「きみはオフィーリアになれない」 安達凛子 後編 #025
「ちょっと着替えを持ってきます。とりあえず、中に入ってください」
ばたばたと駆け出し、寝室からとりあえずの着替えをもってくる。美奈がラフな格好をしているので、そんな程度のものでいいだろう、と思った。美奈は黙って部屋に入ってきて、しばらく茫然自失としていた。とりあえずの着替えを手渡し、寝室で着替えてくるように促す。さっきまでの、美奈に対して抱いていた恐怖心もだいぶやわらいでいた。後ろ姿を見ながら、こんなに小柄な人だったっけ、とぼんやり思った。
ひとまず落ち着いた美奈をダイニ