今月の短歌　23年8月1日～8月15日

トライして一縷の望みに賭けているようでリスタート繰り返してる

吾の内や君の内にて見る真珠ドルフィンキック踊るがままに

朝六時チャーシューマシマシかきこんで一日始まる食と二十代

み空色　積雲泳ぎ似合わないベースボールキャップ被って

祭りだね　花火が眼裏まで届き走れる山車と鰻に山椒

本棚に隠し持ってた夏色のポストカードを飾るマイルーム

サンシャイン「暑い」の数が外気温猫も水場の茶話会止める

夢と獏に魘される事無く起きる蝉がおはよう本日も快晴

51年目を迎えた団体で飢えたチャンプの「光る魔術師」

眠りの音色が聴こえて微睡む過去の整理はアンコントロール

探求は日々を更新するレシピ火照り冷ますは真夜の時にて

爆発が雷（らい）のものだと気付くのに少し怯えては天変地異

さもありなん守破離の離まで見ることが出来ずに今日を仄めかしている

流水よ我は水の師命ある限りバサロを蹴っていくから

右側は霧氷の耳と肩と膝せめて折れない翼が欲しい

逃げ馬が何より好きで夏競馬ターボ全開那由多の先へ

檸檬色をしたあの日を輪切りにしうどんと共にすすすと啜る

まだ太い月をみてふと「おやすみ」と慣れない挨拶ぐるりと廻る

自転車に半ヘル姿垣間見て「フルフェイスにしよ」バイク乗りぼやく

三尺が過去の鎮魂（たましづめ）と共に明るい未来ドカンと乗せて

葉月の夜数刻とだけ居た君の爽やかたる香脳裏を不意に

振り抜いた金属バットの快音が九夏を走る疾風のやう

吾の夢NBAを魅了する八村塁のスーパープレイ

欧州はポピュラーでモダンなインフラ街路を縫いしトラムトレイン

AudiのEVに試乗ハンドルが格納何だこの浮遊感

宵越しの「おはよう」窓もスカイブルー盆だ盆だとコロナ何処へ

ほろ苦い不眠の短夜ほつほつと見えない街の流星群よ

悪夢から覚めて知りゆく現実を何度繰り返せば赦される？

繊細であるがゆえ涙にはいつも甘酸っぱさが溶け込んでいる

ああ恋は図書館をすら導いて学びと出会い共存するパリ

平成を生きた旅路は凄まじく平和であった吾と君は祈る

名作が静かに眠るアーカイブゲーム世代も飽きが来たかな