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カワイイ・ティーパーティ

「…花帆先輩、急に呼び出してなんなん…!?」
「ルリも吟子ちゃんもイマイチ事情が掴めてないんだけどこれどういう集まり…?」
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました。瑠璃乃ちゃん、この前ふたりでゲームした時の約束覚えてる?」
「あー…『勝った方が負けた方のお願いをひとつ聞く』だよね…それでルリを?」
「そうです!そして吟子ちゃんには瑠璃乃ちゃんと一緒に新たな伝統の発展に協力してもらいます!」
「新たな伝統って…つまりは花帆先輩の私欲ですよね?」
「ち、違うよ吟子ちゃん!この前やったからできない事じゃないはずだよ!」
「この前やった…!?まさか…学園祭でもないのにキツネ耳をつけてとかでないがけ!?」
「ぎくぅ!」
「絶対嫌です。花帆先輩のだら!」
「花帆ちゃんさあ…これ勝算あったの…?」
「瑠璃乃ちゃんとふたりでならいけるんじゃないかなあ…って」
「ガバガバ過ぎる…」
「吟子ちゃんは諦めるしかないのかなあ…でも瑠璃乃ちゃんは約束守ってね。はいチャウチャウ耳」
「そこは諦めないの!?」
「勿論!」

「おっまたせー!今日も邪智暴虐の補習を討ち倒しためぐちゃんのお出ましだぞー!みんな讃えろー!って何これ…倒錯プレイ?」
「それがですね…かくかくしかじかでして」
「成程成程それで吟子ちゃんは新たな伝統から逃げたと」
「逃げ…!?」
「だってそうでしょ。この前も言ったけどカワイイの追求はスクールアイドルの義務!それを怠るなんて逃げてるのと同じだよね」
「…きらぁ…」
「え、何?聞こえないなあ」
「私だって瑠璃乃先輩に負けないくらい可愛いスクールアイドルです!新たな伝統、上等ぞいね!慈先輩、花帆先輩!覚悟しまっし!」

「その結果この花帆さん専用ハーレム空間ができていると…」
「る”り”ち”ゃ”ん”せ”ん”ぱ”い”が”可”愛”過”ぎ”ま”す”…!」
「姫芽ちゃんが人間としての原型を留めない姿に…」
「ン”ン”ッ”…チャウチャウの瑠璃乃さんもとても素敵ね。慈もたまにはいい事するわ」
「るり、ぎん、ボクもお茶が欲しいな」
「はーい、お待ちくださいませお嬢様!」
「吟子ちゃん、はいあーん」
「あんやと…ってちごうわ!逆やいね!」
「してくれるの!?あーん!を!」
「しません!」
「あんまり調子に乗って食べ過ぎないようにしてくださいね花帆さん。晩御飯の後のデザートの事忘れてませんよね?」
「あ、忘れてた…やっぱり吟子ちゃんと瑠璃乃ちゃんも一緒に食べよう?ほらあーん!」
「ほんにこの先輩は…」
「るりちゃーん!私にもあーんしてー!」
「はいはーい!ってめぐちゃんはいつも部屋でして…」
「それ以上は言わない約束だよ」
「ああっ!姫芽ちゃんが興奮のしすぎで倒れました!さやか先輩、徒町保健室へ連れてきます!」
「久々に顔を出してみたらこの部室も随分と賑やかになったねぃ…」
「せ、先輩…これはその…」
「新しい伝統、いいじゃないか。アタシもそうやって先輩達から受け継いだものを梢達に繋げていったんだからさ」
「そう言っていただけて光栄です。よろしければ先輩もお茶をいかがですか?」
「そうだねぃ、なら一杯いただこうかな」
「吟子さん、瑠璃乃さん。もうひとりゲストをお迎えしても良いかしら?」
「こずこずパイセンの頼みとあらば!って沙知パイセン!?」
「や、久しぶりだねぃ」
「…誰?」
「吟子ちゃん…ルリよりちっちゃいけどこの方先輩でね…かくかくしかじか」
「粗茶でございますコン…!」
「そんな畏まらなくてもいいって。今のアタシはただのスクールアイドルが好きなOGのお姉さんなんだからさ」
「それじゃあ沙知先輩との久しぶりの再会を祝って、乾杯!」
「乾杯!」

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