ミュージシャンのための教育スケッチブック

このノートの目的 ・いろいろな刺激を受けながら音楽をスケッチしてみる。 こんな人に…

ミュージシャンのための教育スケッチブック

このノートの目的 ・いろいろな刺激を受けながら音楽をスケッチしてみる。 こんな人に読んでほしい ・作曲をしている人、してみたい人。即興も含まれる。 ・音楽に興味がある人。創作一般に興味がある人。 ・何か考えてみたい人。

マガジン

  • ソングライティング・ワークブック

    歌を発想して最終的に他人に聴いてもらうまでに、どういう作業をすればいいか。また、たくさんの歌を継続的に書くには何をすればいいか。それを「課題」というかたちでこのnoteに毎週公開しています。

  • Jazz練習帳

    Jazz初心者、あるいは学び直したい人のための。「即興演奏」と「Jazz」は重なっている部分もあるが、重なっていない部分もある。その区分線は人によって異なる。ここでは私の主観で「Jazzの言葉」をどうやったら身に着けられるか、練習方法を考える。

  • ぽっぽぷうりの100のうた

    主にソングライティング・ワークブックを書きながら思いついたものを集めています。 ソングライティング・ワークブックはこちら; https://note.com/yasuoakai/m/m862c7f1178c4 いつ100曲になるのかわからないけれど。

最近の記事

ソングライティング・ワークブック 第184週:Leonard Cohen (5)

ソングライティング・ワークブック目次へ 「insecurity」の状態から逃れることは難しい、か?思い出す小説 とくにLeonard Cohenと直接関係あるわけではないのだけれど、insecurityと言えば、私が連想する小説がある。イギリスの脚本家、映画作家が書いた『Intimacy』という小説だ。6年間一緒に暮らしたパートナーと二人の幼い子供を置いて愛人のもとに去ろうとする中年男の、その去るまでの24時間に彼の頭の中を駆け巡るいろいろな考えや感情をだらだらと書き連ね

    • ソングライティング・ワークブック 第183週:Leonard Cohen(4)

      ソングライティング・ワークブック目次へ 「私を招待するようなクラブには入りたくない」タイプの人間だって?―そんなこと自分でわかってる1979年にミュンヘンでテレビのために収録されたライブ映像より。 まだあのめちゃくちゃ低い声でぼそぼそつぶやくスタイルではない。 「求めるな」と言われて諦めたら今度は「求めよ」と声がする 歌の後半でこう言っている; 木製の杖に寄りかかる乞食は「そんなに多くを求めなさんな」と言い、暗いドアの影から可愛い女が「ねえ、なんでもっと欲しがらない

      • ソングライティング・ワークブック 第182週:Leonard Cohen(3)

        ソングライティング・ワークブック目次へ 過去形です(So Long, Marianne)It's time that we began 『So Long, Marianne』のコーラスがよくわからなかった。なぜ「began」なんだろう?どう解釈すれば?韻のためと言ってしまえばそうなのだろう―Marianne、began、againと踏みたかったのだろうから。今でもわからない。「…」の解釈もよくわからない。 ヴァース―コーラス形式で、ヴァースが6つあり、コーラスはすべてこ

        • ソングライティング・ワークブック 第181週:Leonard Cohen(2)

          Leonard Cohenはカナダ人だけれど、合衆国についてよく書いている。 ソングライティング・ワークブック目次へ It's going to be September now (2)2000年代を振り返る Donald Trump(ドナルド・トランプ)という名前が話題になるようになってずいぶん経つ。今回であの人にとって3度目の大統領選挙なので、もう8年になる。 George W.  Bush(ジョージ・W・ブッシュ、2001年から2008年まで大統領だった人)、D

        ソングライティング・ワークブック 第184週:Leonard Cohen (5)

        マガジン

        • ソングライティング・ワークブック
          185本
        • Jazz練習帳
          6本
        • ぽっぽぷうりの100のうた
          29本

        記事

          ソングライティング・ワークブック 第180週:Leonard Cohen(1)

          ソングライティング・ワークブック目次へ It's going to be September now「エモい」は日本語として定着したのだろうか… 「エモい」は日本語として定着したのだろうか?もともとはロックのサブジャンルを示す「Emo(イーモウ、という感じで発音する)」から来るのだろうけど、本当のところはわからない。 Emotional hardcoreが短縮されてEmocoreとなり、単にEmoとなった。2000年代、特にまだ合衆国がブッシュ政権だったときによく耳にし

          ソングライティング・ワークブック 第180週:Leonard Cohen(1)

          ソングライティング・ワークブック 第179週:Jacques Brel(12)

          ソングライティング・ワークブック目次へ Quand on n'a que l'amour(残されたものが愛だけなら)歌詞を読み進めれば、最初は恋人同士の愛に始まって、最後には世界を変える愛に至ることがわかる。1956年発表のBrelの最初のヒット曲(動画は1963年のもの)。プロテストフォークみたいな趣で、ギターで弾き語りしている。曲調も見かけは単純だ。でもその単純さは歌詞の内容からして意図的なものだろう。Brelがあの身振りと顔をいっぱい使うスタイルになるのは、この歌が出

          ソングライティング・ワークブック 第179週:Jacques Brel(12)

          ソングライティング・ワークブック 第178週:Jacques Brel(11)

          la chanson des les vieux amants(長く連れ添ってきた恋人たちの歌)マイナーで、ロマンチックな曲調だけれど、そこには『My Funny Valentine』みたいなバラードに通じるようなユーモアもあるのだろうと思う。悲しい歌ではないことは確かだ。

          ソングライティング・ワークブック 第178週:Jacques Brel(11)

          ソングライティング・ワークブック 第177週:Jacques Brel(10)

          ソングライティング・ワークブック目次へ Les Bourgeois(ブルジョワたち)

          ソングライティング・ワークブック 第177週:Jacques Brel(10)

          ソングライティング・ワークブック 第176週:Jacques Brel(9)

          ソングライティング・ワークブック目次へ とうとうたどり着く、でもなぜ今?(J'arrive)

          ソングライティング・ワークブック 第176週:Jacques Brel(9)

          ソングライティング・ワークブック 第175週:Jacques Brel(8)

          ソングライティング・ワークブック目次へ 悲しむ友人を元気づける歌(Jef)女のことで嘆く友人ジェフを元気づけようとする歌。大体の意味を()内に記してある。

          ソングライティング・ワークブック 第175週:Jacques Brel(8)

          ソングライティング・ワークブック 第174週:Jacques Brel(7)

          ソングライティング・ワークブック目次へ 私の嫌いなある家族について語ろう(Ces Gens-Là)酒場かどこかでだろうか、話者は第三者(話者が「ムシュ」と呼びかける相手)にある家族の話をする。そのメンバーのあれこれをあげつらって悪口を言う。なぜそんな悪口を言うのか。最後にその家族の一人フリーダという女性の話をする。彼女と結婚したいけれど、その家族が許さない、ということらしい。「Ces Gens-Là」は「それがあの人たち」という意味。 エオリア調のモノトーナルな感じが続く

          ソングライティング・ワークブック 第174週:Jacques Brel(7)

          ソングライティング・ワークブック 第173週:Jacques Brel(6)

          ソングライティング・ワークブック目次へ Le Plat Pays(平らな私の故郷)ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)をlow countriesと呼ぶことがある。風景画にしたら上3分の2は空、下3分の1が地面。曇りがちで雨が多い。確かロンドンよりも降雨量が多かったと思う。 ()内日本語で大体の感じだけ記してみた。訳すのは難しい。レファレンスも「フリーダがマルゴになる」とか何の話なのかよくわからないところもある。

          ソングライティング・ワークブック 第173週:Jacques Brel(6)

          ソングライティング・ワークブック 第172週:Jacques Brel(5)

          ソングライティング・ワークブック目次へ Vesoul(ヴズール)振り回されて憤慨する男をユーモラスに描いた歌となっている。ヴズール、ヴィエルゾン、オンフルール、モン・ヴァレリアン、カンタル県はいずれもフランスの地名。デュトロンは実在する人気歌手。よく意味が取れない部分があるけれど、憤りで何を言っているのかよくわからなくなる様子をしめしたものか?パリは嫌だからね、アコーディオンなんて嫌だからね、と言ったまさに「アコーディオン」でピーとMarcel Azzolaのアコーディオン

          ソングライティング・ワークブック 第172週:Jacques Brel(5)

          ソングライティング・ワークブック 第171週:Jacques Brel(4)

          ソングライティング・ワークブック目次へ Ne me quitte pasBrelの歌の中で世界的に一番人気があるのが『Ne me quitte pas』で、多くの人がカバーしている。1959年にレコードとして発売されている。実際に愛人(Brelは既婚)-女優で歌手であるZizou (Suzanne Gabriello)-が彼から去った後に書いたらしい(ひどい話で、ZizouがBrelの子供を身ごもったけれど、Brelが認知せず、Zizouが中絶した)。Brel自身1966年

          ソングライティング・ワークブック 第171週:Jacques Brel(4)

          ソングライティング・ワークブック 第170週:Jacques Brel(3)

          ソングライティング・ワークブック目次へ 『Amsterdam』の歌詞と大意スタンザごとに日本語で大意を記す。 こうして読んでみれば、なぜこの歌が終わりに向かって切迫して盛り上がるようになっているのか理解できる―言うまでもないことだろうが、射精のメタファーなのだ。

          ソングライティング・ワークブック 第170週:Jacques Brel(3)

          ソングライティング・ワークブック 第169週:Jacques Brel(2)

          ソングライティング・ワークブック目次へ 『アムステルダム』はもともと『アントワープ』だったらしいフレンチフライ(フライドポテト)の本場はベルギー 『Ne me quitte pas』と並んで人気のある『Amsterdam』は、港町で飲んで騒ぎ、アコーディオンの音楽で踊り、女を求める水夫たちの様子を描いた歌だ。歌詞の中に「Jusque dans le cœur des frites(直訳すると「フライドポテトのハートまで」、実際のところ文脈に沿った訳は難しい)」というフレー

          ソングライティング・ワークブック 第169週:Jacques Brel(2)