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visvimというブランド2
メモにずっと残っていた記事を編集してリリースする試み。
※余談だがお蔵入りになった記事って10本くらいあってその中の一つ。
中々筆が進まなくて困る。
※今回は2022年1月ごろのメモを編集して今回リリースする。2年前ということの時間軸を考慮して読んでいただきたい。
ただ今でも面白く読めるように情報の補完を施して満を持します。
好評につき第二弾を描くことに決めました。
第一弾は下記。まだの方は是非に。(有料記事を進めるのはなんとも気が進まない)
↑何度も更新して少しずつ文章を肉付けして今に至る。
5年も前に書いたのか。(2019年に書き始めてた)
そして、思いの外反響があって非常に嬉しいところです。
ここだけの話、いろんな人に購入いただき、自分のnoteを続けるきっかけとなっています。
noteの有料記事が売れることよりも嬉しいことはなくて。
心が躍るとはこういうことなんだなって。
わざわざお金を出して購入してくださった方は、
買う前に迷って。何度も吟味して。
「お金を払うという尊い行為」をしてくださるわけで。
(自分も余程の記事じゃないと買わないので気持ちわかります。購入いただく機会が増えてきたので、以前より積極的に買うことも増えました。)
本当に感謝しております。この場を借りてお礼申し上げます。noteを通じて、少しでもvisvim含め、洋服の魅力を伝えられることが嬉しくあります。
私自身も知識を常にアップデートしておりますので、
都度チェックしていただけるとより楽しめるかと。文体がおもしろいと感じてくださった方は他の記事も是非よんでいただけると幸いです。(本当に無料記事で良いです)
この辺りにして。
故の第二弾。
前回はvisvimのプロダクトに焦点を当てて書いたけど、
今回はvisvimの誇る加工技術、伝統技術ついて書いていきたいと思う。
それでは始めます。
まずはこの動画から。
何回見たかわからないMr.Porterの動画。
まずはこの動画から視聴してください。
※とりあえず1週間は様子見でフリーでリリースしますので今のうちに読んでいだだけると嬉しいです。100viewを超え次第、有料記事に変更します。
○ビズビムの特筆すべき点
加工技術について説明する前に、
簡単にvisvimというブランドがプロダクトに対してどれだけ拘っているかについて書いていきたいと思う。
ビズビムに関する聞いた話をいくつかご紹介。
こういう話は本や雑誌に書いてあることではなく、あくまで街で集めた話のため、あくまで裏付けは無いので悪しからず。かと言ってつまらない話ではない。
ケース①表参道Long Beach(古着屋)の店主との会話
<Long Beach>
以前かなりの頻度で行っていた。
レディース古着がめちゃくちゃ強くて、
ここの入荷日は、びっくりするくらいおしゃれな洋服が入荷してくる。
その時たまたま店主の方と話す機会があり、その会話の中で心に刺さった一言。4年前くらい。
「あそこは畑からコットンつくってるからね」
農家と契約して畑からコットン栽培を行なっているブランドなんて聞いたことがない。ましてやジャパニーズブランド。
良いものを作るとき、それこそ食べ物を作るような感じで、綿を畑から育てるという思考回路がこのブランドの底のなさを評言していると思う。
これも後述していきたいと思う。
デザイナーの中村ヒロキが恐ろしいくらいのギーク(オタク)ゆえである。
そして拘りはここにとまらない。
ケース②visvim store店員との会話
店頭に置いてある、2
00万円のムートンジャケット(patton coat)を見てた際、
店員さんとの生産過程の話
![](https://assets.st-note.com/img/1718456082631-wvinTdHKJY.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1718456199166-Y6Nc3a2otF.jpg?width=800)
なんでこんな高いんですか?という
ハイブランドでは絶対できない禁断の質問をした時の店員の回答がよかった。
「この服は世界を飛び回っているんです」
「え、どういうことですか?」
という質問についてとても丁寧に答えてくれた。
どうやら、
made in Italyという表記は最終工程はイタリアだというそれだけの意味。
縫製は日本、染めは日本、素材はアメリカだったりと、
一つの服が出来上がるために色んな国を巡っているということらしい。
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国ごとに得意な分野があり、日本でもできない技術が世界にはあり、世界のどこにもできない技術が日本にあったり。
一つの国では完結できない、させない拘り(こだわり)こそが上代を天井まで引き上げているというわけ。まさにクレイジーである。
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そんなに手間と時間がかかった服も、よく話を聞いたりしないと「何この服、高くね?」の一言で終わらせられてしまう。
「なぜこの服はここまで高いのか」と考えることで、その服の生産工程までの話を聞くことができる。というか、この質問を聞いてしっかり答えられる教育が素晴らしいと思った次第であります。
ケース③ある古着屋の話
FBTと呼ばれるモカシンブーツ。
これに対して、古着屋さんの見解としては、
「本当にどこかの民族が履いていた靴をそのままリリースしてファッションにしてしまうvisvimのブランド力がすごい」
今でこそ当たり前に民族衣装からインスピレーションを受けたプロダクトを
どこのブランドでも出しているけど、ビズビムはだいぶ早かった。
2000年初頭にはもうすでにやっていたっていう。
もう20年も前の話か。FBTのゴローズカスタムはいつ見てもかっこいい。
![](https://assets.st-note.com/img/1718456439464-BlhQYCZZok.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1718456439502-2JJxxHlLbx.jpg?width=800)
実際にカスタムされた方の事例も紹介。
※あるマーケターの視点さん、掲載許可ありがとうございます!
○Visvimの加工について
ここが前回とは違う大きな部分。
プロダクトに関する紹介ではなく、加工や技術についての部分を深掘りしたので是非楽しんで読んでいただければ幸いである。日本古来の技術がこのブランドにはつまっている。
★泥染
絹糸の蚕白質の上にシャリンバイ(バラ科の植物)に含まれているタンニン酸色素と泥田の中の鉄分(酸化第2鉄)等が化学結合を85回以上繰り返し染色することにより堅牢(色落ちしない)で深く光沢のある渋い黒色に染まることです。
絹の美しい光沢は動物性、シャリンバイ染の柔らかさは植物性、鉄分による鉱物性の3つの特徴を兼備えた強い繊維になりしっとりと柔らかな肌触りは親子3代譲り受ける事ができる世界で類を見ない染色技法が奄美大島紬の泥染です。
大島紬とは、鹿児島県南方にある奄美群島の伝統工芸品。深い黒に加え、緻密な染めと織りの技術で知られる、日本が誇る絹織物の最高峰のひとつです。
正倉院の書物の中に“南方から赤褐色の着物が献上された”という記述があるほど。1300年前にはすでに奄美では文化として根付いていたと言われています。
着物に使われる技術を、現代の洋服にアップデートさせるということがvisvimの凄いところである。手間がすごい。
★型擦染
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この捺染の一つで、生地の上に型を固定してから、へらではなく刷毛を使って染料を摺り込んで染める方法を「型摺り染め」と言い、色糊を用いた捺染に比べ、職人の高い技術が必要とされる染色方法とされています。型摺り染めは「江戸更紗」や「型友禅」などで用いられる染色技法で、図柄の模様や色彩に合わせて必要な数の型紙、大小様々な丸刷毛を用意し生地に直接染料を摺り込んで色を入れていきます。
以前、広島のトランクマーケットの際の写真が残っていたので。
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★天然染(藍染)
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古くから世界各地で行われてきた歴史のある「藍染め」は、天然染色を代表するものの一つ。蓼藍(たであい)などの植物に含まれる色素を利用した染色方法ですが、その染料の作り方は、同じく植物から色素を得る「草木染め」とは大きく異なります。
「草木染め」の多くは、植物から水溶性の色素を煮出して染料を得るのに対し、藍色の色素である「インディゴ」は不溶性。染料を得るにはアルカリ還元で色素を溶解する必要があり、この「藍染め」特有の工程を日本では「藍建て」と言います。
結局この藍染が一番好きかもしれない。
青という色が好きだし、天然染と呼ばれるこのプロダクトに毎回心を躍らされる。
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★天然染(コチニール染)
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コチニールとは主にメキシコなどの南米地区で採取されるオウギサボテンにつくカイガラムシの一種で、別名臙脂虫ともいい、臙脂色の色名の由来となっています。かつて日本でも栽培(養殖)を試みましたが実用に至らなかった過去があります。現在でもメキシコやチリなどの南米から輸入し染めています。
アルミニウム塩によりレーキ化したコチニールからコチニールレーキという赤色顔料が作られ、クリムゾンレッド、カーマイン、臙脂という色として使われてきました。
色は赤に染めることができる。
ポイントはカイガラムシ。
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カウチンセーター
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これに対するsilver magazineの論稿が面白かったので。
★京友禅
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着物の技術。
これこそがビズビムの真骨頂かもしれない。
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気の遠くなるような作業を経て誕生するプロダクト。一気に心を掴まれる。1着の服にここまでやるか?っていうくらいのスピリット。
これタイムレスな服作りに挑戦しているビズビムは本当に究極なのかもしれない。語彙が出てこない。
最後に
正直最近のビズビムを追いかけているわけではないので少し情報は古いかもしれないが、やっぱりこうやって書いてるだけでワクワクするので「心躍るプロダクト」を作れるのって大量生産に逆行した、
手作りや時間をかけることの素晴らしさ故だろう。
タイムレスな服はそれこそ長く使えるだろうし、サスティナブルという概念。
時代がやっと追いついてきた感じがする。
というわけで久しぶりに長文の記事を、
この6月という一年の中でも雨の多い憂鬱な月にリリースしました。
ぜひ楽しんでもらえると、
この記事の為に費やしてきた時間たちも報われるのでは無いかと。
リリースまでに2年もかかっている ※完全に自分の怠惰です
第三弾をかけるほどのやる気はおそらく出てこないと思うので、
この二作目をもって一旦ビズビムに対する話は終わりとさせていただきます。
だけどこれからもずっとアップデートをしていきますので安心してください。
放置はせずに記事を育てていきたいと思う。パティーナ。
みなさま。ここまでお読みいただきありがとうございました。
下記に記事本文に入れることができなかった画像たちと一緒にお別れです。
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