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中国永住ビザを断った件

かれこれ10数年前、上海で暮らしていた時の話です。

「やぶのねさん、中国永住ビザを取りませんか?」
勤務先の外国人就労ビザ更新をサポートする会社の担当者からそう言われました。

そもそも中国の就労ビザは就労先の勤務証明があれば普通に更新出来たのですが、途中から一度必ず外国人就労者本人がビザセンターに赴き公安のチェックを受けるように変わりました。
今の法律はどうなっているか知りませんが、当時は就労年数など勘案すると中国に不動産を持てば永住ビザを取れたらしいのです。

当時、私は傍目に見れば中国滞在年数が二桁になるのも時間の問題か、という感じだったようです。当人は全然その気はありませんでしたが。
でも私はどのみち日本へ帰るつもりだと答えました。流石に長年住んでいるとあからさまな日本人差別はあまり受けなくはなっていました。でも微妙な嫌がらせは恒常的にありましたし、盗聴、尾行、何より中国政府の非業を見ていた私は中国の暮らしを切り上げるのも時間の問題だと腹を括っていました。実際、日本に本帰国出来て本当に良かったです。

経緯はこちらからどうぞ↓

でもそこは食い下がる担当者氏。
「あとは不動産を取得すればいいんです!友人が不動産屋をしていますから紹介します、やってみましょう!」
人の意見をスルーで自分の意見を言うのは中国人の常です。だから私も負けずにはっきり言います。
「私は絶対日本へ帰るの!あなただって異国で頑張って錦を飾ったら家族の待つ祖国へ帰る、そうでしょう!?」
そう言ったらそこは家族を何より大事にする中国人、黙って下を向いてしまいました。

あれからずいぶん経ち、私も仕事オタクから脱却し、中国も随分変わったようです。もはや中国に行こうとすら思わなくなりました。思えば遠く来たものです。

永住ビザ、取らなくて良かったです。どうせ高い手数料などを取られたと思います。

それにしてもあの担当者、私の勤務していた会社の手配したビザサポート会社の人間ですから会社と会社の付き合いだった筈です。それなのにちゃっかりそれを利用して片っ端からビザセンターに同行した外国人就業者に営業して自分の副業にしていたんでしょうね。

BtoBをCtoCへ高速変換。逞しいものです。


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