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谷古宇 時生
2019年10月5日 18:55
職業柄、胡散臭い連中には慣れていたー。その男、荒城国之の職業は、探偵だった。荒城は調査依頼の一環で、都心部のある地域にここのところよく出向いていた。再開発が進んだこの街は、行くたびに店構えが変わっている。よくもまあこの短期間のうちに古い馴染みの店が潰れ、新しい店やサービスが生まれるものだ。荒城は雑踏を歩きながら、人々の栄衰について思いを馳せた。メインストリートから一本外れた裏通りを歩