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主に、遠距離恋愛をしていて思うこと。
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2018年7月の記事一覧

好きと言うリハビリ

好きと言うリハビリ

好きなものを好きといい、嫌いなものには嫌いという。とてもシンプルなこと。
赤ん坊の頃はきゃきゃっと笑ったりわーっと泣いたり、全身で上手に好き嫌いを表現することができたはずなのに。何だか最近難しい。

家までの道を歩く時、凹凸のあるコンクリートの地面に手の内のスマホを叩きつけて、粉粉になった所を見たいと思う日が3日ほど続くと、あれ、と心の異変に気づく。
心がどろどろぐちゃぐちゃしている原因は、大抵、

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星に囲まれた思い出



海で遊んだ日の夜。ベッドに横たわると、背中から耳の中を、波が繰り返し押し寄せては抜けて行く感覚に襲われることはないだろうか。

すべての思い出は頭で記憶しているつもりでいても、実は、良い思い出も悪い思い出も、感覚として心と身体に記憶されていることが多いように思う。

あれ、この感覚、どこかで……?

頭で考えるより先に、心と身体がぴーんと、あるいは ざわざわと反応するのはきっとそのせいだ。次の

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蜃気楼

涙がでているのに気づく。ただ、その理由が分からない。でもたぶん彼のことだろうなって思いを巡らせてみる。遠距離恋愛を初めて、2年と数ヶ月が経っても、彼と会った翌週はだいたい心のバランスを崩す。

前の日にうすいピンクのマニキュアを塗る。とびきりの笑顔で、彼を見つける。会っていなかった時間を巻き戻すように、彼の日常を聞く。前回会った後までカメラロールを遡って、わたしの日常を話す。彼にふれて、重みを

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