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中国の取り敢えず検温

試験勉強に疲れたので久しぶりに中国の一般庶民ネタを軽く書くことにします。

日本でも恒例化した検温。15年以上前のことでしたか、SARSが中国を中心として猛威を振るいました。幸いにして7ヶ月くらいで終息宣言が出ましたが、最初はかなり行動を制限されました。次第に発熱が無ければ市や省を跨いでの移動も含め客先に行くことなども出来るようになりました。

コロナと違いSARSは感染したらすぐ発熱するので検温してから出社していました。しかし客先に入る時も検温するよう当局から通達が出ていました。当時は耳の穴で測定する非接触型体温計が主流でした。

ある初夏のような晴れた日、上海郊外の某工場に行って門衛さんに検温してもらいました。ふと自分の体温を見たら38度を超えていました!明らかにレッドライン!!!思わず後退り、

「ご、ごめん!私、熱ないと思ってここ来ちゃった!帰るわ!!!」

するとその門衛さん、

「いいんだよ気にしなくて、この体温計壊れてんだから。入んな。」

と、ヤニで汚れた前歯をニカッと見せて笑って言ってくれました。「上の通達あるから俺ら仕方なく形式上やってやってるけど適当でいいよ」とでも言わんばかりのあの屈託の無い図太さすら感じる笑顔、何か癒されました。えへ、と思わず笑って中に入りました。

あの痩せたおっちゃん、多分まだ上海にいるんだろうなぁ。下手に長引いてる封鎖ガチャでちゃんとご飯食べれてるか心配です。


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