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熊野三山末社「飛鳥神社」神武天皇兄「阿古師神社/室古神社」眠る【熊野シリーズ】

徐福の伝説も残る「阿須賀神社@世界遺産」の末社と、神武東征時の神武天皇の兄2人を祀る神社!海岸沿いで多くの縄文時代の遺跡がある神社と、神武天皇兄が眠る場所に、神武天皇を助けに行く祭りがあった。

変更履歴
2023/07/21 初版

▼HP、アクセス、祭神

※後述「▼見どころ」参照

▼見どころ

▽飛鳥神社(三重県尾鷲市曽根町610)

 田舎風景で、地元の人しかいないところに来たなと運転しながら左手に現れた。なかなかの雰囲気です!!熊野新宮「熊野速玉大社@世界遺産」の摂社「阿須賀神社@世界遺産」(徐福の伝説も残る神社)の末社として創祀されたと伝えられている。江戸時代には飛鳥明神社と呼ばれ、明治初期までの祭神は阿須賀大明神としていた。

 周辺の地域より縄文土器が大量に出土しているから古さを持つと考えられる。この周辺は、縄文早期から晩期まで続く「曽根遺跡」があり、1000点にも及ぶ土器片や石器類が出土。また、石刀や石剣、垂玉なども見つかっている。

 2022年時点では未参拝ですが、国道42号線の山側にも飛鳥神社があり、そちらは4本杉が有名な飛鳥神社で熊野市の旅行パンフレットはそっちが載っています。ここは違いますので、あしからず。
 住所は「三重県尾鷲市曽根町610」です!!『古事記』や『日本書紀』では、黄泉の国にてイザナギは慌てて逃げ帰ったと記されているが、 一書には、穏やかに「もう縁を切りましょう」と言い、「お前には負けないつもりだ」と言って唾を吐いた。 その唾から生まれた神が速玉男命。次に掃きはらって生まれた神が事解之男としている。

当社の創祀については、詳らかにし難い。しかし、社伝によれば熊野新宮の阿須賀神社の末社として創祀されたと伝えられている。現存している寛永15年(1638)の棟札(尾鷲市最古)に「此宮仁無年歴代々校見来者七百余古宮也」から少なくとも一千年以上、又、当社周辺の地域より縄文土器が大量に出土しているから、更にそれ以上の古さを持つと考えられる。  近世には、産土神阿須賀大明神として曽根を中心に賀田、梶賀、古江の四郷の崇敬をうけている。明治4年(1871)村社に列せられ、同39年(1906)神饌幣帛料供進社となり現在に至っている。
 当社の例祭は祝詞があげられると、各地区の青年達が社前でもみ合い始め、その中に御幣が投げ込まれる。この御幣を取った地区が五穀豊穣、大漁満足となると云われており、皆で必死に奪い合うのが見物である。又、神社樹叢は県天然記念物に指定されており、境内にある楠、杉は樹齢一千年以上と云われている。 

三重県神社庁教化委員会
時空がゆがむ!?歩きながら撮るとたまになるだけです・・

 参道の真ん中に御神木がありますね。

 参道を歩くと石垣が珍しい玉石で囲まれている。ここの神社は参道の突き当りを左手に振り返ると社が見える形式です。古社とか元伊勢がこの様式が多い気がします。

 社殿への門をくぐると殆ど倒れるばかりに前方に傾いた楠の巨木がある。

 根元には潜れそうな穴がある。

 本殿です。後ろにも巨木があるのかなと思いましたが、そうではないようです。原生林なのかもしれません。ちなみに、写真からはそう見えないかと思いますが、この神社は数メートルで海に出られる場所です。

 祭神は、速玉男命、事解男命、ホンダワケ、スサノオ、木花咲夜姫命となっている。

 では神社を後にします。
 参道真ん中にスギとクスノキの巨木があります。社の周りにも圧倒的な巨木がいたる所に見られ、鎮守の杜であることがわかります。

▽阿古師神社&室古神社の二木島祭り

 紀元前663年10月、イワレヒコこと神武天皇一行は、熊野と伊勢の境の「盾ヶ崎」で難破したという。
 ここに漂着した3番目の兄・稲氷命を室古神社(むろこ)に祀り、遺骸は見つからなかったが2番目の兄・御毛沼命を阿古師神社(あこし)に祀った。

残念ながら「二木島祭り」は断絶しました・・

ちなみに長男は和歌山市です。

 二社による例祭「二木島祭」は、二艘の艘船が船子漕ぎ競争を繰り広げるもの。このお祭りは、伊勢大神と熊野大神が酒を酌み交わして捕鯨の様子を再現したもの。また、難破した神武東征を地元の漁民が船で神武天皇を助けに行ったのが始まりとも。

室古神社と阿古師神社から各一隻の関船が湾に出て競漕する。途中,着飾った幼年のオドリコが船のミヨシで舞い,随行船でカツオツリの所作をする。
 五色のまん幕に吹き流しを飾った豪華な関船2艘の競漕で有名なニ木島祭は毎年、11月3日に行われている。船は八挺櫓で、一挺の櫓に4人、総勢約40人が歓声をあげ、太鼓の早打ちにのって、二木島浦の湾の両側にある室古神社と阿古師神社の間を猛スピードで競漕する。また途中で、着飾った幼年のオドリコが船のミヨシで、ゆっくりと舞を舞うとともに、随行船では、少年たちがカツオツリの所作を行い色を添える。祭は古い当屋制を伝えており、当人、賀寿、賀寿伴、サカイキバヤシ、オドリコ等の神役があり、特に当人は次回の祭までに常にスズ(まが玉)を首よりはなさず散髪もせず、ヒゲぼうぼうとして、寒中にあっても朝夕潮垢離をとり厳重な潔斎を行うという厳しいものである。

三重県教育委員会事務局
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/bunkazai/da/daItemDetail?mngnum=730952

 二木島祭りが繰り広げられる二木島湾は、英虞岬と牟婁岬の2つの岬をもち、古くは志摩国と紀伊国の境目でした。
 三重県指定無形文化財である神事は、英虞岬にある“阿古師神社”と牟婁岬にある“室古神社”を巡りながら勇壮な関船の船祭りが繰り広げられていきます。
 祭りの起源は、神武天皇東征の際に、熊野灘で嵐遭った一行を救おうとして地元の住民が早船で向かった様子に由来すると言われており、阿古師・室古の両神社には嵐の折に落命された2人の皇兄(稲飯命と三毛入野命)を祀っているとも伝わっています。また、二木島は古くから鯨漁が盛んな地域であるため、祭りは捕鯨の歴史・文化も色濃く伝えているとも言われています。

今年の二木島祭りの進行は下記のような時間でおこなわれました。
9:00  関船が二木島漁港を出発
9:30  室古神社にて神事
10:30 阿古師神社にて神事
    船漕ぎ競争(室古神社→阿古師神社)
11:55 甫母港
    船漕ぎ競争(甫母港→二木島漁港)
12:30 二木島漁港へ到着 

くまどこ
http://www.kumadoco.net/news_after/view.cgi?no=902

楯ヶ崎もセットをどうぞ。

→阿古師神社(三重県熊野市甫母町609)

 イワレヒコこと神武天皇の兄「御毛沼(みけぬ)命」を祀っている。民家も車道も無い木々と海だけの環境にある神社で、楯ケ崎に向かう途中にある。所要時間は15分ほどの自然道を歩くので、運動靴がよいです。

→室古神社(三重県熊野市二木島町67)

 イワレヒコこと神武天皇の3番目の兄「稲氷(いなひ)命」を祀っている。昔は、ここと阿古師神社で船を使ってのお祭りごとがあったが、氏子の高齢化に伴い歴史に幕を閉じた。三重県立熊野古道センターで祭りの様子が映像で見られます。

→二木島祭り関係

二木島祭変容
http://www.fish-u.ac.jp/kenkyu/sangakukou/kenkyuhoukoku/47/47-1-4.pdf

■室古神社・阿古師神社と祭礼
二木島湾を抱く東西両岬にあり、西は室古神社、東は阿古師神社である。 祭神は室古神社は豊玉彦命、阿古師神社は豊玉姫命、ほかに熊野大神と伊勢大神、日本書紀に著される神武 東征にまつわる稲飯命と三毛入野命の三説がある。 祭典は昭和43年まで毎年旧5月5日と11月2日の二回行なわれていたが現在は11月3日に行なわれている。 古い当屋制を伝え、ショウド、ガズ、ガズトモ、サカイキハヤシ等の神役があり、特にショウドは常にズズ (川柳の枝で作った勾玉)を首からはずさず、朝夕潮垢離(シオゴリ・潮水をあびて身を清めること)など、厳格 な潔斉を行なってきた。 特徴的な行事をあげると、 ◎イケヤジ(イケハチ)宿の招伴と七度半の使い これは宵宮にイケヤジ宿で催すショウド以下神役の小宴で、その席へ当屋から若い衆が提灯を持ち七回迎え に出向き八回目の迎えの途中で神役と出会い当屋に戻るしきたりを言う。 ◎鰹船の随行 祭典当日関船に従い随所で鰹を釣る所作をしながら自地区の関船を応援する船である。 ◎関舟競争 祭典当日両神社の当屋の二隻の関舟(全長14m、幅2.3m、八丁 の櫓のついた和舟で矢来を組み、五色の慢幕を張り、吹流し、 薙刀、槍、天目、傘吹を飾り、舳先近くに太鼓が取りつけられ た舟)に各々約四十人が乗りこみ競漕をする。 八丁櫓による競漕は全国的にも非常にめずらしく、一丁の櫓 に3~4人が取りつき流れるように連係を保ちながら漕がなけれ ばならない。一緒に押し引く動作をおこない、櫓腕に一番近い 人が全力で10回程漕ぐと漕手達の股間を這うようにくぐり抜け 同時に残る3人が櫓腕の方へ順に移動し、この動作をくり返し続 ける。 この芸術品と思われる漕ぎ方が近年後継者不足で危機的状態であり、祭典そのものの隆盛も含め、地域の 内外の人々で力を合わせていきたいものである。 今回発表の機会を与えていただいた関係の方々に感謝を申し上げると共に、多くの皆様に当地を訪れてい ただくことを願って筆をおきます。

熊野古道伊勢路友の会 情報誌
http://higashikishu.org/pdf/isetomo-18-10-1.pdf

▼オマケ:長男は??どこに祀られている?

▼旅行記

▼セットで行くところ

▼仏像展


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