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逞しき中国庶民の列伝

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政府の奴らと一般庶民は別物!と開き直り逞しく生きる中国庶民達。リアルに見た人民達の姿とその考察をお伝えします。
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記事一覧

中国にて、捨てた服の行方

中国にて、捨てた服の行方

これは私の中国にいた頃の友人の話です。

あるとき日本に帰国して新しい服を大量に買ってきたそうです。そこで流行りか廃れたり飽きた服を纏めて捨てて、リビングで寛いでいたら外から見知らぬ人の声が。

「日本の服いらないかい?ほら日本語がここに書いてあるだろ?まとめて買って行かないかい?」

どうやら通りすがりのおばちゃんが拾って売っていたそうです。

こういう逞しく生きる悪気の無い人、結構好きです。

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中国永住ビザを断った件

中国永住ビザを断った件

かれこれ10数年前、上海で暮らしていた時の話です。

「やぶのねさん、中国永住ビザを取りませんか?」
勤務先の外国人就労ビザ更新をサポートする会社の担当者からそう言われました。

そもそも中国の就労ビザは就労先の勤務証明があれば普通に更新出来たのですが、途中から一度必ず外国人就労者本人がビザセンターに赴き公安のチェックを受けるように変わりました。
今の法律はどうなっているか知りませんが、当時は就労

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中国の取り敢えず検温

中国の取り敢えず検温

試験勉強に疲れたので久しぶりに中国の一般庶民ネタを軽く書くことにします。

日本でも恒例化した検温。15年以上前のことでしたか、SARSが中国を中心として猛威を振るいました。幸いにして7ヶ月くらいで終息宣言が出ましたが、最初はかなり行動を制限されました。次第に発熱が無ければ市や省を跨いでの移動も含め客先に行くことなども出来るようになりました。

コロナと違いSARSは感染したらすぐ発熱するので検温

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なぜ中国人は声が大きいのか

なぜ中国人は声が大きいのか

これ、よく聞かれるので面倒なので書いておきます。

中国人の声が大きいのはただの文化の差、あと個々人の癖です。

もしこれを読んでいる方が中国にいるなら、そういう国なので諦めて慣れて下さい。

日本含め中国から見た第三国にいる人は、この国では静かにするべきだと伝え、今いる国の文化にちゃんと合わせて貰いましょう。その国にいる以上はその国のやり方に合わせるのは最低限のマナーであり礼儀であるからです。

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絶対に譲らないコールセンターのお姉さんの話

絶対に譲らないコールセンターのお姉さんの話

中国は通販大国。らしいですね。

らしいというのは違法サイトも多く胡散臭いので私、基本は店頭での人間の五感を駆使したお買い物しかしたことがありません。アリババすら使ったことがないので中国の通販はよく分からないのです。

中国が通販大国になったのはITに強い人が多く、パソコン一台から起業する人が多いからでしょう。誰もが知る大手に就職しても辞めて起業して失敗したらまた就職してお金貯めて、という人も多く

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中国人民による青空裁判

中国人民による青空裁判

上海に暮らして2年目のある日、私は中国最強であろう人民裁判を体験しました。裁判官はなんてことはない通りすがりの庶民、場所も裁判所でなくオフィスビル前です。

いつもの平日、私は営業先から会社が入居するビルにタクシーで帰社し、料金を支払いタクシーを降りようとしていました。

折しも夕方、ビルの車寄せ付近は車がごった返していました。私の乗っていたタクシーは降りるとき、前の車と車間が空いたのでビル警備員

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ニセ札という名のババ抜き

ニセ札という名のババ抜き

ある日のこと、腕時計の電池が切れたため上海の繁華街の時計屋で電池交換をして貰いました。

お財布から50元札を出して支払いをしようとしたところその店員、

「これ偽札じゃないの!!」

と怒鳴りました。最初は相手は私が確信犯だと思って怒鳴ったわけですが私がビックリして、

「え…、偽札?なぜ偽札だと分かるんです?」

と言ったところ、私が外国人だと分かり、やおら店員が集まって来て親切に偽札の特徴や

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猫を食べてしまった話

猫を食べてしまった話

愛猫家が多いので最初に断っておきます。

食べようと思って食べたのではなく、恐らく食べてしまったであろうというお話です。でも99%くらいの確率で食べてしまいましたごめんなさい。



中国留学時代のこと、私はとても貧乏でした。お金はそれなりに持っていましたが脱サラしているのでいつ何があっても困らないように月200元(日本円で3,000円相当)で暮らしていました。

ある日、留学先の大学から最寄り

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