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谷古宇 時生
2020年5月7日 21:30
明け方の街並みは、西暦2300年、人類滅亡後のディストピアに似ている。ぴたりとくっついた二つの影。新築のマンションも、戦前に建てられた家屋も、遠い未来を起点にすれば大差ない。通り過ぎた公園の遊具に貼られた『5/6まで使用禁止』のテープ。散歩は人が動き出さないうちに。できるだけ、ゆっくり、ゆっくりと歩く。生後5か月の息子・時生(ときお)は、花や緑や、停まっている車、そして風そのものに目
2019年12月22日 19:37
きみの名前は、「一生(いっせい)」と言います。これは、きみだけに宛てた手紙です。 これからきみが大きくなって、自分の道に迷ったとき、静かにでも確かに、内から温かい力をもらえるように、きみの名前の由来を記しておきます。「ひとつの生、ひとつの命。君だけの一生を。」 それがパパとママがきみの名前に込めた、シンプルで、たったひとつの願いです。 ◆ひとりの人間の生は、長いようで短いものです