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図書館の本のならび

この記事で松浦弥太郎さんの本『センス入門』の読書感想文を書いた。
そもそもなんで図書館でこの本を手に取ったかというのは
こちらの記事にあるように、著者の初監督映画の上映ポスターを見かけたからそれに影響されてであろうと推測している。
意識していなくても情報に影響って受けるよねという話なんだけど、もうひとつ理由がある。

それは図書館での置かれ方。
なんにも考えずに館内の端から端までぶらぶらブラウジングをするのも好きなのだけれど、
静寂の場・図書館にいつ泣き出すかわからない赤子を連れ歩くのはドキドキものなので必要以上の滞在は避けたい。

事前に蔵書検索をして、借りる本の目星をつける。
その本そのものを借りなくても、関連する内容の本が近くの棚にあることが多いからだ。
エッセイ『センス入門』を借りた時に、本当に借りたかった本は早起きに関わる実用本であった(4月から息子が保育園に入るので早起きしないとまずいのだ)。

読書感想記事を書いた後に、「なんでエッセイの近くに実用本が並んでいるのかな?」とふと不思議に思ったので少しだけ調べてみた。
そもそものところ、国内の図書館の多くがNDC(日本十進分類法/Nippon Decimal Classification)という分類の元、配架され(並べられ)ているそうだ。
自分の前職は出版なので分類を示すCコードというものは知っていたのだけれど、NDCなんていうものもあるのだな。
司書や図書館マニア、文学部に在籍していた人ならご存知かもしれないが初めて知ったので、せっかくなので情報の共有を試みたい。

NDCではまず、大きく10個の類に区分される。
0類 総記
1類 哲学
2類 歴史
3類 社会科学
4類 自然科学
5類 技術
6類 産業
7類 芸術
8類 言語
9類 文学

そこから更に十進法的に細分化。
たとえば9類文学だと下記のとおり。
90 文学
91 日本文学
92 中国文学
93 英米文学
94 ドイツ文学
95 フランス文学
96 スペイン文学
97 イタリア文学
98 ロシア・ソヴィエト文学
99 その他の諸文学

更に更に十進法的に細分化。
ここでは91日本文学を例にする。
910 日本文学
911 詩歌
912 戯曲
913 小説. 物語
914 評論. エッセイ. 随筆
915 日記. 書簡. 紀行
916 記録. 手記. ルポルタージュ
917 箴言. アフォリズム. 寸言
918 作品集
919 漢詩文. 日本漢文学


完全に理解したわけではないので、多少の間違いがあったらお許しいただきたいが図書館をうろつく際の参考や、もっと知ってみたいなという気持ちになっていただければこれ幸い。

ところで私は、『センス入門』(松浦弥太郎)を逗子市立図書館(沼間分室蔵)でお借りした。
背のところに159とある。蔵書資料を確認してみたところやはり、これがNDCの模様。

159は、1類 哲学/15 倫理学. 道徳/159 人生訓・教訓 に属していることを示しているようだ。なるほど住所のようだ。これ、楽しい。
ちなみに注意事項を二つみつけたのでおしらせ。

①NDCは何度か改定されており、図書館によって採用している版が異なる。なお最新は新訂10版。

②図書館によってはコードが異なる
①の採用している版による違いなのか、書籍購入時のシステムによるものなのかわからないが、図書館によってはコードが異なる。これに気づいたのは『センス入門』のNDCコードを様々な図書館の蔵書が見られるウェブサイトで「カーリル」で検索してみたからだ。
たとえば、川崎市立図書館や慶応義塾大学図書館だと手元にあるものと同じく159なのだが、葉山町立図書館や横須賀図書館だとNDC分類は914であったり914.6(評論・エッセイ・随筆/明治以降/原書が日本語)に属している。(914より更に下の区分があるとは!と驚きである)

159(倫理学・道徳/人生訓・教訓)であり、914.6(評論・エッセイ)である。『センス入門』においてはどっちも正しい。
NDCの改訂、導入しているシステムの違い、図書館来館者の傾向による優先判断なのか、謎は深まるがおなかいっぱいなので、これ以上は調べない。

なお、本来借りようとした本は早起きのハウツー本であり、159(倫理学・道徳/人生訓・教訓)に属すものである。
その後、借りて読んでみたが誤字脱字が何箇所もあったせいか、なにも信用したい気持ちになれなかった。もちろん読書感想文も書かない。

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