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恥ずかしながらの告白で前菜をてっきりメインディッシュと思い込んだ話の続き

前回の話は「前菜だと知らずメインディッシュと思い込み注文して大恥かいた若い頃の失敗談」という昨日投稿したこちらの記事ですが、まだお読みで無いならコチラから先に読んでいただければ、話が繋がると思います。


さて、ホテルのレストランで食べることにした私たち夫婦は、ホテル内のレストランの中でも、あまり大きくない店舗を選んで、ドキドキする胸の動悸を隠しながら、レストランの入り口のドアを押しました。

私の後からついて来る彼女をエスコートしつつ、緊張がバレないように平静を装って店内の状況を瞬時に確認してから適当な席を物色しました。

そして、入り口近くの、あまり良い席とは思えないような隅っこの席を指差して「ここ、いいですか?」と、うわずった声で伝えてから着席しました。

座ってからも落ち着かず、黒服のウエイターさんが本革表装されたメニューブックを2冊持ってきて「お決まりになったらお呼びくださいませ」と挨拶を残して去るや、二人で頭をくっつけて急ぎメニューブックを開きました。

1冊はワインをメインにアルコールドリンクのメニューブックで、もう一冊が食事のメニューブックだったので、食事のメニューを最初のページから順に眺めていったのですね。

もちろん、二人の視線はプライス欄の金額確認が先で、金額の低そうなメニューを見つけては、左側に記載されている料理の名に目を転じて、どんな料理なのかを確認していくという手順。

そんなことをしながら、できるだけ安そうな料理を探したのですが、結局のところリーズナブルなプライスの料理は、メニューブックの始めのほうに掲載されているものばかりだったのですよ。😓

それらの料金的に馴染みのあるメニューの中から、私たち田舎者夫婦が厳選した料理こそが「shrimp cocktail」だったのですね。

もちろんそのメニューを選択した時には、shrimp cocktailという料理のイメージは、シュリンプとコックテイルって言うくらいだから、きっとエビと鶏の尻尾あたりの肉を使った料理なんじゃないのっていう程度の認識でした。

その頃の私たちは、まだフランス料理などの西洋料理にも疎かったし、洋風料理を食べた経験でいうと、新宿駅東口側のジローでピザを食べたくらいの経験しか無かったんですよ。

なんといっても40年くらい前の話ですからね。😅

なので「shrimp cocktail」なんていう料理のイメージが、エビと鶏だったわけですね、二人とも食べたこともないし、想像もつかなかったのです。

それで、メニューに記載されている横文字だけを頼りに推測して、どんな料理かイメージを膨らませたわけです。

「ねぇ、コックテイルって何?」と彼女。
「たぶん、鶏か、なんかかなぁ?」と私。

「シュリンプだから、きっとエビも入ってる料理だよね」と私。
「8ピースって書いてるから、エビが8匹なのかな?」と彼女。

「そうね、8匹だったら、お腹もふくれるね」と私。
「私はそんなに食べれないから、3匹でいいよ」と彼女。

「じゃぁ、半分こして、食べきれなかったら少しもらうね」と余裕の私。

じゃぁ、この「shrimp cocktail」で決まりだ!
「あの~~、すみません!」

手を挙げて自信たっぷりにオーダーしました。
メニューブックを指差して「これ、1つお願いします!」

「かしこまりました、シュリンプカクテル、おひとつ・・・・ですね?」
「はい、一人前でお願いします」

なんだか、不思議そうな顔をして注文を繰り返し、引き下がったウエイターさんの態度に、少しだけ不安を感じながらも、レストランの調度品などを眺めては感想を話し合っているうちに、shrimp cocktailがやって来ました。

私たちのテーブルの真ん中にシュリンプカクテルが

ドンッ!

・・・と。

いや・・・・・・ちょこんと、置かれたときの衝撃たるや、何と言い表わせばいいのだろう。😲

ええぇぇ~~ッ!もしかして、これがシュリンプカクティルゥゥゥ~?

私は目を皿のようにして、彼女は目を点にして、シュリンプカクテルを凝視したけど、いつまでたっても小さいままで、これ以上大きくならないことはわかっていたので、ふたり気を取り直して食べることにしたのです。

「他にご注文はございませんか?」というお誘いに「何かジュースを頼んだら?」とすすめる私に「ううん、お水でいい」と、結局シュリンプカクテルの1品を、2,000円近くの料金を支払い、二人でシェアして食べたのです。

レストランを出てから
「大恥かいたね?」
「恥ずかしかったよ!」
「笑っちゃうよね?」
「笑える笑える!」
「あれで2,000円は高すぎるね?」
「味もなんてこと無かったよね?」
「他のを頼まなくて正解だったね!」と
負け惜しみなのか、照れ隠しなのか、冷や汗を拭きながら、ふたりでお手々をつないで足早にレストランから遠ざかったのでした。

世間知らずで若かった頃の、純粋なだけが取り柄の、田舎者の夫婦が40年くらい前に体験した、失敗のエピソードでした。

シュリンプカクテルは、メインディッシュじゃないのです!

きっと、そう言いたかったのは、名の知れた高級ホテルのレストランに勤務していた、黒服のウエイターさんじゃなかったでしょうか。😅

身の丈を知るって、ほんとに大事だなぁ・・・。
見栄張って無理しても、見栄は剥がれるもんなぁ・・・。
羞恥心や惨めな思いが、人を優しいオーラで包み込むようになるんだなぁ。

惨めな思いをした数が多ければ、それだけ人にも優しくできるのですね。
悔しい思いをした数が多いほど、人を励ます言葉に誠意がこもり、人に笑われても人を笑わなければ、怒りも生まず差別も無くなるということですね。

そういうことで、結婚式も挙げられなかった私たちが、結婚10年目の記念にと奮発して宿泊した高級ホテルでやっちゃった、若い頃の恥かきエピソードのカミングアウト後編は、これでおしまいです。🤣

この恥かきエピソードは、事あるごとに我が家の食卓で話題にのぼる、懐かしくも初々しさを思い出すエピソードなんですよね。(^_^)b


ってことで、今回は
恥ずかしながらの告白で前菜をてっきりメインディッシュと思い込んだ話の続き」という恥かきエピソードのカミングアウトの後編でした。😅
※見出し画像のイラストは、メイプル楓さんからお借りしました。


では!

恥かいて  絆を深め  のほほんと


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