見出し画像

絶対に譲らないコールセンターのお姉さんの話

中国は通販大国。らしいですね。

らしいというのは違法サイトも多く胡散臭いので私、基本は店頭での人間の五感を駆使したお買い物しかしたことがありません。アリババすら使ったことがないので中国の通販はよく分からないのです。

中国が通販大国になったのはITに強い人が多く、パソコン一台から起業する人が多いからでしょう。誰もが知る大手に就職しても辞めて起業して失敗したらまた就職してお金貯めて、という人も多く、その筆頭の一つがIT関連でしたね。独立心が強いのでしょう。起業、転職し過ぎて一体どこで何をしてるか分からなくなった中国の友人も多いのですが多分逞しく生きていることでしょう。

中国でITが強い要因にはコンピューター用語をちゃんと中国語に落としてるからという説もあります。新語には変わりありませんがちゃんと訳しているのは偉いと思います。

それと比べると日本のIT用語は英語をカタカナに変えているだけのものが多いので業界外の人間は困りますね。それでもIT化は容赦なく進みますから蚊帳の外の人間は毎日のようにググらなければなりません。IT関連のイキッた人の言葉の分からないこと分からないこと。IT会社のホームページの痛い社長のご挨拶とか見てるともはや日本語にも英語にもなっておらず、他者に伝わらない文章の不思議を見物してニヤニヤ笑っている意地悪がここにいます。

閑話休題。

中国の通販音痴な私でも春節になると通販を利用する機会がありました。春節に会社からお年玉兼福利厚生としてお買い物カードが配布され、そこに纏まった金額が入っていて提携の会社やデパートでお買い物が出来るシステムになっています。QUOカードみたいなものです。中国国営企業との合弁会社にいるときよく貰いました。

とある年の商品カードは決められた商品リストがあって、コールセンターに電話して好きなものを頼むシステムでした。使わないのも勿体無いので見てみたら、キリンの氷結があったので、無難にそれを頼むことにして電話を掛けました。

やぶのね「もしもし、商品番号123456の氷結レモン味を一箱よろしくね。」

コールセンター嬢「結氷レモン一箱ですね、分かりました。」

や「あ、結氷でなく氷結ね、間違わないでね。」

コ「氷が張るといえば結氷じゃない!だから結氷で正しいに決まってるじゃない!」

※ちょっと解説。中国語で氷が張るとは「結氷」と言います。でも商品名は「氷結」なのです、キリンさん絶対的に「氷結」ですよね!

や「そうだけど商品名は氷結なんだってば!」

コ「結氷ったら結氷なの!」

や「あー、もういい!とにかく商品番号123456を一箱ね!そこは間違ってないよね!」

コ「ちゃんと分かってるわよ、じゃあそれだけね!」

後日ちゃんと氷結レモン味一箱届きましたけど。思い込みって凄いなと思ったやぶのねでした。自戒も込めて。

スーパーや薬局で氷結を見るたび思い出します。面倒だったけどネタには退屈しない国でしたよ。本当に。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?