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お前はバカだから将棋指しになれない

表題の写真は、私が中学3年生の時の写真。
何故か自宅にあるアルバムから写メを撮ると、こんな横向きになっ
たが他意はない。

最早悪を通り越し、我ながら言うのも何だが悪魔にしか見えない。

私はこう見えて小学5年か6年のみぎり、大会の名称は忘れたが、
北九州門司区の将棋大会で地区2位になった事がある。

だから小学校を卒業する前だったと思うが親父に
「中学卒業したら
奨励会に行かせてよ。将来将棋指しになりたい」
と言った。

親父の答えはこうだった。

「お前は俺の息子。バカに決まってる。将棋指しなどなれん!」。

当時10歳かそこらの私は、ああそうなんだとしか思わなかった。

子供は深く考えないので、その時は別に何も思わない。

しかし今思えば、将棋指しになってたら、今頃ヘボの初段くらいだ
ろうと思うと、親毎日幸せな毎日を過ごし、息子みたいな従業員と
暮らす今、父の言葉は結果のみなら正しい。

数年前、親父がこんな事を言った事がある。

「あの時、勉強の点数を100点取れば、奨励会に行かせてやるとか
お前に何か条件出せばよかった。そこだけは後悔しとる。」
と。

私は「それは違う。男がたらればを言うもんじゃない」と返したが
今こうして教育を考え、本を出すと色々思う事がある。

私は親父を尊敬していたし、逆らう事もなく、私が中学生でパンチ
パーマをかけたり、私服で学校に行っても怒らなかった。

中学3年の時、無免許で車に乗り、ブレーキとクラッチを踏み間違
え、ちょっとややこしいお方の、黒いセドリックに衝突した。

車の持ち主兼同乗者は、当時21歳のサダマツ君。

サダマツ君は太宰府にある、名前を書いただけで受かるという事で
有名な某大学に入学していた為、太宰府で一人暮らしをしていた。

ぶつけた刹那、サダマツ君と都市高速に乗り太宰府まで逃げ、何日
か様子を見てコッソリ家に帰ると、親父から右ストレート1発で倒
された。

私がぶつけた車の所有者が、大変な相手だった。
つまり、怖い方達の組織のトップの方の車だったそうだ・・・。

この方から、昭和57年のレートで80万を請求され、サダマツ君
の父は一流会社の重役で家が金持ち、と言う理由で60万円、うち
の親父は20万、計80万を怖い事故の相手の事務所に持って行き、
親父が話をつけた。

今思えば実は40万程請求され、怖い相手にソックリ40万を渡し、
残り20万はテメエの懐に入れたのでは?と思わんでも無い。

と、洒落にならない推測はさておき。

中学に入ると当然遊んでばかりで、半分くらいしか行ってない。

2回目の出版した本の末尾に下記の様記したが、私は15歳で暴走族
を殴り大怪我をさせ、それからロクな者では無い道を歩む事とな
る。

「子供が悪いのは親が悪い」 著者:柳原廣一 出版:(統一館出版)より抜粋

ボクシングも空手も、小学生の頃、習わせてと言うと、月謝が高い
からダメ、と言われた。

習字のみが当時、ただ同然の金額なので習い事は毛筆のみ。
これも初段に中々なれなかったので、準初段でやめた。

こう言う教育から、大人になるにつれ私はいつしか「ダメ」と言わ
れると、誰に対しても絶対最後迄、諦めないという著しく極端な性
格になったのでは無いかと思う。

相手が警察でも容赦なかった。
公衆の面前で法律を間違えた制服警官10数人を怒鳴り上げ、口論
の原因となった、警察官1人を謝罪させた事など山程ある。

道往く人に、私がどんな野蛮な人間に映ったか、想像に難く無い。

そういう私の暴力や、口の悪さを、父は口うるさく言わなかった。

これは絶対、間違えた教育である。
うちの親の教育が、悪い事は間違いない。

しかし、ある最後の一線を越える手前に行きかけた時、父と母は、
私の事を最後迄諦めず、体を張り、本当に愛情を持ち接し続けてく
れた。

私は自分の運命を変え、環境も変え、何とか今は北九州で少しは名
前の通った経営者と言えるが、一つ間違えるとどうなっていたか。

家庭において、父は口うるさく言わず、子供がやりたいという事は
「そうか。いいけど途中でやめるなんか言うなら許さんぞ」。
これ位で終わる方がいい。

途中で辞めたら、それは逃げだ、と分からせねばならない。

父は極端に口数が少なかったので、私は常にたまに話す親父の言葉
の意味を考え、且つ言葉の裏を読む癖がついた。

小さな時から、本だけは読んでいたので、今も難しい儒学や、東洋
思考、哲学の本を読むのが楽しい。

東洋哲学の教育論は、完璧な歴史から形成された理論であるから、
記載された事に間違いないが、読み手が解釈を間違えると大変な事
になる。

だから私もどう考え、どうして子供と接すればいいか?という事を
こうして書き綴る様になった。

子供がやりたいという事はやらせた方がいい。
3年位真面目に続けたら、必ず誉めてあげる。

母親は愛情しか与えられず、父親は厳しか与えられないのは、揺る
がす事の出来ぬ、永遠の性である。

また、私は母子家庭の子を数多く育ててきたが、父がロクでも無
い、所謂徳も義も仁もない父なら、いない方がいい場合もある。

母子家庭の子は、母親の愛情と、子供を養う仕事ぶりを見て育つケ
ースが多いので、優しくよく働く子が多い。

そうして社会に出ると、良い師につかせる様にすべきだ。

師の見分け方。これがまた難しい。

だからこそ、書物を多く読ませ、道徳や常識を理解させ、人を見る
目を養わせ、正しい人、正しい行動とは何かを覚えさせるべきだ。

私が表題の写真も様な中学生から、今、何とかボクシングを教え、
児童や青少年の教育をし、経営者でいられるのは、最後まで諦めな
かった両親の愛情と、書物を多く読んだ事。

これ以外にある筈が無い。

人として立派な人と、お金お金で育てられ友達も信用もなく、大人
になり、堕ちて晩節を汚す人。

この二つの差の一つに、上記の事が大きく左右する事は、私自身の
経験と今まで育ててきた子達の、統計学から弾き出した答えであ
る。

これからも、こんな事を考え顧み、書き綴っていきたい。

お父さん、お母さん。ありがとう。






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