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今週消費した10のこと プーチンが既にこの戦争に負けた理由/炊き出しの音

•プーチンが既にこの戦争に負けた理由

世界的特大ヒットを記録した「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリ氏がイギリス・ガーディアン紙に寄稿した記事を目にしました。

いわく、アメリカがイラクで、ソビエトがアフガニスタンで学んだように、一国を征服することは簡単でも支配し続けることはより難しい。プーチンは自分がウクライナを征服する力があることを知っていました。

しかし、ウクライナの人々がプーチンの傀儡政権をあっさりと受け入れるものでしょうか?
プーチンは受け入れる方に賭けました。
なにしろプーチンは、聞く耳を持つ者には何度もしつこく「ウクライナは真の国家ではない、ウクライナ人は真の民族ではない」言い続けてきたのですから。

ところが、日が経つにつれてプーチンは賭けに負けたことが明らかに。ウクライナの人々は全身全霊で抵抗し、世界の称賛を勝ち取り、この戦争に勝利しようとしています。
この先も、長く暗い日々が待ち受けていますし、ロシアはウクライナ全土を征服するかもしれません。しかし、戦争に勝つためには、ロシアはウクライナを支配下に置かなければならず、ウクライナの人々がそれを許可しなければなりません。そうなる可能性は限りなく低くなっているように見えます。

ウクライナの人々の血が流れれば流れるほど、プーチンの「ロシア帝国」再建という長年の夢は、彼自身の手によって確実に叶わないものになっています。
「ロシア帝国」の死亡診断書に書かれる名前はゴルバチョフではく、プーチンになるはずだ。
ゴルバチョフは、ロシア人とウクライナ人が兄弟のように感じられるようにして舞台を去り、プーチンは彼らを敵同士に戻し、この先ウクライナの人々がロシアは敵国だと認識するようにしてしてしまいました。

以上、特に心に残った文章のみを訳しました。

私は「巨人の肩に立つ」という言葉が好きなのですが、現代の「知」の塊であるようなハラリ氏の言葉は、私の小さな頭で考えられることを遥かに越えていますし、専門家でもないのに日本のテレビに出て無責任なことを言い続ける弁護士などの意見とは比較できないほど、一つの意見として知っておく意味のあるものだと感じました。

ハラリ氏は「私たちは寄付をしたり、難民を受け入れたり、オンラインで奮闘を支持したり、何でもいい。何でもできるはずです。ウクライナで起きている戦争は全世界の未来を形作る。もし、圧政と侵略によって勝利することを許せば、私たち全てがその結果に苦しむことになる。ただ静観しているだけでは意味などありません。
立ち上がり、行動を起こす時です」
と呼びかけています。

そして、「残念ながら、この戦争は長引きそうです。形を変えて何年も続くかもしれない。しかし、ウクライナの人々がこの数日間、世界に示してきたように、彼らは新ロシア帝国による支配下では断じて生活したくないのです。ウクライナから発っせられたこのメッセージがロシアの分厚いクレムリン防壁を貫くのに、あとどれくらいかかるだろうか」と記事を締めくくっています。

・万人にとっての正義は存在しない

ウクライナを”非ナチ化”するというプーチンの主張の裏にあるのは反ユダヤ主義だ、というガーディアンの記事です。
万人にとっての正義など存在しない現実を突き付けられる内容で胸が詰まりましたが、歴史的な事実をねじ曲げると、こういう見方も存在するのだと知りました。

•戦火を逃れる

ハリコフ駅のプラットホーム。
私は阪神大震災の時、一時非難をしたことがあるのですが、当時はインターネットなどなく個人で情報収集する手段は完全に絶たれていましたが、それでもこれほどに混雑していませんでした。全てを捨てて、戦火から逃れるというのは自然災害のそれとは全く異なるのだと感じ、胸が詰まりました。

・炊き出しの音

NPO ワールドセントラルキッチンは災害や紛争で食べられない人に食事を配り続けています。今回このチームは、ポーランドでウクライナから国境を超えてきた人々に温かい食事を配っています。

私の経験などと比較するべきではないのかもしれませんが…、阪神大震災の時、救援物資としてパンが配られ数日め、有り難いと思いながらも「またパンか…」と思ってしまう自分が辛かった。
電気も暖房も付かない部屋で手にした冷たい菓子パンに、何故だか2倍追い詰められた気がしました。

だから、せめて望まない戦争から逃れてきた人たちが、温かい食べ物を口にしてほしいなと思い、このチームに寄付しました。

寄付したり反戦を唱えるのと同じくらい、なぜ戦争が起きてしまったのか、その歴史的な背景を知ることはより大切だと痛感しています。

・支援したいと思う気持ちはナチュラルだ

こちらは、アメリカの非営利「ナショナル・パブリック・ラジオ」がウクライナ支援先をリスト化した記事です。
記事の中にある「支援したい気持ちはナチュラルだ」という言葉に背中を押してもらい、私は寄付しました。
ユニセフや国境なき医師団、イギリスを拠点にするセーブ・ザ・チルドレンなどがあり、人道支援として信頼できるリストだと思います。

・韓国日常料理

この2年間、外食がしにくくなったということもあり、その日に食べたいなぁと思うものを諦めることも増えてしまいました。

それでも、どうにかして自分で作れないだろうかと思い、周囲の人間が「なんでそんなに食い意地が張っているの?」とあきれるほどに大量の料理本を買い込んで色々試してみるうちに、自分なりに納得のできるものが作れるようになったのは、嬉しい驚きでした。

今日は新刊「dancyu」に掲載されていたナムルを作りました。
私は「常備菜」や「作り置き」といった料理を作るのが本当に苦手で、「常備菜」に助けられることもある反面、数日間同じものを食べなければならない、つまり「その日に食べたいものが食べられない」と追い詰められるように感じることも多く、苦手意識は増すばかり…。それでも重い腰を上げたのはどうしても本場韓国の家庭料理が食べたくなったからです。やはり私は食い意地が張っているのだろうか。そうなんだろうな。

・dancyuの美味しいビビンパレシピ

数種類作ったナムルと、庭で栽培している水菜、二十日大根、大根などを合わせてビビンパに。
韓国の大根なます的な「チキンム」を作り、一緒に混ぜると味わいがぐっと引き締まり、シンプルなのに想像を超える美味しさでした。

・冬を乗り越えし、二十日大根

趣味で始めた家庭菜園も気がつけば3年目。
今年の冬は本当に寒くて、霜が降りる日も多かったのですが、菜園の野菜は案外平気だったようで、人間の私だけが気を揉んでいた長い冬が終わりを迎えました。

来年はもっとおおらかに見守る気持ちで春を迎える自分に期待したい。

・菜園の中で見えたもの

春の菜園の準備をしようと思い、馴染みの花屋へ出向きました。そこには今までと何も変わらない日常があり、それが辛かった…。
いつもなら店主と会話を楽しんだり、顔馴染みの常連さんがいれば「これ育てやすいよ」などとアドバイスをもらったりしていたのに、そんな気分にもなれず店を後にしようとすると

「これ、作付け時期終わるから、持って帰り」
と店主が絹さやの苗を持たせてくれました。

なんだかその気持ちが嬉しくて「新聞やニュースの戦争の血生臭い場面ばかりを目にしているのに、希望が全くみえないのが辛い」とフト話してしまった自分に驚いたのですが、というのも「戦争」というトピックスを人と話すのは本当に難しいなと感じていて、人種や宗教だけでなく年齢や価値観によっても本当に様々な意見があり、どれほど頭のキレる政治家であっても「正しい」戦争の解決方法を見出すことは不可能だと思っていた矢先に、それらを軽々しく飛び越えてきた店主の人間愛のようなものを感じたからです。
特に私の会話を深掘りするでもなく、ただ頷く。その好意はまるで、根っこは異なれど行き着くところは全て同じである「土」ようで、ただただ有難くて目頭が熱くなりました。

持ち帰った苗がいつもより生命力が増しているように見えたのは、気のせいだろうか?

・私たちが見ている紛争の正体とは

New York Timesの社説的なポッドキャスト。毎エピソード1時間近くあるので、最初の数分だけ聞いて、興味深い内容の時は最後まで聞いています。週2回(火、金曜日)更新。

今回はcnnやワシントンポスト紙でジャーナリストとして活動しているFareed Zakariaをゲストに迎え「ロシア、そして中国をより良く対処する」というテーマでトーク。
もしかすると、私は無意識のうちに帝国主義を肯定するようなマインドセットになっていたのではなないか、と考え直させてくれる良いエピソードでした。

以下、アメリカの帝国主義についての一部意訳です。

「アメリカはイラン、イラク、ベネズエラ、ロシアを封じ込めたい、と言える。因みに、中国に対しても封じ込め政策をやりたい。更には、北朝鮮は非核化させたいし、シリアに軍事介入もしようとしている。

アメリカは軍事的な選択はしていないけれど、これらが根本的な問題なんだ、と認識しなくてはならない。私はワシントンでそういう議論がより行われるのがみたい。アメリカには未だに全てを手に入れられるという、帝国マインドが存在している。けれど、我々は薄々気が付いているはずじゃないか?我々はもはや世界の中心ではないのだ。アメリカが全てを手にすることはできない。」









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