Taro Watanabe

内資製薬会社で営業→事業企画→マーケティング部門にて勤務後、外資系製薬会社でマーケティ…

Taro Watanabe

内資製薬会社で営業→事業企画→マーケティング部門にて勤務後、外資系製薬会社でマーケティング(日本→シンガポール)を経験。現在は起業し、新たなキャリアの成功を目指して修行中。

最近の記事

大企業にいたからこそ今起業して活きていること・苦しいこと

政府がスタートアップのための5カ年計画を策定したように、今はスタートアップがイノベーションを起こせるようにありとあらゆるサポートが充実している時期なのだろうと思う。スタートアップ起業というのは、アイディアがあればもはや誰でも会社を登記するだけでできるけれども、それでも、若者の方が新たなスタートアップを創出する期待を受けているように思う。 自分のようにサラリーマンとして10年以上勤務してから30代後半で起業するケースは若者が起業する場合と比較してどうなのだろうと考えることがよく

    • 起業して受けた洗礼

      起業して活動する中で、自分がいかに弱い立場で、かつビジネスというものを甘く見ていて、大企業に過去守られていたかを実感する出来事があった。 自分の会社は医療ツーリズム推進の本業に加えて、過去の製薬企業での経験を活かしてヘルスケア関連のコンサルティングもしている。先日、コンサルティングとして貢献できそうな会社Aと面談する機会があった。事前に課題感をヒアリングし、それに対してのソリューションの方向性を提案し、自分がその課題解決に伴走するということでコンサルとしての費用感も出した

      • 会社員を辞めて起業して得たもの・失ったもの

        昨年11月に製薬会社を退職し4ヶ月、つまり1年の1/3が経過した。いろんな本やメディアから、起業したら最初は何一つ上手くいかないということは聞いていた。ただ、心のどこかで自分は大丈夫だろう、思い描いているビジネスは上手くいくはずだ、そう思ってしまっていた。甘かった。 辞める時には今の時期には新しい事業で生計を建てているはずだった。現実は甘くない。今、会社員時代に培った貯金を切り崩しながら生活している。目の前に映る残高が減っていくのを見るのは本当に怖い。不安ばかりが高まる。でも

        • 起業。

          2023年は自分にとってこれまでの人生で最も大きなターニングポイントだったかもしれません。新卒以来社会人人生を捧げてきた製薬業界を離れ、新たに起業しました。 製薬業界は他の業界の比較して待遇も良く、かつ特殊な業界のため他業界に移ることも珍しいため、なぜこのような決断をしたのか多くの人に聞かれます。 今回はその背景や動機について述べてみたいと思います。 日本のサラリーマンの特殊性に気づいた まずはこれ。自分は2022年の後半からシンガポールのポジションに移籍しましたが、これは

        大企業にいたからこそ今起業して活きていること・苦しいこと

          起業日記 後悔と孤独

          起業を決めた理由は前回の記事に書いた。そして、その決断を上司に伝えた。 そうやって会社員の終わりが確定してから、猛烈な恐怖が襲ってきた。わかってたはずなのに、不安が押し寄せる。やめたらもう給料は振り込まれない。自分で稼ぐしかない。わかっているのに、起業すると決めた時からわかっていたはずなのに、辞めることが確定してから怖くなってしまったのだ。やはり口だけで起業したいと言うのと、実際行動に移すのは天と地ほど違うのだ。 1人で考えてると堪らなく不安になるので、誰かに相談しなきゃ

          起業日記 後悔と孤独

          4ヶ月ぶりの更新 -これから(多分)起業日記に-

          前回の記事からだいぶ経ってしまいました。この数ヶ月は怒涛の日々でしたが、その理由は自分がシンガポールで起業することを決めたからです。 これまで日本で12年、シンガポールで約1年製薬会社のために働いてきました。そしてとうとう、かつて自分が想像もしていなかった道を歩むことになります。 今日はなぜそう思い立ったかをここに記録しておこうと思います。 1. 日本のサラリーマンにはもう戻りたくない まずはこれ。シンガポールで勤務して知ってしまった圧倒的な違い。日本にいたときは、内資で

          4ヶ月ぶりの更新 -これから(多分)起業日記に-

          英語でCV (職務履歴書)を書こう

          かつて日本でマーケティングに携わり始めたころに部長に「いずれ海外で働きたいです」と言った時に「英語のCVはもう書いてるか?」と聞かれ、「CVって何ですか?」と返して呆れられたのを覚えている。CVはCurriculum Vitaeというラテン語の略称で、“人生の行路”を意味する。日本語だと履歴書以外に訳す言葉がないのだが、気をつけなければいけないのは日本語の典型的な履歴書 (コンビニとかでフォーマット売ってるやつ)とは概念も内容も大きく異なるということだ。ここでは下記3点につい

          英語でCV (職務履歴書)を書こう

          製薬MRからマーケに異動して病む人は多い?

          TwitterでMRの方が”本部に異動すると病む人が多い”ということをツイートされていて、確かにそういうケースを少なからず見てきたなと思った。もちろん組織風土や人間関係の問題と言ってしまえばそれまでなのだけど、自分が見てきた中にはMRとして優秀な能力を持っていたにも関わらずそうなってしまったケースもあるのでどういう背景があったのか考察してみたい。 1. Stakeholderの大多数が社外 (医療関係者)から社内に変わる まずはこれ。MRは多少の差異はあれど基本

          製薬MRからマーケに異動して病む人は多い?

          “英語は表現方法はどうでもいいからとにかく伝えるのが大事”という人達へ

          グローバルで働きたい人、グローバル企業の中で働く日本人にとって英語は課題となることが多い。その中でよく目にするのが、「英語は日本語と比べて直接的なコミュニケーション (High content/Low contextと言ったりする)だから伝われば表現はなんでもいい。とにかく喋ることが大事」という意見だ。 これに自分は、半分賛成半分反対だ。 半分賛成というのは、“とにかく喋ることが大事”という部分だ。特に日本人は完璧な英語を求めるがあまり、自信がなくてグローバルな環境下で全

          “英語は表現方法はどうでもいいからとにかく伝えるのが大事”という人達へ

          製薬マーケは楽しいか?

          とあるMRの方からTwitterで質問をいただき改めて考えを整理したいと思った。「製薬マーケに行くために何が必要か?」という質問は数多くいただいてきたし巷に色んな回答が溢れていると思うのだが、「楽しいか?」という観点ではこれまで深く考えたことがなかった。自分が経験した範囲内になることは注釈した上で持論を述べてみたい。 ここでは下記の4つの軸から仕事としての製薬マーケの「楽しさ」を考察する。 · 戦略を担当するのか遂行を担当するのか · その会社

          製薬マーケは楽しいか?

          製薬コマーシャルの人間が国際学会に参加する意義

          ASCO(アメリカ臨床腫瘍学会)が盛り上がっている。国際学会にはいつも参加したかったし、実際参加する機会もいくつかあった。会社にもよると思うが、自分は常に「国際学会への出張は旅費も高いし拘束時間も長いので明確な目的と成果が必要だ」と言われてきた。 ただ、コマーシャルの人間にとってこれはそう簡単ではない。開発やメディカルアフェアーズは疾患や製品の最新エビデンスを迅速に知ることは業務の肝なので正当性が高い。ただコマーシャルが同じ理屈は通りにくい。後から開発やメディカルからまとめを

          製薬コマーシャルの人間が国際学会に参加する意義

          グローバルな環境で働くために本気で英語スキルを伸ばしたいと思っている人へ

          グローバルで働きたいと言うビジネスパーソンは多いが、必ずと言っていいほどハードルになっているのが英語のコミュニケーションスキルだ。日本では学生時代に何年にも渡って英語を習っているにも関わらず、グローバルな環境で英語で仕事できるレベルの人は驚くほど少ない。そのため社会人になってからも英語教育へのニーズは大きく、書店に行けば膨大な数の英語学習本が並び、英語教科トレーニングプログラムの宣伝もSNSや町中の広告に溢れている。 しかしながら、自分がグローバル製薬企業で働く中で長年不思

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          書評:田村耕太郎さん「頭にきてもアホとは戦うな!賢者の反撃編」

          今回は田村耕太郎さんのベストセラー「頭にきてもアホとは戦うな!」の続編、「頭にきてもアホとは戦うな!賢者の反撃編」を紹介したい。 田村耕太郎さんと言えば過去に参議院も務めておられたお方で、現在はシンガポールに居住されてリークワン・ユー公共政策大学院の兼任教授でもある。2014年に出版された「頭にきてもアホとは戦うな!」は80万部を超えるベストセラーとなっているとともに、「地政学が最強の教養である」もビジネス書として人気を博している。 そんな田村さんの最新作が今回の著作な

          書評:田村耕太郎さん「頭にきてもアホとは戦うな!賢者の反撃編」

          パスポート所有率17%の衝撃

          17%。この数字が日本人のパスポート所有率だということに果たして何人が納得するだろうか。「ヘンリー&パートナーズ(H&P)社」は、ビザなしで外国への渡航が可能な国の数を「パスポートの強さ」とした調査を定期的に行っており、2023年1月に行った最新の調査結果では「日本のパスポートが世界最強」と評され、ビザを取得することなくパスポートのみで最も多くの国へ渡航できる国は日本とシンガポールであると紹介されている。*1 それにも関わらず、日本人のうち17%しかそもそもパスポートを持って

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          書評:デービッド・アトキンソンさん「給料の上げ方」

          書籍リンク https://www.amazon.co.jp/%E7%B5%A6%E6%96%99%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%92%E6%96%B9-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%A7%E8%B1%8A%E3%81%8B%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B-%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89

          書評:デービッド・アトキンソンさん「給料の上げ方」

          書評:西野亮廣さん「夢と金」

          https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A2%E3%81%A8%E9%87%91-%E8%A5%BF%E9%87%8E-%E4%BA%AE%E5%BB%A3/dp/4344040503/ref=sr_1_1?adgrpid=146725791834&hvadid=651369253610&hvdev=c&hvlocphy=1009180&hvnetw=g&hvqmt=e&hvrand=7103647396508359069&hvtargid=kwd-1

          書評:西野亮廣さん「夢と金」