景泉

たまに怪文書を投棄します

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スレイト・オブ・ガルラジ

神楽邸の物置の奥にある不思議な石盤。そこには時たま不可解なものが映るという。信じるか信じないかは貴方次第… 2/11駿河湾、漁船の上 「凪紗さん!もう少し右です!」 白糸結の普段の印象からかけ離れた大声が夜の駿河湾に響く。彼女が見つめているのは魚群ソナーだ 「はいよっ!しかし本当に良いのかね…?これどう考えても『密漁』だよ?あたしに至っては船舶の無免許運転のおまけ付きだし」 「いいんです!仲間との絆より大事なものなんてありませんから!」 「まーた結の変なスイッチが入っちゃっ

    • ラスト・ムーン・オンリー・ノウズ

      「さやかちゃんさやかちゃんさやかちゃーん!」 「なんですかなんですか、月見のお団子なら今冷ましているところなのでもう少し待ってください」 「やったあ!ってそうじゃなくてぇ。梢センパイ達が三年生だけでお月見するって出かけちゃったからあたし独り身なの!」 「綴理先輩もさっき同じ事をわたしに伝えてから出かけていきました。そんなに長くは出かけないとの事でしたし小鈴さん達も後でこちらに合流すると話していましたからそんなに慌てなくてもじきにみんな揃うと思いますよ?」 「それはそうなんだけ

      • 硝子越しに映るあなたはわたし

        「吟子さーん!」  指名が入った。珍しい。本当に珍しい。今日もお茶をひいているだけで1日が終わると思っていたから慌てて身なりを整え小走りで指定された座敷へと向かう。  私みたいに愛想の悪い舞妓を指名しようなんて人は大体二手に分かれる。ひとつは今まで指名したことがないとか誰でもいいから。と思って呼ぶタイプ。顔と名前は覚えているけれども2度呼ばれる事はまず無い。そしてもうひとつは…案の定だった。 『変な人』  幾ら愛想が悪く愛嬌が無いとしてもお客様を面と向かってそう呼んだ事は

        • イレブン・イヤー・エルダー

           今夜行われるるりちゃんのお誕生日パーティーの為に私は金沢市内のケーキ屋さんに向かっている。最近のるりちゃんの好みを調べ上げて特注のケーキを注文していざ受け取る!るりちゃんが『めぐちゃん天才…!』と泣いて喜ぶ姿が目に浮かぶようだ。にやにや笑いを抑えきれないままお店の入り口に向かうと先客がいた。片眼を隠すような髪型の少し歳上っぽい女の子。どっかで見たような気がする…めぐちゃん記憶力を駆使してライブの記憶を掘り返す…多分めぐ党さんだ。けどお互いプライベートの筈だし触れないでおこう

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        スレイト・オブ・ガルラジ

          バニー・サン・デイ

          「っしゃあ!アタシの勝ちぃ!」 「鬼気迫るってこういう感じなんだろうなあ…ってバーサーカーっぷりだったけどおめでとうひめっち。約束通りチャレンジ成功だけどルリ達に何をして欲しいの…?」 「はい…それがまた私欲で申し訳ないんですが…」 「姫芽ちゃーん!みんなで居間でゲームしよーっ!…って何!?なんでバニーさん!?いかがわしいプレイ中で徒町達お邪魔だった!?」 「姫芽…だらやだらやとは思ってたけどまさかここまでとは…だらぶち!」 「ちょ、ちょっと待って小鈴ちゃん!吟子ちゃん!決

          バニー・サン・デイ

          ランチタイム・エンジェル

          「はーい、午前の特訓はここまで!3年生はもう少し自主練するから後輩ちゃん達は1時くらいまで休憩!」  慈先輩からの号令がくだり徒町を含めたみんながその場にへたり込みました。漸くお昼ご飯にありつける…と思った矢先に誰もが気付きました。あれ、今日早朝に映画の撮影をしたからさやか(先輩)(ちゃん)お昼ご飯用意してないんじゃないの…?という事に 「わたしのミスです…今から冷蔵庫の中身で何かしらを錬成してくるので10…いや20分待ってもらえますか?」  さやか先輩が据わった眼をしてゆら

          ランチタイム・エンジェル

          蓮ノ空大三角VS玉笹花菜(2)

          「慈!?慈は何処!?」 「うわっどうしたんですか梢センパイ」 「いきなりこち亀のオチみたいですねぇ」 「それ多分通じないよひめっち。めぐちゃんならまだ来てませんよこずこずパイセン」 「そう…スクールアイドルクラブの3年生宛に手紙が届いていたのだけれども私も綴理も全く心当たりがないからまた慈が何かやらかしたのかと…」 「ボクもなにもわからないからめぐに聞きに来たんだ」 「それはちょーっとと言うか大分めぐちゃんに失礼じゃなーい?梢、綴理」 「噂をすれば影がさすとはこの事ね…3人揃

          蓮ノ空大三角VS玉笹花菜(2)

          蓮ノ空大三角VS玉笹花菜(1)

          「どうしたんだい花菜。さっきからずっと神妙な顔をしてるけど」  久しぶりに会った親友はスマホの画面を見ながらずっと何かに悩んでいるように見える。少し、いや長めの逡巡の後、彼女は口を開いた 「あのね、菜月。お願いがあるの。力を貸してもらいたい」  人生の約1/3くらいはつるんでいる仲だ。今更こんな事を言うなんて水臭いじゃないか。そう思っていたが次に彼女が発した言葉で全てがひっくり返った 「私と一緒にLiveに出て欲しい。私と菜月の二人で戦いたい相手がいるから」  口に含んでいた

          蓮ノ空大三角VS玉笹花菜(1)

          クォーター・ストレンジラブ

          「お疲れ様でーっす!…って花帆ちゃんとひめっち…?」 「あっ瑠璃乃ちゃん!」 「るりちゃんせんぱい、お疲れ様でーす」 「随分と珍しい組み合わせでお話してたけどコレどういう集まり…?」 「ふっふっふ…!ハスノソラファンタジー同好会だよ瑠璃乃ちゃん!」 「ハスノソラファンタジーって…前に花帆ちゃんが個人配信で設定を羅列してたあれ?」 「そうですそうです。アタシがたまたま早く部室に着いたら花帆せんぱいが書き物をしている途中で…」 「そう。部室に来るまで歩いてる途中で急に思いついた設

          クォーター・ストレンジラブ

          カワイイ・ティーパーティ

          「…花帆先輩、急に呼び出してなんなん…!?」 「ルリも吟子ちゃんもイマイチ事情が掴めてないんだけどこれどういう集まり…?」 「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました。瑠璃乃ちゃん、この前ふたりでゲームした時の約束覚えてる?」 「あー…『勝った方が負けた方のお願いをひとつ聞く』だよね…それでルリを?」 「そうです!そして吟子ちゃんには瑠璃乃ちゃんと一緒に新たな伝統の発展に協力してもらいます!」 「新たな伝統って…つまりは花帆先輩の私欲ですよね?」 「ち、違うよ吟子ちゃん!この前やっ

          カワイイ・ティーパーティ

          幕間 金沢料理を食べに行こう

          ダイニングバー今夜も乾杯にて 「結さん、少し先の話ですが私達三人で金沢に行きましょう」 「何ですか藪から棒に。三人って凪沙さんも来るんですか!?」 「そうだぞ結。車はあたしが出す」 「ちょっと待ってください…凪沙さんそんな長い時間アルコール無しで生きていけるんですか!?」 「アタシを何だと思ってるんだ…」 「結さん、凪沙さんは5時間以上アルコールを摂取しなくても生きていけるんですよ。ガルラジをやってた頃はそうだったでしょう?」 「すず…後で話しようか…本題に戻ると10月に金

          幕間 金沢料理を食べに行こう

          ナンバーオブローズ

          「花帆…!?いるかしら?」 「はーい!花帆はここにいますよ。どうしましたか梢センパイ!」 「その…この前わたくしの実家から贈り物が届いたように花帆の御実家から物凄く大きな花束が届いたのだけれど…」 「何本か数えましたか?」 「…数えてないわ」 「では数えてきてください。そこまで含めてのあたしからお母さん達に頼んだプレゼントなので」 数十分後 「黄色いバラが99本。黄色いバラはわたくしの誕生花ね…そして99本のバラの花言葉は…」 「そこから先を口にするのは野暮ですよセンパイ

          ナンバーオブローズ

          チアレター

          「おはようございます!ってどうしたんですかさやか先輩!その紙束は!」 「おはようございます小鈴さん。これは…スクコネポストに届いたさやラジ宛のお便りです」 「お便りって…大学ノート数冊分はありますよね!?」 「はい、以前も気合の入った長文ポエムを書いてきた村人さんがいたのですが今回はさらに気合が入ってまして一投稿でこれです。さやラジが始まるまでに全部読まないと…と思うとこうして印刷して時間のある時に読み進めないといけない次第です」 「これがプロ意識…!徒町にもできる事があった

          チアレター

          コスズ・ミーツ・ナツキ

           休日の徒町の朝は早い。夜明けとともに飛び起きて水筒を片手にチェストの掛け声と共にランニングを開始します。今日のルートは蓮ノ湖をぐるっと周回するパターン。少し暑いくらいの陽気、今日も蓮ノ湖は凪いでいます。わずか2ヶ月とは言え平和な日常を感じながら寮に戻るとさやか先輩が入り口で待っていました 「おはようございます小鈴さん。今日のドルケストラは綴理先輩が伝統のトレーニングをしたいとの事なので蓮ノ湖へ行くのですが…少し準備があるので早めにお昼を済ませてから正午に大倉庫で集合です」

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          ブルーミング・ウィズ・ユー

          「梢センパイ梢センパイ!」 「あらあらそんなに慌ててどうしたのかしら花帆」 「それがですね…あたしの部屋宛にこれが届きまして…」 「これは…とても素敵な花器とアレンジメントね…どなたかから頂いたの?」 「その…大変言い難いのですが…センパイの御実家からです。御手紙によると花器は私の誕生日祝いとして人間国宝の方に作って頂いてアレンジメントは有名な生け花作家の方の作品らしくて…この前センパイの御実家で色々良くしてもらった上にこんな立派な物まで頂いちゃってあたしどうすればいいのかわ

          ブルーミング・ウィズ・ユー

          トライアングル・トライアングル・イン・トーキョー

           めぐがいなくなった。理由は何となくわかっている。昨日ホテルの部屋のこずに見えないところでペンライトの電池を確認していたし東京のアイドルのイベントを見に行ってるのだと思う。そのせいで今こずはすごく怒った顔をしながらボクとふたりで街を歩き回っている 「ところで綴理、何で慈の居場所を知っているのかしら。事前にどこへ行くのか聴いていたの?」 「違うよ、『何かあった時のために』るりがめぐの財布にGPSタグをつけて送り出したからそれの位置情報を追いかけているだけ」 「瑠璃乃さん…そこま

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