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いつかどこかで見た映画 まとめ

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劇場公開時に見た映画について、そのときどきに書きつづった映画評というよりも「映画をめぐる雑念」集。段落ごとに1行空けるというネットマナー(?)があまり好きではないので、ダラダラと…
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2020年4月の記事一覧

いつかどこかで見た映画 その39 『パークランド  ケネディ暗殺、真実の4日間』(2013年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その39 『パークランド  ケネディ暗殺、真実の4日間』(2013年・アメリカ)

“Parkland”
監督・脚本:ピーター・ランデズマン 撮影:バリー・アクロイド 出演:ザック・エフロン、ビリー・ボブ・ソーントン、ポール・ジアマッティ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジャッキー・ウィーヴァー、ロン・リヴィングストン、ジェームズ・バッジ・デール、コリン・ハンクス

 オリヴァー・ストーン監督の代表作のひとつである『JFK』を公開時に見た時、大方の好評ぶりにもかかわらず、“ある一点”に

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いつかどこかで見た映画 その40 『馬々と人間たち』(2013年・アイスランド)

いつかどこかで見た映画 その40 『馬々と人間たち』(2013年・アイスランド)

“Hross í oss”
監督・脚本:ベネディクト・エルリングソン 製作:フリドリック・トール・フリドリクソン 出演:イングヴァール・E・シーグルソン、ステイン・アルマン・マグヌソン、キャルタン・ラグナルソン、ヘルギ・ビョルンソン、シグリーズル・マリア・エイルスドティール、フアン・カミーリョ・ロマン・エストラーダ

 もうふた昔まえになるか、馬関係の本をかたっぱしから読みあさっていたことがある。

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いつかどこかで見た映画 その41 『サクラダリセット前篇・後篇』(2017年・日本)

いつかどこかで見た映画 その41 『サクラダリセット前篇・後篇』(2017年・日本)

監督・脚本:深川栄洋 原作:河野裕 出演:野村周平、黒島結菜、平祐奈、健太郎、玉城ティナ、恒松祐里、 吉沢悠、大石吾朗、八木亜希子、 及川光博、加賀まりこ

 山田宏一氏の名著『友よ 映画よ/わがヌーヴェル・ヴァーグ誌』のなかに、ゴダールがフランスの映画業界誌に寄せたというこんな一節がある。
《わたしはこんな夢を見た。一大フランス映画会社というものが存在していて、そこでおこなわれる大事業のカタログ

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いつかどこかで見た映画 その42 『カウボーイ&エイリアン』(2013年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その42 『カウボーイ&エイリアン』(2013年・アメリカ)

“Cowboys & Aliens”
監督:ジョン・ファヴロー 脚本:ロベルト・オーチー、アレックス・カーツマン、マーク・ファーガス 原案: ホーク・オストビー、マーク・ファーガス、スティーヴ・オーデカーク 撮影:マシュー・リバティーク 出演:ダニエル・クレイグ、ハリソン・フォード、オリヴィア・ワイルド、サム・ロックウェル、アダム・ビーチ、ポール・ダノ、ノア・リンガー、アビゲイル・スペンサー、バッ

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いつかどこかで見た映画 その43 『シャニダールの花』(2013年・日本)

いつかどこかで見た映画 その43 『シャニダールの花』(2013年・日本)

監督:石井岳龍 脚本:じんのひろあき、石井岳龍、田中智章 出演:綾野剛、黒木華、刈谷友衣子、山下リオ、古舘寛治、伊藤歩

 おそらく、伝説的な8ミリ自主映画『高校大パニック』や『狂い咲きサンダーロード』、『爆裂都市』あたりからその映画を見続けてきた者と、『エンジェル・ダスト』以降の作品で石井聰亙作品を知った者とでは、この監督に対する印象はまったく異なっているのではあるまいか。初期の、まさしく映像そ

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いつかどこかで見た映画 その44 『旅のおわり世界のはじまり』(2019年・日本=ウズベキスタン=カタール)

いつかどこかで見た映画 その44 『旅のおわり世界のはじまり』(2019年・日本=ウズベキスタン=カタール)

監督・脚本:黒沢清 撮影:芦澤明子 出演:前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生、アディズ・ラジャボフ

 黒沢清監督の最新作は、そのタイトルを『旅のおわり世界のはじまり』という。ーーそう聞いて、これまでこの鬼才の作品に親しんで(あるいは“震撼”させられて)きた者は、思わず「おおっ!」と感嘆符つきでうなずくか、「ええっ?」とこちらも感嘆符つきでとまどうことになるのではあるまいか。なんとなれば、黒沢清

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いつかどこかで見た映画 その45 『しあわせはどこにある』(2014年・イギリス)

いつかどこかで見た映画 その45 『しあわせはどこにある』(2014年・イギリス)

“Hector and the Search for Happiness”
監督:ピーター・チェルソム 脚本:マリア・フォン・ヘランド、ピーター・チェルソム、ティンカー・リンジー 出演:サイモン・ペッグ、ロザムンド・パイク、トニ・コレット、ステラン・スカルスガルド、クリストファー・プラマー、ジャン・レノ、ヴェロニカ・フェレ、クリス・ゴーシャー、伊川東吾、ジェイコブ・デイヴィーズ、チャド・ウィレット

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いつかどこかで見た映画 その46 『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008年・スウェーデン)

いつかどこかで見た映画 その46 『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008年・スウェーデン)

“Låt den rätte komma in”
監督:トーマス・アルフレッドソン 脚本:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ 出演:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナー、ヘンリック・ダール、カーリン・バーグクィスト、ペーテル・カールベリ、イカ・ノード、ミカエル・ラーム、カール・ロバート・リンドグレーン

 まず、タイトルからは想像しにくい

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いつかどこかで見た映画 その47 『サイドカーに犬』(2007年・日本)

いつかどこかで見た映画 その47 『サイドカーに犬』(2007年・日本)

監督:根岸吉太郎 脚本:田中晶子、真辺克彦 原作:長嶋有 出演:竹内結子、古田新太、松本花奈、谷山毅、ミムラ、鈴木砂羽、トミーズ雅、山本浩司、寺田農、松永京子、川村陽介、温水洋一、伊勢谷友介、樹木希林、椎名桔平

 芥川賞作家・長島有のデビュー小説を映画化した『サイドカーに犬』について、監督の根岸吉太郎自身は《「夏休み」と「謎の女」の映画》だとコメントしている。「夏休み」と「謎の女」ーーつまりこれ

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いつかどこかで見た映画 その48 『乱暴と待機』(2010年・日本)

いつかどこかで見た映画 その48 『乱暴と待機』(2010年・日本)

監督・脚本:冨永昌敬 原作:本谷有希子 音楽:大谷能生 出演:浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之

 映画を見る時、ぼくたち観客は登場人物の誰かに多かれ少なかれ感情移入するものだ。だからこそ、ヒロインが難病で死んだりすると主人公といっしょになって涙を流し、数々の苦難を乗りきったヒーローとともに快哉を叫んだりする。あるいは『13日の金曜日』シリーズみたく、残忍な殺人鬼が頭の悪そうなティーンエイジャー

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いつかどこかで見た映画 その49 『LBJ ケネディの意志を継いだ男』(2016年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その49 『LBJ ケネディの意志を継いだ男』(2016年・アメリカ)

“LBJ”
監督:ロブ・ライナー 脚本:ジョーイ・ハートストーン 出演:ウディ・ハレルソン、マイケル・スタール=デヴィッド、リチャード・ジェンキンス、ジェフリー・ドノヴァン、ジェニファー・ジェイソン・リー、C・トーマス・ハウエル、リッチ・ソマー、ビル・プルマン

 アメリカ合衆国の第36代大統領リンドン・B・ジョンソンといえば、「理想の英雄[ヒーロー]」ジョン・F・ケネディと「世紀の悪役[ヒール]

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いつかどこかで見た映画 その50 『ドラフト・デイ』(2014年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その50 『ドラフト・デイ』(2014年・アメリカ)

“Draft Day”
監督:アイヴァン・ライトマン 脚本:スコット・ロスマン、ラジブ・ジョセフ 出演:ケヴィン・コスナー、チャドウィック・ボーズマン、ジェニファー・ガーナー、クリス・バーマン、デイヴ・ドナルドソン、パトリック・セント・エスプリト、シャイ・マクブライド、ディオン・サンダース、テリー・クルーズ、アリアン・フォスター、フランク・ランジェラ、デニス・リアリー、サム・エリオット、ロザンナ・

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いつかどこかで見た映画 その51 『ルームロンダリング』(2018年・日本)

いつかどこかで見た映画 その51 『ルームロンダリング』(2018年・日本)

監督:片桐健滋 脚本:片桐健滋、梅本竜矢 出演:池田エライザ、オダギリジョー、渋川清彦、健太郎、光宗薫、 木下隆行、奥野瑛太、つみきみほ、田口トモロヲ、渡辺えり

 マネーロンダリングといえば、麻薬や脱税、粉飾決算などの不正資金を、その出所をわからなくするために銀行口座を転々とさせること。マフィアや国際テロ組織による大がかりなマネーロンダリングの摘発が報じられたり、小説やドラマのなかでもしばしば取

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いつかどこかで見た映画 その52 『ブラックブック』(2006年・オランダ)

いつかどこかで見た映画 その52 『ブラックブック』(2006年・オランダ)

“Zwartboek”
監督:ポール・ヴァーホーベン 脚本:ポール・ヴァーホーベン、ジェラルド・ソエトマン 出演:カリス・ファン・ハウテン、トム・ホフマン、セバスチャン・コッホ、デレク・デ・リント、ハリナ・ライン、ワルデマー・コブス、ミキール・ハースマン、ドルフ・デ・ヴリーズ、ピーター・ブロック、ディアーナ・ドーベルマン

 どうやら批評・興行ともにパッとせずに早々と消えてしまった感があるけれど、

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