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2023年はQPさんとスタート【#34マッチングサイトリポート】

到着したその日


初日のディナーを堪能したあとは生バンドの演奏を楽しみながら飲みました。すでに食事しながら何杯もワインをいただいていたのですが、せっかくバハマだからと、"バハマママ"でさらなる乾杯です。

リゾートの客層はほぼ米国人のようです。現地の人々は85%がアフリカ系黒人ということもあり、わたしがふだん暮らしている白人社会とはあきらかに異質な雰囲気が漂っています。とはいえ英語圏なので、わたしが夫婦でよく行っていたカンクンリゾートよりも異国情緒はうすいです。

二人でバンド演奏を聴きながら、

「選曲が完全に米国人観光客に合わせている感じよね?」

カリビアンリゾートでもメキシコならばラテンの曲が多いし、ジャマイカあたりだとレゲエですから、音楽を聴いてもリゾートライフの雰囲気がまったくちがってきます。

QPさんもわたしに負けないぐらいの音楽好きです。聴くジャンルはちがうものの、音楽を楽しめる感性はしっかりお持ちなので、わたしたちはよくお気に入りの音楽情報を交換するようになっていました。

音楽は旅の思い出を呼び起こすひとつのツールとしても後々に大きな役割を果たしてくれます。滞在中にどんな音楽を耳にしたかはけっこうわたしたちにはたいせつなことです。

米国人観光客に受けるような曲をどんどん演奏してくれるので、まず知らない曲は出てきませんから、ライブ音楽と共にほろ酔いで気分はサイコーです。

4ヶ月前にマッチングサイトで知り合った男性と、バハマでお酒を飲みながら語り合って笑っている目の前の光景が今も信じられない不思議な感覚です。

心地よく酔いがまわったところでバハマでの一夜が終わりました。

明日は大晦日です。


2022年最後の日


目が覚めると外はブルースカイ。冬のミシガンではなかなか拝めない空の色の下、太陽でキラキラ光る海が広がっています。ちょっぴり昨夜のアルコールが体に溜まっていると感じられるものの爽やかな目覚めです。

あ〜来て良かった!!

ホワイトサンドでとても穏やかなビーチ

とりあえずQPさんは横においといても、目の前に広がる景色を見ただけでほんとうに幸せな気分になりました。

QPさんとは相変わらずぎこちない関係なので、必要以上に接近することもなく、かといって離れていることもない程度の距離感でビーチでのんびり過ごす第一日目がスタートしました。

せっかくバハマという初めての国ですが、あちこち観光してまわろうという気配はQPさんからは感じられません。当初は、趣味の写真を撮る旅と聞いていたのに結局、重いからスマホだけでいいや!!とカメラ一式は置いてきてしまいました。

「観光とか興味のあるアクティビティはあるの?どうしたいの?ブタはどうする?」と尋ねると、How about you? と聞き返されてしまいます。

ブタというのは、バハマではブタといっしょに泳ぐというツアーがかなり人気なのです。

「ボクはのんびりすることが目的だから、行きたいところ、したいことは特にないからあなたに合わせますよ」といいます。

実はわたしもリゾート旅に、観光は求めていません。何もせずに空と海を眺めながらゆったり過ごせればそれで満足なのです。

「わたしは何もしないで過ごすことに対してお金を払ったのよ」

「ボクもだ。それは合っていて良かった」

彼がリゾートの旅を最後にしたのは、2019年のバレンタインデーで、元ワイフとジャマイカに四日間の旅をしたそうです。ただ、元ワイフはびっしり予定を立てて動き回る行動派な人だったので、リゾートなのにのんびりどころか忙しい旅だったと苦笑い。

QPさんは自分でもテイクよりギブの人というだけあり、自分が引っ張るというより、相手に自分を合わせるタイプのようです。わたしもどちらかといえば合わせる側の役で長年生きてきたので、双方が相手の意向を確かめては行動しようとするので、「どうしよう?」「どうする?」って感じです。

でもふたりとも「したいことは、何もしないこと」だとわかったので、「こりゃあ話が早い」と、そのままビーチで一日中カクテルやビールを飲みながら、おしゃべりしたり、昼寝したり、ときには二人で無言のまま波音を聴き、海風を感じながら太陽を満喫する時間を過ごしました。

飲物がなくなると、どちらともなく次は何?とお互いに聞いてはどちらかがプールサイドバーに取りに行きます。

昭和男の夫と旅をしているころは、飲物がなくなると気づいて運んで来るのはわたしの役目ってことが多かったので、「まだまだプリンセスモードになるのはわたしは下手だな」とひとりでクスッとしてしまいます。

初日をビーチでたっぷり過ごし、QPさんとの距離のとり方をあまり意識しなくなりました。おしゃべりを始めると飽きずに会話は続きますが、かと言って無言でもだいじょうぶ。彼はもともと静かな人なので、気遣い無用でほんとうに人を疲れさせない人だなと感じ始めました。

夜はバハマでカウントダウン


大晦日のこの日は、カウントダウンの盛大なパーティが開かれました。ディナーもローストされたロブスターが食べ放題と豪華です。残念なのはQPさんは甲殻類アレルギーでその種のものは好きなのに食べられません。

ディナーのあとは、ファイアー・リンボーダンスなどのショーを見て、さらにライブ・バンドでダンスを楽しみ、カウントダウンと同時に海では美しい花火が打ち上げられて2023年を迎えました。

ファイアーダンスと海の上に浮かぶ花火

太陽があるうちは思い切りビーチでのんびりと過ごし夜は、2022年最後と2023の始まりを祝う、いつもとちがうワクワク感がある素敵な1日となりました。

QPさんの素性を探りつつ過ごしていますが、未だ「これはちょっと」というネガティブな要素は欠片もみつかっていません。それどころか、あまりに穏やかな方なのでいっしょにいるだけで心地よさと安らぎを感じはじめています。

長時間をいっしょに過ごしてみてだんだんわかってきたことです。




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