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村の昔の生活史

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昭和43年から続く小さな村の広報誌。ページをめくると大野見の歴史や民話、暮らしぶりが記されている。 そこには歴史の教科書に出てくる偉人など一人もいない。
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2023年5月の記事一覧

人と自然が豊かな関係を築くために刃物が必要であるわけ

人と自然が豊かな関係を築くために刃物が必要であるわけ

昭和43年から続く大野見の広報誌に編まれている鍛冶屋の歴史。

鍛冶屋は、都市で生活しているとあまりにもなじみのない職種のように見えるが、数十年前までは町に鍛冶屋がいる光景が当たり前だった。

大野見にもかつては鍛冶屋がいた。その頃の人と刃物と自然が築いていた豊かな関係性にもう一度、目を向けてみたい。

日本における鍛冶の伝来鉄の文化の起源については明らかでないが、おそらくアルメニヤ地方におこった

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生きるための狩猟と楽しむための狩猟。

生きるための狩猟と楽しむための狩猟。

現在、人口1000人を切る旧大野見村にも、かつて狩りの名手がいた。
狩猟を生き甲斐とし、狩猟を愉しみつくしたその猟師の姿は
現役の地元猟師にも重なる。
狩猟を経験している私自身の感触とともに、
娯楽としての狩猟を、どうとらえたらいいのか考えてみた記録。

幕末の土佐藩主に認められた猟師
 東の空が白みかけた朝まだき、凍てつくような霜柱を「サク、サク」ふみしめながら、西に向って進む狩り姿の一行があっ

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