超えることはなく、 秋の訪れを実感します。 これがぼくらの記憶にある秋 と言ってもよく、身も心も やさしさに包まれていると感じます。 明日は重陽の節句。 明後日は中秋の名月です。 自然のリズムに癒され、 秋は夏で酷使した(された?) 心や体の不調を整えてくれる季節です

          初秋のとき

          秋がやってきて 夏の影を踏んだ 驚いた影の主は秋に振り向き 君はまだ早いと言うように 秋の目を見た 言葉にならない言葉で ぼくに悟られないように 夏風にさらっと言った風は ぼくの耳元でささやき やがて去って行った 居座った夏は容赦なく 日差しを投げ込んで 地上を燃やし肌を刺す 渇いた悲鳴も届かぬふりをして 残された夏時間を燃やす 秋はその傍らで 粛々と準備をはじめ 片時も自覚を忘れない 宣言するまでもなく 少しずつ季節を進めながら やがてくるその時まで 夏の影を踏まぬ

          ツバメが帰ってきた

          4月の終わり頃だったか、ツバメが帰ってきた。 確か去年は帰ってなかったような気がするので、 1年ぶりか。 今年は、颯爽と春風を割くようにやってきた。 そして、何台か前より、決まったように 同じ場所に巣作りを整え、ひなを育てている。 車庫兼倉庫(結構っ広い)の蛍光灯のある場所、 家族にとってはやや迷惑な話(フンが下に落ちる) でもあるけど、 誰も追い出そうとも、巣を取り除こうとはしない。 ツバメは幸福を運んでくるとも言われるからなのかな。 個人的には悲惨な出来事が続いた年

          ツバメが帰ってきた

          ワクチン接種3回目

          先週の金曜日(25日)は 新型コロナウイルスワクチン接種の3回目でした。 今回は1回目、2回目と違いモデルナ社の ワクチンだったので、副反応がどう出るか 正直心配でもありました。 ところが、発熱はおろか、かゆみも痛さも 倦怠感もなく、いたってこれまでと変わらない。 2日経っても副反応は出ませんでした。 念のために解熱剤や「inゼリー」など 予め準備していたのですが使うこともなく。 ほっとしたら、桜が咲き始めている。 そういえば、今日3月27日は「さくらの日」です。 (

          ワクチン接種3回目

          時の刻

          あの空の向こうに だれかが刻んだ時間が浮かんでいる 悲しんできた刻や 幸せが溶け込む刻も この海の空にまで写し込んでる だれもが季節に刻んでいる 今 この時の刻 浮かぶ ぼくの大切な時の刻

          時代を共有できぬ者

          時代は価値観や世界観、 人びとの暮らしまでも変えていく できない者は横暴なやり方で 惨劇を繰り返していく 時代を共有するということは すべてを時代に一致させるということではない 個々の時代観を持ちつつも 大勢の時代に沿う柔軟性を大切にすることだ 時代を共有できない者は やがて時代に弾かれる 時代は力で作られるものではなく 時代自ら意識の中で変化していくものである

          時代を共有できぬ者