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企業カルチャーを可視化する「メガネ」を考えてみた。

おそらくですが、このnoteで伝えたいことが次の1行で分かる人は分かっちゃうかもしれません。

答えは「あなたは普段、生活維持費以外のお金を何に使っていますか?」です


自分は普段、企業ブランディングに関するお仕事をしています。

その中で、最近とりわけ経営者、人事、転職希望者......など、多くの方が特に気になっているのが「企業カルチャー」のように感じています。

コロナ禍に突入したこともあり、失いかけた「企業への求心力」を高めるため、そうしたセミナーも以前より増えた感覚もありますね。


しかし「企業カルチャー」と一言で言えども、この概念を捉えるのは難しいです。

だって、空気感や体温のような“掴み所のない朧げな企業キャラクター”は見えないし、触れられないから。

しかも参ったことに、「モノよりコト」「自己実現」などのキーワードが多くのメディアを踊るように、可視化されていないものを企業側も個人側も探すことが重要な時代にもなってきています。

とはいえ、言うは易しで、現実に目を戻せば企業・個人の両者とも答えが見えず、「うーん......」と首を傾げている様子に出くわすことがSNSを散歩していると多いなぁと感じます。

例えるなら、以下のようなイメージですね。

・企業側(打ち出す側):「ウチの空気感を上手く言語化できない......」
・個人側(読み取る側):「この企業のカルチャーって何?どこ見ればいいの?自分の価値観に合うの?」


「で、どうすればいいの?」となった時、冒頭の言葉が答えの1つだと最近よく考えます。

つまりは、カルチャーを可視化する“メガネ”です。

噛み砕くと「その企業は儲かった分の利益をどういう方針でどこに使っているの?」を見れば、その企業が大事にしている・守ろうとしているカルチャーの輪郭が見えてくるという意味です。

・メンバー同士の繋がりを強めるために、みんなが集う食堂を作る
・誰もが挑戦できるように、新規事業立ち上げサポート費に充てる
・勉強会費用に充てて、ラーニングアニマルの学習意欲を底上げする
・より“考える時間”を増やすよう、「作業の外注費」を一律支給する
・一人ひとりが愛着を持てる、自分だけのオリジナル名刺を作る


このように、「利益をどう使おうとするか?」の“具体”に企業カルチャーは表れやすいと考えています。

そして、それら“具体”の共通項を抽象化していくと、

・組織の運営方針(そもそも組織はどういう思想で動いているの?)

や、それが更に上段にある企業理念やミッション・ビジョン・バリュー(MVV)、フィロソフィー等といった「企業が何者でどこに向かっているのか?」に基づいていることに気付くことができます。

余談:理念やMVV、最近だとパーパス等の言葉もありますが、それらはあくまで「呼び名」なだけで、各社によってその定義・役割は異なるので注意が必要です。

裏を返せば、「ウチはアットホームです!」と言っているのに、アットホームさを根付かせる・促進するような行動がなければ、「その企業カルチャーは本当?」となる可能性が高くなるイメージですね
(※ただし、「この思想をこれから創っていく段階です」と明示して何かしら行動に移していれば、それは必ずしも嘘ではなくなります。)


しかし、やってみると意外と難しいケースもあるので、よりシンプルに理解・体験できるよう、企業のカルチャーでなく「個人のカルチャーの可視化」を1度試していただくのもオススメです。

というのも、「自分」が纏う空気感やキャラクター、雰囲気やセンス(=企業カルチャー)は「あなたがお金を、どんな目的で・何に・どのように・どれくらい使うのか?」で決まるからです。

・「あの人って、なんかサブカルっぽいよね」
・「あの子って、なんかスポーティで大胆だよね」

この「なんか」を先ほどの“メガネ”で言語化していくと、

着ている洋服、髪型のこだわり、部屋のインテリア、食費のかけ方、趣味へのお金のかけ方、恋愛へのお金のかけ方......

など、上記の具体的行動から、個人のカルチャーの輪郭が段々と見えてきます。

(※この辺りのお話は、以前書いたnoteにも詳しく書いてあるので、ご興味ある方はぜひご一読いただけると理解が深まるかと思います)


というわけで、文字通り1行目に話を戻すと、

カルチャーを可視化する“メガネ”は「あなたは普段、生活維持費以外のお金を何に使っていますか?」でした。

意外とシンプルですが、「お金の使い方」の視点は“カルチャー”というなんとも朧げな輪郭をハッキリとさせる「メガネ」になると思います。

経営者/人事採用の方であれば、改めて「自社がどんなところに・どのように利益を使っているか?」を、

求職者であれば「気になる企業&自分がどのようにお金を使っているか?」を、

それぞれ調べたり言語化してみると、視界が1歩クリアになるかと思うので、ぜひ試していただけたら、

そして企業ブランディングプランナーである自分としても、「思想・価値観で企業と個人での繋がり」が少しでも進めば、大変嬉しく思います。

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