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記事紹介:How Cancer Treatment Centers Can Take A Patient-Centric Approach

こちらも医療ツーリズムに関連した記事の紹介。Forbesに掲載されたHow Cancer Treatment Centers Can Take A Patient-Centric Approachという記事だ。

この記事はMatthew Halpert, Ph.D.という、免疫療法を提供するImmunocine Cancer Centerの創設者兼CEOによる執筆だ。この機関はメキシコにある。メキシコはアメリカ人の医療ツーリズム渡航先として人気で、アメリカでは用いられない治療や比較的安価な治療を提供できるとされている。
しかし、この記事や病院のWeb pageによれば、この医療機関は単にFDA未承認の有効性・安全性が確立されていない治療を提供しているわけではないらしい。
下記が病院HPからの抜粋だ。

”Though many take issue with how lengthy the FDA approval process is, the reality is that without it, there is no real way to determine the veracity of many of the claims out there in the Alternative treatment space. Publications, trials, and even truth are not required to offer an “alternative” treatment for your cancer. Immunocine is different in the sense that it was not created to avoid a standard regulatory approval process, but because of it. The Immunocine therapy, after years of scientific vetting, is currently going through the many rounds of FDA trials required to gain approval. However, due to exciting science and the chance to see this work in real world cases, we knew we wanted to try and make this technology available to people today that may not have the time to wait for the full FDA process to complete. So with all of the integrity expected of any first rate treatment, we launched Immunocine Cancun in 2021 to help the cancer patients of today that are not eligible for one of the trials.”
つまり、Immunocineは標準的なFDAの承認プロセスを避けた治療を行うために作られたのではなく、何年にもわたる科学的検証を経て、現在、認可を得るために必要なFDAの何回もの治験を経ているらしい。しかし、実際の症例でこの効果を確認するチャンスから、FDAの全過程が完了するのを待つ時間のない人たちにも、この技術を今すぐ利用できるようにしたいと考え、2021年に臨床試験の1つに適格でない今日のがん患者への治療を開始しているとのこと。
とはいえFDAの承認プロセスを経ていないことは大いに議論の余地があると思うが、今回の記事ではそこは触れずに記事の紹介に止める。

上述のForebesの記事では下記のことが書かれている。

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がん患者が医療ツーリズムを選ぶ理由は、自国では利用できない治療法を求めている場合が多い。従来の治療法を使い果たしたり、異なるアプローチを探している患者は、新しい選択肢を模索している。

がん診断に伴う不安や不確実性の中で、多くの患者は思いやりのあるガイダンスとサポートを求めている。今回紹介されている医療ツーリズムのためのがん治療センターは、患者の不安や不確実性を理解し、共感的なケアを提供することで差別化を図ることができる。個別のサポートサービス、感情的なカウンセリング、透明なコミュニケーションを提供することで、患者にとって安らぎの場所となることができる。
また、主要な医療提供者や研究機関との協力関係を築くことで、医療ツーリズムのがん治療センターは包括的で統合的なケアソリューションを提供できる。多分野の専門チームの専門知識を活用し、国際的な臨床試験や研究イニシアティブに参加することで、革新の最前線に立つことができる。戦略的な提携を通じて、患者は専門家や治療オプションのネットワークにアクセスでき、国境を越えたケアの継続性を確保できる。
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つまり、米国からの医療ツーリズム患者に対して、Patient Centricでそれぞれに適した治療と包括的なケアを提供することで信頼度を高めようとしていることがわかる。医療ツーリズムにおいて、主要国の規制当局による評価を受けていない治療法は常に注意が必要だが、医療ツーリズムの体制として本記事に書かれている内容は参考になるため紹介した。

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